クリニックニュース

2024.05.20更新

眠りには「脳と体を休め、疲労を回復させる」という大切な働きがあります。人生の約1/3は眠りの中であるように、私たち人間にとって「ぐっすり眠る」ことは、健康を維持していくために大切なことです。ただし眠れないからといって、安易に睡眠薬を使ってしまうと、薬の副作用や依存から抜けられなくなり、結果的に安眠できない体質となってしまいます。眠り上手になるための、自然な方法を紹介します。

★起床時に朝の光を★
睡眠ホルモン「メラトニン」は、日光の影響を受けやすいホルモンです。朝の光を浴びてから14~15時間で休息モードに切り替わり、眠りを促進するホルモン(メラトニン)が分泌されます。体内リズムを整え、メラトニンを促進するために、起きたらカーテンを開けて朝の光を浴びましょう。

★夜型から朝型に変える★
睡眠は量よりも質が大切です。就寝時間が遅いと必然的に起床時間も遅くなり、生体バランスを崩しやすい状態になります。午後10時から2時の間をゴールデンタイムと言いますが、この時間帯は成長ホルモンが活発になる時刻です。人間は太陽が昇ると同時に活動を始め、沈む頃には休息するという習性が培われています。夜型の人は朝型に変えていきましょう。まずは朝30分早く起きて、その夜は30分早く寝る、次の日も同じように更に30分早く起きて30分早く寝る…これを繰り返すことにより、生活リズムを理想に近づけ、朝型に変えることができます。

★入浴を眠りのスイッチにする★
眠気は体温のリズムと深い関係があり、体温が上昇する間は眠気が生じにくく、下降する間は眠気が生じやすくなります。この体温リズムを利用して、入眠サインとし、入浴でコントロールしましょう。入浴すると体温が上昇し、やがて穏やかに下がり始めるので、眠気が生じるきっかけとなります。ただし、熱いお風呂は逆効果!交感神経が刺激されて眠気が遠ざかる覚醒作用があります。心身をリラックスさせるために、ぬるめのお風呂にゆったりとした気持ちで入り、毎日の入眠スイッチにしましょう。また寒い夜は足湯を取り入れたり、足元に湯たんぽやカイロを置くのも効果があります。「頭寒足熱」という言葉があるように、足元を温めると心身がリラックスして眠りを誘います。

★単調な音楽を就寝時のテーマソングに★
波の音や雨音等、自然を取り入れた音を中心とした音楽は、単調なので眠りを誘う効果があります。1時間位でスイッチが自動的に切れるようにして、毎晩同じ音楽を流し、眠りのテーマソングにするのも方法です。またボリュームは最小限に絞り、微かに聞こえる位の音量が効果的です。ラジオやテレビを視聴するのは注意を引かれてしまい、逆効果です。

★好きな香りを眠るサインに★
香りにも眠気を誘う効果があります。ストレスや不安で気持ちが高ぶり高揚している時には、香りが持つ鎮静作用で眠りやすい状態を作りましょう。眠りを誘う香りとして、一般的なものは、ラベンダー、カモミール、ローズ、ネロリ、イランイランなどがありますが、一番大切なことは好きな香りを選ぶことです。いくら睡眠に良いと言われている香りでも、嫌いな香りではリラックスできずに、逆にイライラして神経が高ぶってしまいます。

★視覚からも安眠を誘う★
眠気を誘うカラ―をご存知ですか?レッドやイエローなどの鮮やかな色は、視覚から脳を刺激して興奮状態に導く働きがあり、覚醒作用がある色とされています。寝室は癒しを感じさせる色、ブルーやグリーンを基調にするのがお勧めです。ブルーには体温や血圧を下げる力があり、興奮状態を落ち着かせ、精神的なストレスを和らげる効果があります。またグリーンには毛細血管を拡張し、血流の流れをスムーズに導く作用があります。入眠前には、足元をぼんやり照らす程度の照明にし、白熱灯などの間接照明を利用しましょう。蛍光灯などの鮮やかな照明は、逆に脳を覚醒するので目が冴えてしまい、逆効果です。

