クリニックニュース

2017.06.13更新

関東地方も梅雨入りし、じめじめとした日が続いていますが、毎日いかがお過ごしでしょうか?さて皆さん、6月は食育月間ということをご存知ですか?食育基本法は農林水産省によって平成17年6月に制定されました。最近では「食育」という言葉も聞きなれた方が多いと思いますが、そもそも、食育という言葉はいつできたのでしょうか。

 ―食育の始まり―
明治時代、当時医師であり、薬剤師であった石塚左玄が伝統的和食の指導で多くの病を治した実績から、「食は命なり」と提唱しました。そして石塚左玄と共に小説家の村井弦齋が「食育」という言葉を使い始めたとされ、「食養道」を提えた石塚左玄は、「体育も智育も才育も、すべて食育であると認識すべき」と記しています。
また、村井弦齋は新聞連載小説「食道楽」の中で、「 小児には、徳育よりも知育よりも、体育よりも、食育が先。体育、徳育の根源も食育にある」と記しています。

 

食事

とても古くから日本人は食の大切さを理解していたのですね。しかし、戦後に欧米食が普及し、小麦や肉、乳製品を食べる機会が増え、日本の伝統の和食が家庭から少しずつ減っていきました。また、食事内容のみならず、個食や孤食といった家族や人との関わりが減り、私たちの食生活も少しずつ変化していきました。

―日本の伝統食や国菌―
例えば、味噌や醤油のように、日本人の伝統である「発酵食品」に関して言えば、熟成による本来の発酵処理ではなく、アルコールの添加により、時間をかけないで発酵させてある食品が多いのが現在の食の現実です。 

稲 

味噌・醤油だけを捉えると、食品の一つですが、本来は日本の国菌である麹(糀)菌=アスペルギルス・アスペルギルスオリーゼに含まれる酵素が食物の栄養素と反応して、大豆を発酵させて作られるものです。実この麹も、湿度の高い日本の風土により、稲穂が腐敗して出来たものです。

 食品のひとつをとっても、日本の歴史や風土を学ぶことになりますよね。

 また、何よりもその食材を大切に感じ、感謝をして食べれるようになるのではないでしょうか。そして毎回の食事を大切な家族や大切な人と食べる、団らんの時間にすることは温かな心を育む上でもとても大切でしょう。

 ―栄養療法の現場からみた食育―
私自身、毎日患者さんのカウンセリングをする中で、幼少期の食生活や食への興味はとても重要だと感じます。
幼少期に家族や大切な人とご飯を食べることが習慣になっていたり、料理を一緒にした経験などがある患者様は、たとえ大人になり食生活が乱れたとしても、ご自身で食生活を改善することが出来る方が多いです。

 当院の栄養・食事指導は和食が中心です。治療していく中で、たくさんの方が身体に優しい食事、本来の私たちの身体に合う食事に気づき、根本的な改善をされています。

 食育月間ということで、毎日の食、和食について、今一度みなさんの考えるきっかけになれば嬉しいです^^ 

ナチュラルクリニック代々木

2017.06.08更新

鉄は必須ミネラルの一つで全身へ酸素を運ぶヘモグロビンを構成する成分です。ヘモグロビンの量が不足すると身体の各部分へ酸素が行き渡らず酸欠状態となり、頭痛、立ちくらみ、だるさと言った症状いわゆる「貧血」を招きます。女性は月経や出産により多くの血液を失う為、男性に比べて鉄不足のリスクを高めてしまいます。更に鉄不足は貧血だけでなく、異食(氷、土を食べたくなる)や足がつる、爪が反り返る等の症状の他、女性においては不妊症の原因になる事も。現代人の鉄不足が増加している背景には、生活スタイルや食生活の変化が大きく影響していると言われています。

 鉄不足

 【鉄不足の要因】
①炭水化物や加工精製食品の増加
②ダイエット志向により、鉄を含む食品の摂取の減少
③野菜の栽培に有機肥料を使わなくなった事による野菜自体の栄養成分の低下
④胃酸の低下
⑤アルコールの常飲

 現代人はストレスが多く、自律神経の乱れから胃酸の低下やアルコール量の増加、また偏食による食の偏りなど鉄分だけでなく、その他の身体に必要な栄養素の不足が指摘されています。更に困ったことに、鉄分は身体に吸収されにくく食事からの摂取がしにくい栄養素です。不足し易いけれど、しっかりと補完したい鉄分。サプリメントからの摂取も有効ですが、過剰摂取による害も鉄分不足以上に注意が必要です。

 ~鉄の種類~
鉄には、ヘム鉄と非ヘム鉄の2つのタイプが存在します。

 ヘム鉄
ヘム鉄はレバーや赤身の肉、シジミやアサリ等の貝類を始めカツオなどの魚類と、動物性食品に多く含まれています。非ヘム鉄は腸管で吸収される際、食物繊維やタンニンなどにより吸収を阻害され易いのですが、ヘム鉄は鉄ポルフィリンに包まれている事から胃壁や腸管を荒らすことが無い上に、食物繊維による吸収阻害の影響も受けにくいため、非ヘム鉄よりも吸収率が高くなります。更にヘムオキシゲナーゼというヘム代謝に関わる酵素により吸収率が調整され、鉄の過剰摂取になりにくいのが特徴です。

