クリニックニュース

2020.07.27更新



当院は、消化器専門のクリニックではありませんが、患者さんのお悩みの症状を根本から整えていく上で、大切にしているのが「腸」です。多くの患者さんは腸内環境の改善が必要で、食事内容の見直しは必須となります。

一般的に、腸内環境を整える食事で知られていることは、乳酸菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維、発酵食品などを含む食材を摂り入れるというものです。しかし中にはこのような食事をしても、症状が改善しにくい方がいます。その症状は一人一人違いますが、消化器科には通院していない方でも、お腹の膨満感を感じ易かったり、ガスがよく出る、よく腹痛を生じる、便秘や下痢になりやすい…という症状を抱えている方がいます。また、既に、過敏性腸症候群やクローン病と診断されている方も見受けられます。

そんな中、オーストラリアのモナッシュ大学で、低FODMAP食が、過敏性腸症候群の症状の軽減に繋がるという論文が発表されました。
 

FODMAP食とは何か?

FODMAPとは、小腸では吸収されにくい発酵性糖質のことで、これらの頭文字を取ったものです。
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この中には、乳酸菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維が含まれています。乳酸菌が増える事で、短鎖脂肪酸(酢酸・プロピオン酸・乳酸)などの代謝物の産生を促す食材が多く存在します。「乳酸菌が増える事は良いこと」「腸内環境が良くなると思って、積極的に食べている」と言う方も多いと思います。一般的に、短鎖脂肪酸は、免疫細胞の活性化、血糖値の安定、肥満予防になる等、腸内環境には良い働きをする物です。
しかし、過敏性腸症候群の場合や小腸内で腸内細菌が増殖している時は、短鎖脂肪酸が増えすぎることで、腹痛や満腹感、下痢を招く恐れがあり、注意が必要です。そのため、これらを含む食材を摂る事で、より症状を助長する事があるのです。 


具体的にどのような食材に含まれるのか? 

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【参考】 江田証著:腸のトリセツ 


 

有効と言われる低FODMAP食療法とは?

オーストラリアで発表されている低FODMAP食療法は、上記の高FODMAP食品を3週間程控え、その後、=オリゴ糖(フルクタン・ガラクトオリゴ糖)、=乳糖、=果糖、P=ポリオール(ソルビトール・マンニトール・ソルビトール)を含む食材を糖質ごとに一種類ずつ摂り、腸の状態を診ていきます。

 

当院での低FODMAP食を使った治療方法は?

当院は消化器科専門のクリニックではないため、CTやMRI、呼気検査は行わず、問診とPRA毛髪検査において、過敏性腸症候群の傾向性、腸内ガスや小腸内の細菌増殖などをチェックします。

これらの症状や傾向性が強い場合は、低FODMAP食を参考に、患者さんが日頃の食生活で多く食べる物を確認しながら、控えるべき食品を決めていきます。併せて、天然のハーブ(サプリメント)を活用し、腸の状態を確認していきます。

今まで厳格に低FODMAP食を試したという方でも、「続かずまた元に戻ってしまった」「外食時に何を食べて良いか分からない」という患者さんのお話しをよく伺います。少しずつ自分の身体に合う食事を見つけ、最終的にはその食生活を定着することが大切です。



最後に

今回お伝えした低FODMAP食は腸を改善するための一つの方法です。腸は栄養素の吸収や神経伝達物質の生成、自律神経に大きく影響する等、大切な役割を担っている器官です。身体の基本となる腸を改善し、身体をより元気にしていきましょう!

 

2020.06.20更新

こんにちは。今回のブログはお腹のお話です。
みなさん、お腹の調子はいかがでしょうか?
便秘や下痢、腹部膨満など、お腹のトラブルはいろいろありますが、
その中でも下痢はつらい症状ですよね。下痢が続くと栄養の吸収が
低下したり脱水になったりして体力を消耗してしまいます。また、
生活に支障が出たり、体力だけでなく、メンタルにまで負担がかかってしまうことも。

下痢が発症する原因に適した対処を行うことは、症状の悪化や
慢性化を防いでいく上でとても大切です。今回は、下痢がどうして起こるのか、
その原因についてまとめてみたいと思います。


消化管は、口から肛門までの、体の中で最も長い臓器です。体の外とも接していて、
侵入してくるウイルスや病原菌、化学物質などの異物から自分の身を守るため、
防御する働きや免疫力を備えています。

