クリニックニュース

2024.04.10更新

<日本人は乳糖分解酵素(ラクターゼ)が85%の人に不足している>

牛乳を飲むとお腹がゴロゴロするのは、牛乳に含有される糖分である「乳糖」を分解する「ラクターゼ」という酵素が不足しているためで、分解できずに下痢や消化不良などを起こしている状態です。これは、赤ちゃんの時は全員が持っていた乳糖分解酵素の活性が、大人になるにつれて減少するためです。
日本人は85%、黒人は70%、白人は15%の人に不足しており、これを「乳糖不耐」と言います。
また乳糖は、本来人間が持っている骨の中のカルシウムを奪ってしまう作用が挙げられます。添加物として加工食品や薬にも使われているので、乳糖不耐が疑われる場合には注意が必要です。

 

<ミルクパラドックスの害>

牛乳を飲むと、血中カルシウム濃度が一気に上昇します。一見カルシウムが増えたように感じますが実は違います。人間の持つ「ホメオスタシス」の原理より、血中のカルシウム濃度は一定(約1%)に保たれていて、上昇すれば余分なカルシウムは、尿から排出されてしまいます。牛乳を飲み、一気に血中カルシウム濃度が急上昇すれば、私たちの体は慌ててカルシウムを排出するように働きます。この時、余分なカルシウムと一緒に必要なカルシウムまで排出されてしまい、これを繰り返していくことで、カルシウムの貯蔵庫である骨がすかすかになってしまうのです。
カルシウムを補給する目的で牛乳を飲んでかえって骨が細くなってしまう現象…これがミルクパラドックスです。因みに世界で一番牛乳を多飲している国は白人社会でもあるノルウェーで、骨粗鬆症の発生率は日本の5倍です。カルシウムを摂るならば、牛乳(1倍に対して)よりも煮干し(14倍)、わかめ(8倍)、昆布(7倍)、小松菜(5倍)、かぶ(2倍)から摂るべきでしょう。吸収もゆっくりなので、血中カルシウム濃度を一気に上げる心配もありません。

 

<カゼインが腸内でカゾモルフィンという麻薬様物質に変化>

牛乳のタンパク質の80%を占めるカゼインは、母乳のタンパク質であるアルブミンと違い、粗く粘り気があるため、腸から吸収されにくい性質を持っています。
そのため未消化のまま血中に入り、脳に到達して脳内の受容体であるレセプターと結合すると「カゾモルフィン」という麻薬様物質に変化します。
これが原因物質となり、うつ、適応障害、広汎性発達障害、自閉症、アスペルガ―症候群、ADHD、統合失調症などの精神疾患が引き起こされるケースが世界中で報告されています。
フロリダ大学、オスロー大学、サンダーランド大学では精神症状のある患者に「カゼイン・グルテン除去食」を用いた食事療法を行いました。
その結果は統合失調症、広汎性発達障害、自閉症、アスペルガ―症候群、ADHD、言語発達障害、学習能力障害の患者の40%~81%が、有意または完全に改善したという報告をしています。
またアメリカのクルック博士は治療の経験から、子供の説明のつかない疲労や、やる気のなさ、頭痛、腹痛などの全身症状、無関心などが牛乳をはじめとする食物アレルギーによるものだと考えています。アメリカの酪農組合でも6歳未満の子供に対して、牛乳の摂取は控えるように忠告を開始しました。

ミルク

ナチュラルクリニック代々木 ※クリニックニュースVol.4 掲載記事

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