★気持ちを鎮める★
ストレスや興奮状態、不安感がある時は、気持ちが高ぶっていて、ベッドに入ってもなかなか寝付けなかったり、浅い眠りしか得ることができません。就寝する前に家族と楽しい時間を過ごしたり、ペットと触れ合ったりしながら、高揚している気持ちを落ち着かせましょう。眠れないからとテレビを観るのは逆効果です。脳が活発に刺激され、ますます安眠できない状態になってしまいます。就寝前はゆったりとした時間を過ごし、体と脳に眠る準備を与えましょう。またカフェインを摂ると眠りを妨げますので、午後3時以降はコーヒー、紅茶、緑茶などは控えるように努めましょう。

★サプリメントを使う★
睡眠ホルモン「メラトニン」の前駆体である「セロトニン」は、アミノ酸の一つである「トリプトファン」が材料となります。バナナやきな粉、卵黄、落花生等に多く含まれていますが、サプリメントで摂取するのも効果的です。また心身の緊張をほぐす「バレリアン」、脳をリラックスさせる「レシチン」「GABA」「サフラン」や神経のビタミンと言われる「ビタミンB12」なども良いでしょう。

★時には開き直りも大事★
なかなか眠れず「眠らなくては」と焦りの気持ちがあるとプレッシャーがかかり、ますます眠れない状態に陥ります。「羊が一匹、羊が二匹…」と羊の数を数えると眠れるという話は有名ですが、「眠らなければ…」と焦る気持ちを、羊の数を数えることで紛らわす…つまり忘れさせていると考えられます。「そのうち眠れるだろう」と自分に言い聞かせ、心を落ち着かせましょう。「一睡もできなかった」という人でも、実際は眠っている場合も多いものです。何日も一睡もしないで生活できる人間はいません。どうしても眠れない時には開き直りも大切です。

 

ナチュラルクリニック代々木   ※クリニックニュース Vol.6 掲載記事

 

 

2024.05.10更新

<歯の構造を見れば、自ずと食べるべきものが見えてくる>

歯の構造には3種類あります。

・臼歯………………………穀物や豆類の歯。「臼」のような形の歯は、植物や穀物・魚肉をすりつぶすのに適している。

・門歯(切り歯)………野菜用の歯。薄くて四角い歯は、植物や果実、海藻を噛み切るのに適している。

・犬歯………………………肉食用の歯。尖った三角の歯は、肉を噛みちぎるのに適している。

例えば草食動物の牛は全て臼歯なので穀物しか食べないのに対し、肉食動物のライオンは全て犬歯なので肉しか食しません。歯の構造は動物にとって、その歯に適したも
のを食べるように、元々備わっているのでしょう。
 さて、人間の歯の内訳は
    臼歯 → 20本 (⑤)
    門歯 → 28本 (②)
    犬歯 → 24本 (①)
であり、その対比は5:2:1となります。要は肉や魚を「1」食べるとしたら、その2倍の野菜と5倍の穀物を食すのが理想的な食事のあり方だということになります。
また、日本人は元々農耕民族ですので、欧米人の狩猟民族に比べると腸の長さが長いと言われています。日本人の身体は穀類の炭水化物を消化する機能に大変優れている反面、肉類や乳製品の消化には慣れていないため、取り過ぎると腸内環境が悪くなり、生活習慣病を発症する傾向が挙げられます。消化吸収の良い食材を中心に摂ることによって、大腸の負担も軽くなり、便秘知らずの腸となって、免疫力や基礎代謝力、体温が上がり、健康的な毎日を過ごせるようになります。
                
ナチュラルクリニック代々木では、栄養価の観点から主食は発芽玄米食を推奨しています。玄米を発芽させたものを用いますが、食べにくいようでしたら、白米と混ぜて炊くことをお勧めしています。

 

<理想の食卓は「一汁三菜」の和定食>

「一汁三菜」とは「ご飯」と「汁」と「香の物」に、いくつかの「菜」が添えられるという組み合わせです。米を炊いた「ご飯」。昆布や鰹節などでとっただしを、味噌や塩などで味付けした具入りの「汁」。塩漬けやぬか漬け、粕漬けなどの「香の物」。そして焼き物や煮物や和え物などの「菜」。その4つの要素で構成されます。
現代の和定食の中心である「一汁三菜」に対して、江戸時代は「二汁五菜」がよく登場しましたが、これが昔のおもてなし料理の基本です。
一汁三菜の献立の最大の特長は、汁も香の物も菜も全てご飯を食べるために存在するという点です。
ご飯を白米ではなく、玄米食(発芽玄米や白米と混ぜても良い)にすることで、米自体がもつ栄養価を丸ごと摂取できる利点があります。性別や年齢に応じて、ご飯の量でカロリーを調整するのが和食の基本的な食べ方となります。
数ある日本の調理法の中で、特長的なものとして「生もの」が挙げられます。材料を生のまま切り、皿に盛り付け、調味料と薬味を添えます。刺身といえば魚介類が用いられますが、調味料と薬味の組み合わせも、魚類との相性を考えて工夫されているのが和食です。わさび、しょうが、からしなどの薬味や「つま」「けん」と言われる大根の千切り、大葉、防風、芽蓼、花紫蘇など防菌効果のあるものを添えて、見た目も美しく組み合わせます。普段の食事は「一汁三菜」。これが食養生の基本です。