特に腸は、最大の免疫器官と言われ、体を守り異物と戦うリンパ球の多くが
集まっています。また、第二の脳とも言われ、独自の神経系によって各器官
と連携しながら、体をバランスよく維持するために必要な役割を果たしています。
ところが、その働きが低下したり、何かしらの原因によって腸内のバランスが崩れると
下痢を引き起こしてしまいます。
辛いちょう

下痢は、腸内の水分が過剰になり、便が液状またはそれに近い状態になることです。
通常の便の水分量は70%~80%ですが、80%~90%になると軟便、90%を超える
と水様便となり下痢になってしまいます。
下痢になると繰り返し起こる便意、腹部のけいれん、腸内ガスなどを伴うことが多く、
ウイルスや食中毒などによって引き起こされる下痢の場合は嘔吐や吐き気を伴います。

下痢の原因は・・・

下痢は大きく分けて急性と慢性に分かれます。

急性下痢(症状が1週間程度の一時的な下痢)
●ウイルス、細菌、寄生虫による感染
●食中毒、
●食べすぎや飲みすぎ、または普段食べない食材の摂取
●心身のストレス
●薬の副作用 など

慢性下痢(症状が1か月以上継続したり繰り返して起こる下痢)
●炎症性腸疾患(クローン病・SIBO等)
●過敏性腸症候群(IBS)
●消化管の機能低下による消化不良
●薬の副作用
●心身のストレス など

下痢を起こすメカニズム

下痢を引き起こす原因を、そのメカニズムによって分類すると
①腸運動性下痢 ②滲出性下痢 ③分泌性下痢 ④浸透圧性下痢 に分類できます。

大腸由来の下痢は滲出性、小腸由来の下痢は分泌性と浸透圧性です。

①腸運動性下痢

一般的によく起こる下痢のタイプです。腸の筋肉は、伸縮し、水分を吸収しながら、
ゆっくりと肛門まで便を送る「蠕動運動」を行っています。便は、ある程度の時間、大腸に
とどまることで固まりますが、蠕動運動の機能が低下し、大腸を速く通過してしまうと
固まらず、水様便になってしまいます。また、逆に蠕動運動が妨げられ、便が滞った
場合でも、増殖した腸内細菌が刺激して下痢を起こすことがあります。

暴飲暴食、糖質の多い食品や酸性の食品の摂りすぎ、カフェイン、冷え、ストレスなどに
よる自律神経との連動によるものが一般的な原因です。また、緩下剤やマグネシウムを
含む制酸薬やサプリメントの使用に起因することもあります。

病的要因としては、プロスタグランディンや甲状腺機能亢進症、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸
炎、過敏性腸症候群(IBS)など)、消化器の術後などが考えられます。
IBSは、20~30代と若年層に多く、男女比では女性の方が1.5倍程多いといわれていま
す。下痢と便秘両方の症状が診られますが、下痢症状は男性に多い様です。

うんどうせい げり

 


②滲出性下痢

腸管の粘膜に炎症や潰瘍が起こり、傷がつくと水分の吸収能力が低下し、炎症が
起こります。そして、腸管内へ粘液や体液などが分泌され、便の量と水分が増加して
下痢を起こします。
このタイプの病的要因としては、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患、腸結核、
虚血性腸炎、細菌性腸炎(サルモネラ・ブドウ球菌など)、ウィルス性腸炎、リンパ腫や
がん、また、その治療などによる放射線性腸炎などが挙げられます。直腸の粘膜に炎症が
おこると、便の刺激で、より過敏になるため、排便の頻度が高くなり苦痛が増長されて
しまいます。

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③分泌性下痢

小腸と大腸から便の中に水分と塩分(塩化ナトリウムなど)が分泌されて起こります。
コレラやO157などの細菌がもつ毒素を腸内で検知すると、「セロトニン」というホル
モンが放出され、周りの細胞から大量の水分が出て下痢が起こります。

ウイルスや細菌の毒素、寄生虫などの他、下剤(ヒマシ油)や胆汁酸(小腸の部分切除術
の後など)、ポリープなどにより起こります。また、ゾリンジャー・エリソン症候群や
WDHA症候群、カルチノイド、ガストリノーマなどの腫瘍などでもホルモンの影響で
引き起こされることがあります。分泌性下痢では、大量の便が排泄されることが多く
みられます.
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④浸透圧性下痢

