クリニックニュース

2026.02.10更新

 日本人の食事摂取基準(厚生労働省/2015年版)では、国民健康・栄養調査結果をもとに一般的日本人の食物繊維摂取量が少ないことを考慮し、今後5年間に実現可能な量として成人の食物繊維の目標量を1日19g以上としました。男性では20g以上、女性では18g以上です。しかし、統計によると1日約12g~13g程度が実情です。毎日の健康なお通じのためには1日20g、心筋梗塞による死亡率の低下が観察された研究では1日24g以上と報告されていますので、私たちはもっと積極的に食物繊維を摂る必要があるのです。

【身体に不可欠でありながら摂取量は不足しがち。「第6の栄養素」食物繊維】
 食物繊維とは「人の消化酵素によって消化されない、食物に含まれている難消化性成分」の総称。野菜・果物・豆などの植物、藻類、菌類などに多く含まれています。言い換えると、たんぱく質・脂質・炭水化物などは、消化管の中で消化液の中の酵素によって分解(消化)され、小腸から体の中に吸収されますが、食物繊維はこの消化酵素の作用を受けずに小腸を通過して、大腸まで達する成分です。水に溶けないセルロースやリグニン、水に溶けるペクチンやアルギン酸などの成分があります。さらに消化されにくい性質を持ったデンプン・デキストリン・オリゴ糖などの成分も含まれます。便の体積を増やす材料となると共に、大腸内の腸内細菌に利用され、便秘予防や腸の働きを正常にするだけでなく、体にとって有益な生理機能を持つことが明らかになっています。

食物繊維

【不溶性食物繊維とは】
 不溶性食物繊維の効果は、何といっても腸内環境の改善とデトックス効果です。不溶性食物繊維は水に溶けない食物繊維で、胃や腸で水分を吸収し大きく膨らみます。これにより、便のかさ増しや、腸を刺激して蠕動(ぜんどう)運動を活発にして便通を促進します。体にとって有毒なダイオキシンなどの物質を排泄するデトックス効果もあります。不溶性食物が多く含まれる食品は、いわゆる「繊維質」な食べ物が多く、よく噛まなければならないものばかりです。食べ過ぎを防ぎ、満腹感を得られやすいというダイエット効果もあります。「便秘解消には食物繊維」と言われることが多いですが、不溶性食物繊維を多く摂ると、場合によっては便が硬く、コロコロになることもあります。たっぷりの水分も一緒に摂るようにしましょう。

【水溶性食物繊維とは】
 水溶性食物繊維は、名前の通り水に溶ける種類の食物繊維です。果物、野菜に多く含まれるペクチンや、昆布やわかめなど海藻類に多く含まれるアルギン酸、生のこんにゃく芋に含まれるグルコマンナンなどが水溶性に分類されます。水溶性食物繊維は水分保持力が強く、水に溶けるとドロドロのゲル状に変化します。この粘性が、ダイエットに効果を発揮します。
炭水化物(糖質)の消化・吸収を緩やかにし、血糖値の急上昇を防ぐ効果、コレステロールなどの余分な脂質を吸着し排出するなど、体への吸収を抑制する作用があります。また、腸の粘膜を守る効果、善玉菌を増やす効果もあるため、整腸作用があります。

【食物繊維の働き】
1 .善玉菌のエサとなり、善玉菌を増やして腸内環境を整える。
2. 便の元となり、便量を増やして便秘の予防になる。
3. 糖の吸収速度を抑え、食後の血糖の上昇を緩やかにする。
4. 血中のコレステロールの上昇を抑える。
5. 腸内の有害物質の排出を促進する。

【上手に摂ろう!食物繊維が多い食品と料理】
1つの食品に偏らず、色々な食品を組み合わせて摂るようにしましょう♪

食物繊維

  ナチュラルクリニック代々木   ※クリニックニュース Vol.30 掲載記事

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