 肉

 非ヘム鉄
日本人は鉄分の多くを、この非ヘム鉄から摂取していると言われています。小松菜やパセリ、枝豆やソラマメなどの豆類、ネギやにんにくなどの香草類など、多くの植物性食品に多く含まれています。ヘム鉄に比べ吸収率が落ちてしまいますが、ビタミンⅭ(有機酸)と一緒に摂取する事で吸収率が高まります。

 ホウレンソウ

 ヘム鉄、非ヘム鉄の両方をバランスよく摂取する事が大切と言えるでしょう。 

~ 簡単に鉄を摂取するには ~

 毎日の生活で、鉄分を意識して摂取するのは難しいのが現実です。しかし、鍋やフライパンを鉄製の物に変えるだけで、手軽に鉄を摂取する事が出来ます。昔の日本では鉄鍋が主流でしたが、今ではテフロン加工の物やアルミ鍋にその座を奪われてしまいました。その背景には、鉄製の調理具はお手入れが少し面倒という点が挙げられます。洗う際は洗剤を使わず、使用後は直ぐに水分を拭き取るか空焚きして油を馴染ませ、錆を予防します。毎回使用後にするお手入れと思うと少し面倒ですね。しかし、鉄鍋でも窒化加工を施した調理具は、普通の鉄鍋よりも錆び難く、扱いやすいのでお勧めです。また新しく鍋を買い替えるのはちょっと。と思われた方には、鉄玉子は如何でしょうか。鉄の塊で、ナスや黒豆の色だしに使用される他、アサリの砂抜きにも使用されます。煮物や汁物、お茶の時に沸かす鍋やヤカンに入れるだけで鉄が水に溶けだし、鉄鍋と同じような効果が期待出来ます。味付け前に取り出さないと玉子が錆びる原因となる為、取扱書を良く読み注意しましょう。1000円前後~と、安価で入手出来、何にでも利用出来る点が良いですね。

 鍋

 ~ 鉄の過剰摂取 ~
しかし、鉄の摂取が過剰になると胃腸障害や色素沈着、更には肝炎や糖尿病を発症するリスクを高めてしまします。鉄の摂取は少な過ぎず、多過ぎず適量を摂取する事が大切です。 

~1日に必要な鉄の摂取量~
成人男性  10mg
成人女性  12mg
妊娠後期・授乳期 20mg

 女性は月経により鉄分の不足が大きくなる時期があります。体調に合わせて、摂取する鉄分の調整をされると良いでしょう。しかし、昔ながらの和食中心の食事を摂っていれば、自然と栄養バランスの取れた食事になります。まずは偏食にならない様に心掛け、お肉・魚・野菜・海藻類などバランスよく摂取しましょう。

 

ナチュラルクリニック代々木

2017.06.01更新

エアコンを使用する季節となり、体の冷えを感じていませんか。冷え症の原因は手足や足先の血液の循環が悪くなることが原因のひとつとされています。冷え症の改善にはまず何よりも体を温める必要があります。冷えと関連してむくみの症状があります。「足は第2の心臓」とも言われ、足の筋肉が弱まると体の冷えやむくみが加速してしまいます。改善の為には運動をして筋肉をつけることが大切です。運動をすることが苦手な方はマッサージがおすすめです。座りっぱなし、立ちっぱなしなど長時間同じ姿勢でいる場合は動くことを意識しましょう。

クーラー 

また食生活の改善も大切です。良質な蛋白質をしっかりと摂りましょう。食べ物は温めて食べるを基本とし体を温める香味野菜(しょうが・ねぎ・にんにく・しその葉など)、血液をサラサラにする(EPA/DHA/青魚のお刺身や亜麻仁油)、血行を良くする(ビタミンE/アボカド・アーモンド・南瓜)を摂りましょう。また、インスタント食品の摂りすぎにも注意が必要です。インスタント食品には、塩分が多く入っています。塩分は細胞の浸透に影響を与え、血管の外に水分を出してしまいますのでむくみの原因になります。塩分は摂りすぎないよう意識しましょう。

入浴も、冷え性の予防に効果があります。夏はついシャワーだけで済ませたくなりますが、お湯につかると足が温まるだけでなく、水圧によって血流もよくなります。お湯のなかで、ふくらはぎを軽くマッサージすると、一層効果が高まります。お湯の温度は低めにし(少しぬるいと感じる程度)、ゆっくりつかりましょう。また、ストレスがたまると自律神経の働きが低下して冷え性を起こしやすくなります。湯船に好みのアロマオイルなどを使用しリラックスするのも良いでしょう。

 

入浴

人間関係などの精神的ストレスや労働などの肉体的ストレス、不規則な生活、睡眠不足などが体温を調節している自律神経を乱し、冷え性の原因にもなっています。また冷えにより腰痛、頭痛、生理不順などの症状や、抑うつ感などの心身の不調を伴うことがあります。

 
体を温める食べ物には具体的に下記のような食材が当てはまります。

 < 野菜類 >
ニンジン、カボチャ、ネギ、山芋、ショウガ、ネギ、ニラ、ニンニク、山椒、かぶなど

< 肉・魚類 >
鶏肉、羊肉、鮭、鯖、タラ、ふぐ、さばなど

< 調味料・香辛料 >
味噌、ニンニク、コショウ、シナモンなど

< 豆類 >
小豆、黒豆、納豆など

< 飲み物 >
しょうが湯、黒豆茶、ほうじ茶、紅茶、ウーロン茶、赤ワイン
日本酒、紹興酒など

 しょうが

これから夏本番の季節を迎えますが、暑いからといって身体を冷やし過ぎないように気を付けましょう。

 

ナチュラルクリニック代々木

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