腸から吸収されない浸透圧の高い食物や薬剤が原因で浸透圧が上昇し、水分と電解質
のバランスが崩れ、引き起こされる下痢です。
一部の豆類・果物や濃いジュース、ガム、お菓子、ダイエット食品などに含まれる砂糖の
代替品(マンニトール、ソルビトール、ヘキシトールなど)が主な原因です。
また、乳糖の分解酵素・ラクターゼの欠乏症の人が乳製品を摂ると乳糖が消化されず、
下痢が起こる乳糖不耐症もよく診られます。
また、中鎖脂肪酸(MCT)は、サラダ油や動物性油脂等の長鎖脂肪酸と比べて消化吸収が
非常に早く、小腸内の浸透圧が高まります。そのため、多量に摂ると、体内の水分が
腸粘膜から腸管の中にとりこまれ、腸内の水分量が多くなるため、下痢を引き起こ
すこともあります。

その他、抗生物質や貧血治療の鉄剤などの服薬でも腸内の正常な細菌叢が乱れ、下痢
となることもあります。誘引物質となる食物や薬剤を抜くと症状は改善していきます。

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その他下痢をおこしやすい疾患

蛋白漏出性胃腸症
血液中に存在するタンパク質が消化管の方へ失われてしまい、低タンパク血症に
関わるさまざまな症状を起こす症候群です。

吸収不良症候群
小腸の粘膜に問題があり、栄養素の吸収が障害される症候群です。
グルテン腸症、乳糖不耐症、胆汁酸塩など。

など。


下痢という症状は同じでも、引き起こす原因は様々あるという事がわかります。
一過性のものか、繰り返されるものか、また、その人各々の体質や食習慣などでも
異なります。
ナチュラルクリニック代々木では、問診と毛髪検査により、下痢の原因を根本的に
探っていく治療を行っています。
お腹の調子がなかなか整わない方、ぜひご相談ください。

看護師:上川合 史子


 

 

2020.05.22更新

 新型コロナウイルス感染予防対策の一環として、自宅や職場、外出先で検温をする機会が多くなりました。今までは風邪の時に測ることはありますが、女性の基礎体温測定や持病のある方を除くと、頻繁に体温を測ることはありませんでした。しかし体温は身体の健康バロメーターでもあります。自分の体温リズムを知ることは、自身の体調の把握に繋がります。今回は、この体温について考えてみましょう。

 


 

<部位による体温の違い>

 体内温度は、手足や皮膚に近いところは温度が低く、体内の中心部に行くほど、高くなります。手足や身体の末端、身体の表面温度は季節や環境温度の影響を受け易く、変動が大きくなります。一方中心部は、心臓や脳などの重要な臓器の働きを守るため、安定した高い温度に保たれています。この中心温を「中核温」と呼びます。体温を測るうえで、この中核温を測れるのが良いのですが、中核温の測定は難しいため、計測し易い、脇や口腔内、額などで測るのが一般的となっています。

 また測る部位や使用する体温計のタイプによって、測定時間や平熱は異なります。使用する体温計は同じものを使用し、各部位の平熱を知っておくか、常に同じ部位から測ることが大切です。発熱時などで医師に体温を知らせるときは、体温計のタイプ、検温部位を伝えることが大切です。

 身体の内部温度分布


 

<体温リズム>

 人の体温は病気の有無にかかわらず、外気温や食事、精神面、睡眠により変動します。これらには、自律神経やホルモン、筋肉運動や基礎代謝が関わり、体温調節を行っています。また1日(24h)ごとの体温リズムがあり、「概日リズム」と言います。通常、外気温の変化の影響もあり、早朝から朝方に掛けて最も低く、覚醒と共に体温は上昇し、食事や日中の活動状態によりピークを迎えます。1日の体温の差は、ほぼ1℃です。そのため平熱を知るうえで、同じ時間帯に同じ体温計で測ることが重要です。

体温リズム


 

<低体温と冷え症>

 低体温と冷え症は、同じ身体の冷えでも違います。

低体温
代謝により発生する熱(熱産生)と、体から逃げていく熱(熱放散)のバランスがとれず、体全体の温度が低くなることを指します。一般的には、低温期の平熱が35℃台であり、高温期に入っても平熱が36度前半の方は低体温といえます。健康的な方の平熱は(36.5~37.1度ほど)です。

冷え性
身体の末梢(手足)への血流が悪くなり、深部体温は下がっていなくても、手足や腰などの身体の一部分の温度が下がり冷えている状態を指します。平熱は低くなくても、手足の冷えが強くなってしまいます。しかし病態として統一的な定義は確立しておらず、西洋医学的には病気ではなく、身体的な症状や状態として認識されています。現代人の女性の約8割が「冷え症」というリサーチ結果があるほど、冷えを感じている方が増えています

 

冷え症


 