理想の食事

※ 上記の場合には、焼き魚(右奥)、煮物(左奥)、小松菜のお浸し(中央)の3つの菜で構成される。向かって手前左にご飯を、手前右には汁を、その間に香の物をそれぞれ置くという決まりがある。

ナチュラルクリニック代々木    ※クリニックニュースVol.5 掲載記事

 

2024.04.10更新

<日本人は乳糖分解酵素(ラクターゼ)が85%の人に不足している>

牛乳を飲むとお腹がゴロゴロするのは、牛乳に含有される糖分である「乳糖」を分解する「ラクターゼ」という酵素が不足しているためで、分解できずに下痢や消化不良などを起こしている状態です。これは、赤ちゃんの時は全員が持っていた乳糖分解酵素の活性が、大人になるにつれて減少するためです。
日本人は85%、黒人は70%、白人は15%の人に不足しており、これを「乳糖不耐」と言います。
また乳糖は、本来人間が持っている骨の中のカルシウムを奪ってしまう作用が挙げられます。添加物として加工食品や薬にも使われているので、乳糖不耐が疑われる場合には注意が必要です。

 

<ミルクパラドックスの害>

牛乳を飲むと、血中カルシウム濃度が一気に上昇します。一見カルシウムが増えたように感じますが実は違います。人間の持つ「ホメオスタシス」の原理より、血中のカルシウム濃度は一定(約1%)に保たれていて、上昇すれば余分なカルシウムは、尿から排出されてしまいます。牛乳を飲み、一気に血中カルシウム濃度が急上昇すれば、私たちの体は慌ててカルシウムを排出するように働きます。この時、余分なカルシウムと一緒に必要なカルシウムまで排出されてしまい、これを繰り返していくことで、カルシウムの貯蔵庫である骨がすかすかになってしまうのです。
カルシウムを補給する目的で牛乳を飲んでかえって骨が細くなってしまう現象…これがミルクパラドックスです。因みに世界で一番牛乳を多飲している国は白人社会でもあるノルウェーで、骨粗鬆症の発生率は日本の5倍です。カルシウムを摂るならば、牛乳(1倍に対して)よりも煮干し(14倍)、わかめ(8倍)、昆布(7倍)、小松菜(5倍)、かぶ(2倍)から摂るべきでしょう。吸収もゆっくりなので、血中カルシウム濃度を一気に上げる心配もありません。

 

<カゼインが腸内でカゾモルフィンという麻薬様物質に変化>

牛乳のタンパク質の80%を占めるカゼインは、母乳のタンパク質であるアルブミンと違い、粗く粘り気があるため、腸から吸収されにくい性質を持っています。
そのため未消化のまま血中に入り、脳に到達して脳内の受容体であるレセプターと結合すると「カゾモルフィン」という麻薬様物質に変化します。
これが原因物質となり、うつ、適応障害、広汎性発達障害、自閉症、アスペルガ―症候群、ADHD、統合失調症などの精神疾患が引き起こされるケースが世界中で報告されています。
フロリダ大学、オスロー大学、サンダーランド大学では精神症状のある患者に「カゼイン・グルテン除去食」を用いた食事療法を行いました。
その結果は統合失調症、広汎性発達障害、自閉症、アスペルガ―症候群、ADHD、言語発達障害、学習能力障害の患者の40%~81%が、有意または完全に改善したという報告をしています。
またアメリカのクルック博士は治療の経験から、子供の説明のつかない疲労や、やる気のなさ、頭痛、腹痛などの全身症状、無関心などが牛乳をはじめとする食物アレルギーによるものだと考えています。アメリカの酪農組合でも6歳未満の子供に対して、牛乳の摂取は控えるように忠告を開始しました。

