前回は細胞膜の表面の産毛の様な「糖鎖」についてお話しました。
さて、今回は、その糖鎖が生えている細胞膜の主要成分、
「レシチン」についてお話ししようと思います。
レシチンもまた、妊娠力や赤ちゃんの成長過程において
必要不可欠な栄養素ですが、さて、そのレシチンって何でしょう?

レシチンとは
レシチンとは、私たちの身体を構成している60兆個すべての
細胞膜の主要成分で、細胞膜の約半分がレシチンと言われています。
私たちの身体にとって「糖質」「脂質」「蛋白質」は主要な栄養素
ですが、レシチンはその中の脂質に該当するもので、リン脂質という
身体に必要な善玉脂質です。
化学名は「ホスファチジルコリン」と言い、脳細胞の30%、血管壁の
90%がレシチンで構成されています。身体に必要な栄養素や酸素を
細胞内に吸収し、そして不要になった代謝産物や老廃物を細胞の外へ
排出します。また、血管の内壁にこびりついたコレステロールを
溶けやすくしたり、細胞の中の老廃物を血管の中に排出して血行を促進します。

そのため、レシチンが不足すると、細胞が栄養を十分に吸収出来ず、
本来の機能が働かなくなったり、老廃物が細胞の外へ出せない事で
体内に溜まり、様々な不定愁訴の原因になってしまうのです。
レシチンは妊娠力を高める!
レシチンは、妊娠に必要な女性ホルモンの代謝機能を高める働きにも関与します。
卵細胞や精子にも多く含まれ、また、他の細胞すべての膜や核に
レシチンは存在しているので、言い換えれば、レシチンが不足していると、
遺伝子異常や、不健全な卵子や精子が作られるリスクが高まってしまうのです。
また、レシチンは神経伝達物質のアセチルコリンの主要成分でもあり、
神経細胞にも多く含まれていています。脳関門を通過する事が出来るので、
約15分程度でα波が発生する、という研究データもあります。
自律神経やホルモン系にも働きかけるので、不妊治療などで心身に
大きな負担がかかりやすい時期にストレスを軽減してくれたり、
身体のバランスを整えてくれます。

妊娠してからもレシチンは大切!
妊娠してからもレシチンは必要不可欠です。
胎児の新陳代謝は激しく、ものすごいスピードで細胞分裂を
繰り返し、新しい細胞がどんどん作られますが、その細胞の
すべての膜にレシチンが存在するのです。
へその緒の90%はレシチンなので、不足すると早産や
未熟児出産のリスクに繋がってしまいます。
また、羊水や胎盤にも含まれ、胎児の呼吸や栄養の吸収にも
関わっているので、不足すると発育異常が起こってしまいます。
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胎盤には本来有害物質をブロックする胎盤関門というものが
ありますが、有害物質の中にはその関門を通過してしまう
ものもあります。環境汚染物質の中には脂肪にとけやすい
脂溶性のものと水に溶けやすい水溶性のものがあります。
レシチンは、エマルジョン(界面活性剤)としての働きがあり、
親油性と親水性、両方の役割を担っています。
ですから、胎盤関門を通過してしまう有害物質をブロック
したり、コレステロールと一緒に体外に排泄してくれるのです。
レシチンをしっかり摂りましょう!
レシチンを含む食品としては小魚、レバー、うなぎ等が
ありますが、多く含む食品の代表は卵黄と大豆です。
日頃からしっかりと食事の中に取り入れていかれる事は
身体の基礎を整えていくためにとても大切です。
特に妊娠を望む方や不妊治療中の方は意識して
摂られる事をお勧めします。

ご自身の身体の中で、今現在、レシチンの不足があるか
気になる方は、一度、当院の毛髪検査を受けられる事を
お勧めします。レシチンの不足の確認だけではなく、
葉酸や糖鎖、ビタミン、ホルモンバランス等、妊娠に必要な
栄養素や体調の傾向性を把握する事が出来ます。
不足が大きい栄養素がご自身で認識できると、お食事や
栄養の補完の指標が立てやすくなりますよね。

また、不足が大きい方は、お食事だけでは必要な量を補完する
事は難しいので、サプリメントで摂られる事をお勧めします。
当院で扱っているKーリゾレシチンは、低分子化され、また、レシチンと
他の栄養素の組み合わせにより、栄養の吸収、生理活性に非常に優れて
います。もちろん、脂溶性、水溶性両方の働きを持っていますので、
体内からのデトックスにも有効です、
詳細につきましては、お気軽にクリニックへお問い合わせ下さい。