<身体の冷えって何?>

 低体温も冷え症も、身体の冷えにより起こります。それでは、身体の冷えとはなぜ起こるのでしょうか。

冷えの原因は大きく分けて3つあります。

1. 基礎代謝
 基礎代謝は1日のエネルギー消費の60~70%を占めています。その基礎代謝の4割近くは筋肉で消費されていますが、無理なダイエットや運動不足により筋肉量が減少すると、基礎代謝、熱産生が減少し、慢性的な冷えを招きます。男性より女性の冷えが多い理由の一つと言われています。逆に食べ過ぎも冷えの原因となります。過度の飲食は、消化のために血液が胃腸に集中し、熱産生量の多い筋肉や他の器官への血液供給を減少させます。そのため、代謝が低下し、冷えの原因となります。

2. 自律神経
 自律神経は血管の収縮や消化器官の働き、呼吸などの調整を担います。ストレスや不規則な生活習慣、加齢により自律神経が乱れると、血流や酸素供給の悪化により全身への循環が滞り、末端へ血液が行き届かず、冷えの原因となります。

3. 熱伝導
 汗をかかず水分が十分に排出されていない人は、身体に不要な水分がたまり、冷え易くなります。また、皮下脂肪の多い方も、脂肪には断熱効果があり、温まりにくくなります。しかも脂肪には血管が殆どないため、熱が加わっても全身へ伝わりにくくなります。


 冷えの慢性化は、疲労感、不眠、集中力の欠如、偏頭痛、肩こり、食欲不振、イライラなど様々な症状を招きます。更に、「冷えは万病の元」と昔から言われ、体温が1℃下がると免疫力は30%低下すると言われています。免疫力の低下は、癌や感染症、甲状腺障害やアレルギー症状など重篤な病気の要因となります。冷えを改善し、健康な心身を目指しましょう。


 

<身体を温める食材>

 中国の伝統的な医学(中医学)に「薬膳」というものがあります。すべての食べ物には薬効があり、食材の持つさまざまな性質や効能を活かして食事として取り入れることで、心身のバランスを保ち、病気を未然に防ぐというものです。この薬膳の考え方を理解し、日常の食生活を意識して改善することで、体調管理に役立てていきましょう。

薬膳には、温・熱・涼・寒があり、「温熱」は身体を温める食材、「寒涼」は身体を冷やす食材に分類されます。また、どちらにも当てはまらない「平性」があり、これら5つの分類を五性と呼びます。
「寒涼性」の食材は水分のある野菜や果物が多く、身体の余分な熱を出してくれます。「温熱性」の食材は生姜やネギ、ニンニクなどの香味野菜や、唐辛子などの辛味成分を含む食材が多く、血流を促し新陳代謝を高めます。また、どちらにも属さない「平性」は、米や麦、豆などの穀物類に多く、身体のエネルギー源となります。

 

五性

 

 しかし、発酵や乾燥、加熱によりその属性が変化することもあります。「平性」の豆ですが、発酵して納豆になると「温熱性」になり、豆腐に加工されると「寒涼性」に変わります。また、柿は「寒性」ですが、干し柿にすると「温性」に変わります。フルーツが好きだけど、身体の冷えが気になる方は、ドライフルーツにされると、安心ですね。

自身の体調に合わせて、食材や調理法を選んで摂取することが大切です。
冷えのある方は、朝に「寒涼性」の多い野菜や果物を多く含む、スムージーや野菜ジュースを摂ると冷えが強まります。しかし野菜スープやお味噌汁にして加熱すると「寒涼性」の属性が和らぎ、冷えを回避することが出来ます。更にスープに生姜やニンニク、ニラなどの「温熱性」のものをプラスするのも効果的です。
逆に、更年期のほてりがある方や、夏場の熱い日は身体に熱がこもり易くなります。そんな時は、「寒涼性」の果物やサラダ、スムージーなどで上手に熱を排出しましょう。

 

ナチュラルクリニック代々木:代替医療カウンセラー  ☆ 齋藤奈々 ☆

 

 

2020.04.25更新

 

今もなお、感染の拡がりを続ける新型コロナウイルスですが、治療薬がない現状では、自分の免疫力を高め、コロナウイルスに負けない身体づくりをすることが大切です。では、私たちの体はどのようにして免疫システムが働いているのでしょうか。