ミルク

ナチュラルクリニック代々木 ※クリニックニュースVol.4 掲載記事

2024.03.10更新

トリプトファン

3-3

精神安定に必要なセロトニンの前駆体である「トリプトファン」は、「かしこいな」に多く含まれています。かつお、しいたけ、こんぶ、いりこは、まさに日本の「お出汁」。出汁のきいた和食は、先祖代々日本人の精神状態を守ってきたのでしょう。またセロトニンはメラトニンの分泌を促し、体内時計を調整します。
「なんだかよく眠れない」「ぐっすり眠れない」そんな時は、安易に睡眠薬などに頼らずに、まずは食生活を見直してみましょう。

ナチュラルクリニック代々木 ※クリニックニュースVol.3 掲載記事

2024.02.10更新

まごわやさしい

「まごは(わ)やさしい」は日本伝統の「和食」のメリットを、栄養学的に凝縮した「健康食材の詰め合わせ」のようなもの。普段の食生活の基本とすることで、栄養のバランスが摂れ、生活習慣病の予防、老化防止、免疫力のアップ、骨を丈夫にする、体調を整えるなど、様々な効果が挙げられます。ナチュラルクリニック代々木では、「まごはやさしい」を食生活の基本とし、主食を白米やパン食から発芽玄米に替えることをお勧めしています。精神疾患で来院される患者さんの多くは、インスタント食品やコンビニ弁当、スナック菓子、菓子パンなどを常食としており、身体(細胞)の基礎作りに必要な栄養素が全く摂取されていない状態です。更に食品添加物や薬剤の服用により、精神的な症状のみでなく、身体の不調を訴えるケースも多く見受けられます。伝統的な日本の食生活を普段の献立に摂り入れることは、食養生の基本でもあり、体調を回復させるために、もっとも重要な療法であることを理解しておきたいものです。

ナチュラルクリニック代々木 ※クリニックニュースVol.3掲載記事

2024.01.10更新

 疲労を感じた時に、甘いお菓子を食べて、元気になった経験はありませんか? 
 なぜ甘いお菓子は、そんなに早く私たちの体を元気にしてくれるのでしょうか?
 それは「砂糖は、体内に吸収されるスピードが速い」からです。
 砂糖を使ったお菓子を食べると急激に血糖値が上がります。一時的に疲れが取れたように感じますが、体はそれに対処するために急いでインスリンを放出し、血糖値を下げようとします。インスリンを大量に分泌した結果、今度は逆に血糖値が下がりすぎてしまい低血糖となるのです。急に下がりすぎた血糖を正常値まで引き上げるために、アドレナリンというホルモンが分泌されます。アドレナリンは分解されるとアドレノクロムという覚醒剤に似た有害物質となり、これが頭痛を引き起したり、「キレやすい脳」にしてしまうのです。

砂糖の害

 また、砂糖は体液を酸性に傾けます。それを中和しようとして、体の中でカルシウムをはじめとするミネラルを奪います。しかし砂糖を日常的に摂っていると、体の組織や細胞に貯えられたカルシウムでは足りずに、骨や歯を溶かしてカルシウムを補い、体のバランスを保とうとします。その時、カルシウムの流出で結石ができやすくなる恐れもあります。こうして砂糖を体内から排出させようとして、私たちの体は様々な反応を起こし、負担がかかっていくのです。また、砂糖は消費する時にビタミンB群が必要となります。これが砂糖は別名「ビタミン泥棒」と言われている所以です。イライラやストレスなどで、もともと不足しているビタミンB群を更に消費してしまうのです。砂糖の過剰摂取は、私たちの体の大切な栄養素を消費してしまいます。また砂糖には「習慣性」と「増加欲求性」があります。「習慣性」というのは、砂糖を含んだ物を食べると、次から次へと甘い物が欲しくなることです。「増加欲求性」というのは、甘さに慣れてくると、更に甘みの強い物が欲しくなることです。

 では、一日にどの位の摂取を目標にしたら良いでしょうか。
 ナチュラルクリニック代々木では、治療目的として、嗜好品の砂糖の摂取量は1日6グラムを基準としています。

砂糖の量

 例えば、おやつにチョコレートを1/2枚食べてしまったら、4日間(4日×6g=24g)は嗜好品の摂取を控えるように努めたり、ビタミンやミネラルの摂取をいつもより多く摂るように心掛けるなど、調整をする気持ちが大切です。また普段の料理でも白砂糖を控えて、メープルシロップやハチミツ、オリゴ糖、黒砂糖、てんさい糖など、自然に近い調味料を利用しましょう。「甘い物を食べたい」という気持ちと、私たちの身体の細胞が「食べたい物」とは違うということ…細胞が喜ぶ食生活を心掛けることが、健康を維持し病気を遠ざける秘訣となるでしょう。

ナチュラルクリニック代々木 ※クリニックニュースVol.2掲載記事 

 

2023.12.25更新

ナチュラルクリニック代々木 年末年始休暇のお知らせです。


2023年12月29日(金)から2024年1月4日(木)まで年末年始休暇とさせていただきます。

皆様にはご迷惑をおかけしますが、よろしくお願い申し上げます。

サプリメントのご注文は、2022年12月28日(木)12時までにお願い致します。
12時以降のご注文は、2024年1月5日(金)の配送手続きとなります。

 

2023.02.10更新

 私たちの体は何十兆個もの細胞でできていますが、全てに細胞膜が存在しています。細胞膜は細胞の内部環境を一定に保つために代謝機能を司る重要な役割を担っています。この細胞膜の構造は、脂質二重層という構造を作っています。細胞膜を構成するリン脂質分子(=レシチン)は頭部と尾部がありますが、頭部は水になじむ親水性、尾部は水をはじく疎水性の特長があり、細胞内外の均衡を保っています。

細胞膜

※細胞の内外は主に水で満たされているため、リン脂質分子は頭部を外側に、水に反発する尾部を内側に二重層を作って並ぶ。二重層の両外側は親水性なので、膜全体は細胞内外の環境になじみ、内側には疎水性の脂肪酸が充満しているので細胞の内外をしっかり遮断することができる。

 

 リン脂質分子には種類があり、細胞の外側の膜、内側の膜で構成される分子が違います。

ホスファチジルコリン(PC)…主に細胞の外側の膜を構成する。
ホスファチジルエタノールアミン(PE)…細胞の内側の膜を構成する。
ホスファチジルイノシトール(PI)…     〃
ホスファチジルセリン(PS)…        〃

 レシチン(=リン脂質)を細胞膜の構成栄養素として摂取するためには、PC、PE、PI、PSのバランスが重要です。レシチン=PCと言われているように、卵黄レシチンは極端にPCのみが多い栄養素です。大豆レシチンは比較的リン脂質のバランスが良いとされていますが、そのバランスも完璧ではなく、中でもホスファチジルセリン(PS)は含有率が少ないので、細胞膜強化栄養療法として確立させるためには、PSを大豆レシチンに添加することが、実はとても重要なのです。
 レシチンが不足して細胞膜の機能が衰えると、ウイルスや細菌から身を守る働きが衰え、外敵の攻撃を受けやすくなります。また酸素や栄養、老廃物などの細胞内外への受け渡しもスムーズに行われなくなり、細胞が衰え傷つき、様々な症状が発生します。バランスの良いレシチンの補完は、他の栄養素の吸収を助けるためにも、まず先に行う必要がある重要な栄養素です。

 ★ナチュラルクリニック代々木★

 

2022.08.05更新

キャンセル料についてのお知らせ

 いつもナチュラルクリニック代々木をご利用いただき、ありがとうございます。当院をご利用いただいております皆様に大切なお知らせがございます。

 最近ではご予約も混雑をしており、患者様から「予約が取りづらい」とお声をいただくことも多く、ご迷惑をお掛けしております。
また、当日のキャンセルも目立つようになり、その日に診察を希望されていた患者さまにもご利用いただけない状況が散見されるようになりました。
多くの患者さまに当院を平等にご利用いただくために、大変恐縮ではございますが、キャンセル料の取り扱いをさせていただくことになりました。

キャンセル料の詳細は以下になります。


当日キャンセル又は予約の変更 :3300円(税込)
当日の無断キャンセル     :5500円(税込)


予約の変更やキャンセルは、診療日の3日前までにご連絡頂けますと、キャンセル料は発生致しません。
(留守番電話での受付は行っておりません)

何卒、ご理解、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

★ナチュラルクリニック代々木★

 

2021.06.27更新


 新型コロナウイルス対策の一環として、ステイホーム、リモートワークが推奨され、自宅で過ごす時間が多くなりました。
自宅での時間が多くなると、つい飲酒量が増えていませんか?今回はアルコールについて考えてみたいと思います。

 


~ アルコール代謝の仕組み ~

 口から入ったアルコール(エタノール)は胃から約20%、残りの大半を小腸から吸収し、約90%が肝臓で代謝されます。肝臓で、殆どのアルコールはアルコール脱水素酵素(ADH)によりアセトアルデヒドに分解されます。
アセドトアルデヒドとはお酒を飲んだ時に顔が赤くなったり、頭痛、吐き気の原因となる物質です。
また、一部は非アルコール脱水素酵素系であるミクロソーム-エタノール酸化系(MEOS)により代謝され、アルデヒドになります。
アセトアルデヒドはアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)により身体に無害な酢酸アセテートに分解され、その後、TCA回路を経て筋肉・脂肪組織などで水と二酸化炭素に分解され体外に排出されます。
MEOS系の代謝にはビタミンB1、アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)の代謝にはビタミンB3が関与します。
そのためアルコール代謝にはビタミンB1・B3が多く必要となります。
しかし、摂取されたアルコールの2-10%は、代謝されないまま血液中を循環し、肺から呼気、腎臓から尿、皮膚から汗として体外に排泄されます。
血液中のアルコールが脳に到達すると、神経細胞に働き「お酒に酔う」状態となります。

 

計算式

 

 酔いの状態はアルコール血中濃度によって6段階に分けられます。
楽しくお酒を飲めるのは「ほろ酔い期」のアルコール血中濃度が0.1%程度までです。
理性を司る大脳皮質の活動が低下し、抑えられていた本能や感情を司る大脳辺縁系が活発になり、開放感を感じたり陽気になるのです。
しかし、アルコールの量が増えるのにしたがって酔いが進み、脳の麻痺も進みます。
「酩酊(めいてい)初期」「酩酊期」になると知覚や運動能力が鈍り、繰り返し同じ話をしたり千鳥足になったりします。
さらに飲酒が進み、「昏睡期」になると、麻痺は脳全体に及び、呼吸困難に陥り、最悪の場合には死に至る危険性もあります。

酔っ払い

 

~ アルコール代謝 (酔いが覚める) ~

 摂取したアルコール・お酒が身体から抜けるには、どのくらいの時間が掛かるのでしょうか?

 アルコールの分解には体質により異なりますが、一般的に体重1kgあたり、1時間で0.1gのアルコールを分解するとされています。
また、身体の大きい人は血液量が多く、肝臓自体も大きいため、小柄な人よりもアルコールの分解が速くなると言われています。
更に、筋肉量も代謝に関係しています。
肝臓にて酢酸に分解されたアルコールは、血液により筋肉に運ばれ、二酸化炭素と水に分解されます。つまり、筋肉量が多い人は酢酸の処理能力が高いことになり、アルコールの代謝能力も高くなります。
女性よりも男性の方が、一般的にお酒が強いのは、少なからずこれらが関係していると言えるでしょう。

アルコール

 アルコールの代謝は、純粋なアルコールの量により計算されます。
アルコール摂取量の基準とされるのは、お酒の単位です。
1単位とは、純アルコールに換算して20g。
この1単位を各種アルコール飲料に換算すると、ビール(アルコール5度)は中びん1本(500ml)、日本酒(アルコール15度)は1合(180ml)、ウイスキー(アルコール43度)ダブル1杯(60ml)、焼酎(アルコール25度)0.6合(110ml)が目安となります。

 

お酒の1単位(純アルコールにして 20g)

1単位

 

~ アルコール依存 ~

 自宅で気軽にアルコールを摂取するようになると、心配されるのが「アルコール依存」です。
最初はアルコールの摂取によりストレス発散や気分転換、気分の高揚感を楽しんでいても、摂取量や日数が徐々に増加し、アルコール依存症となる方が増えています。
「少しのアルコールは健康に良い!」とも言われていますが、例えばワインには抗酸化物質であるレスベラトロールが含まれていますし、ビールの苦み成分であるホップは昔から薬用ハーブとして知られており、リラックス効果や抗ストレス作用があるとされています。
しかしこれらは、アルコール単位1以下(ワイン‥180㎖  ビール‥500㎖ 以下)の摂取量に対して言われているものです。
飲む量や日数など、計画的に自制出来る範囲で楽しむことが大切です。

 

チェック表

{出所}KAST(新久里浜式アルコール症スクリーニング検査)

【 男性 】

合計点数が4点以上‥アルコール依存症の疑い群 
合計点数が3~1点‥要注意群
合計点数0点‥正常群
※質問項目1番のみ「いいえ」の場合は正常群

 

【 女性 】

合計点数が3点以上‥アルコール依存症の疑い群 
合計点数が2~1点‥要注意群
合計点数0点‥正常群
※質問項目6番のみ「はい」の場合は正常群

 

 

~ アルコールとの上手な付き合い方~
  
 お酒は、ストレス発散、リラックス効果、コミュニケーションツールとして私たちの生活に大きく関わっています。
しかし扱い方を間違えると、アルコールは心身へ悪影響を及ぼすものとなってしまいます。

では、アルコールと上手に付き合うにはどうすれば良いのでしょうか?
 
 一番注意したいのは、やはり飲酒量ですが、その他にも重要となるのが、飲酒時の食事です。先に述べたように、アルコール代謝にはビタミンB群をはじめ、ビタミンⅭなど多くの栄養素が必要です。
また栄養素の不足は二日酔いの原因になるほか、代謝に関わる各臓器への負荷も大きくなります。
飲酒時の食事を少し注意することで、上手にアルコールと付き合うことができます。

 

 

~ 飲酒時におススメの栄養素~

① ビタミンB1
 通常、アルコールの分解には酵素「アルコール脱水素酵素」により行われますが、大量の飲酒により酵素だけでは処理しきれずに、ビタミンB1が使われます。
また、肝臓で分解されたアセトアルデヒドが酢酸から分解される際にもビタミンB1が使用されます。

ビタミンB1

 

② レシチン
 レシチンは細胞膜と共に肝臓の細胞活性化する働きがあり、肝機能を保護してくれます。
また、レシチンの構成成分であるコリンは、肝臓で行われる脂質代謝に関与し、脂肪代謝を向上させることで、アルコールの摂取などによる脂肪肝の予防に働きます。

卵

 

③タンパク質
 アルコール代謝酵素であるアルコール脱水素酵素などの酵素の活性を高め、肝細胞の再生を促進する栄養素です。
アミノ酸から生成されているタンパク質は、殆どが体内で生成できないため、食事から摂取する必要があります。

タンパク質

 

④ 有機酸・脂肪酸
 お酒を飲む前に、牛乳を飲むと、胃に膜が出来て酔いが軽減されるという話をよく耳にしますが、牛乳は胃酸により凝集され、膜の役割を果たさないことがわかっています。
アルコールの吸収を遅くするには、クエン酸や酢酸などの有機酸や、油脂類が効果的です。
2005年に発表された「The Japanese Society of Physical Fitness and Sport Medicine」では、アルコール吸収速度を遅くするために油脂類や有機酸が働くメカニズムが解説されています。

 酸

 

⑤オルニチン
 肝臓の働きを助けるアミノ酸です。
アミノ酸は500種類以上ありますが、オルニチンはタンパク質を構成せず、血液と共に体内をめぐる特別な「遊離アミノ酸」です。
オルニチンは、肝臓の「オルニチンサイクル」というアンモニアを代謝する経路で働き、身体に溜まると有害な物質であるアンモニアの代謝や、解毒を促進します。
オルニチンサイクルのはたらきを活発にすることで、肝臓全体の本来の機能が保たれると考えられます。
オルニチンは肝臓で有害な毒素を無害にする重要な役割を果たしているほか、二日酔い、疲労感の軽減にも効果が期待できます。

 オルニチン

 

⑥ タウリン
 タウリンは、生体内で遊離した状態で存在する含硫アミノ酸様化合物の一つで、イカやタコ、貝類、甲殻類及び魚類(心臓・脾臓・血合肉)に多く含まれています。
タウリンはアルコール分解に必要な酵素の働きを助け、分解スピードを上げて肝臓の負担を軽減します。

 タウリン

 

 

 食事は、胃の中の食べ物が粘膜の上に層を作り、消化器官への負担を和らげます。
さらにアルコールの吸収を遅らせてくれるほか、お酒のペースを抑えることもでき、飲み過ぎを抑えてくれます。
胃腸や肝臓への負担をやわらげるためにも、食べ物と一緒にお酒を楽しみましょう。
また食事と共にサプリメント(健康補助食品)を活用して、不足しやすい栄養素の補完や、肝機能のサポートを行い身体への負担を軽減させましょう。

 

★ナチュラルクリニック代々木★

 

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