まず免疫は、「粘膜免疫」「全身免疫」に分かれます。

「粘膜免疫」は、主に鼻や口、腸管などの粘膜に存在しているもので、ウイルスや細菌の侵入を防いでいます。

空気中に漂うウイルスが喉や鼻の粘膜に付着した場合は、粘膜に存在しているIgA抗体という免疫物質が病原体とくっついて、病原体を無力化してくれます。そのため、
粘膜を丈夫にしておき、バリア機能を高め、IgA抗体が十分に働ける状態にしておくことが大切です。
粘膜を構成する材料が不足すると、粘膜が乾燥して傷つき、ウイルスや細菌が体内に侵入しやすくなります。そのため粘膜の働きを保持するビタミンA(緑黄色野菜)や免疫細胞(IgA抗体など)の材料となるたんぱく質(魚や肉、卵、大豆など)を充分に補完することが大切です。

そして、粘膜免疫の中で最大の免疫組織が、小腸の腸管です。
身体の約7割の免疫細胞が存在しています。
この腸管は腸管上皮細胞の表面に存在していますが、上皮細胞が壁のように隙間なく並んでおり、異物が体内に入るのを防いでいます。この上皮細胞からは、「抗菌ペプチド」であるディフェンシンやカテリシジンを分泌し、ウイルスや細菌をやっつけますが、この抗菌ペプチドの産生にはビタミンD(きくらげ・干しシイタケ)の量に依存すると言われています。

それでも病原菌が突破して、体内に入った場合は、腸管上皮細胞が免疫担当の細胞へ伝達をします。(=全身免疫)
すると、白血球の「好中球」や「マクロファージ」が病原菌を食べてくれたり、NK細胞が攻撃をしてくれます。また、インターフェロンがマクロファージなどの働きを刺激しますが、このインターフェロン量はビタミンC量にも依存するため、ビタミンC(キャベツ・レモンなど)を摂取することが大切です。

 

ここに書いたのは身体の一部の働きですが、このように、私たちの体はウイルスや細菌と戦えるようにいつでも待機しています。しかし、病原菌と戦う免疫細胞の材料が不足していたり、体内で戦闘モードになるためのスイッチが働かないことには病原菌に負けてしまいます。

「〇〇を食べていればOK!」というものはありませんが、しっかりと食べ物や生活を整えることで体は変わります。
今この機会に、自分の身体がどのような状態なのかを知り、未病の段階で身体を整えていくことが、将来の健康にも繋がります。

 

当院で実施している 毛髪検査 は、一人一人の状態に併せて行い、潜在的な体の不調も数値化して表すことが出来る検査です。また栄養の過不足やストレスの度合い、免疫力などをチェックする事が可能です。
郵送でも検査を受けることが出来るため、気軽に出来る健康チェックにもおすすめです。
自宅にいる時間が長い今、ご自身の身体を一度見直し、少しでも健康な体を作っていきましょう。

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ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。

参考文献
http://www.vic-japan.gr.jp/info_for_prof/vit.d/vitamin-influenza200910.pdf
https://www.otsuka.co.jp/b240/

ナチュラルクリニック代々木

 

 

2020.04.17更新

【患者様へお願い ※当院は完全予約制です】
新型コロナウイルス(COVIT-19)感染拡大防止対策として、来院された患者様に以下の事項をお願いしております。
1. マスクの着用
2. 消毒用アルコールによる手指の消毒
3. 検温  ※37.5℃以上の場合には、念のため受診をお断りしております。また咳や風邪の症状がある方もお断りする場合があります。

また、来院された患者様に安心して診察を受けて頂けるよう、院内の受付及びカウンセリングルーム内に次亜塩素酸水による空気の除菌を行っております。また頻繁に院内の換気を行っております。
医師、スタッフは「マスクの着用、検温(午前と午後)、手指の消毒」を徹底しております。また消毒薬を用いた清掃を心掛けております。


【新型コロナウイルスについて】
当院では新型コロナウイルス(COVIT-19)の検査、診療は対応できません。
感染の疑いがある方や不安な方は、まずはお住まいの都道府県が公開している帰国者・接触者相談センターに連絡しましょう。

新型コロナウイルスに関する帰国者・接触者相談センター一覧(厚生労働省HPより)

2020.03.25更新

こんにちは。今回のブログは臨床例をご紹介したいと思います。
今回は発達障害の傾向性のある男児の症例です。


臨床例

T・K君 3歳(初診時)

<主訴>
親戚に当院を紹介され,両親と一緒に受診。1歳までは寝ている時間が多く
おとなしかった。1歳半健診で、おもちゃに興味を示さず遊ばないことを指摘
される。その後、療育センターに相談し、親子教室へ通ったが変化が見られ
なかった。2歳半から週3日で支援所に通園している。
便秘傾向で鼻水がいつも出ている。
親の注意を聞くことが出来ず、じっとしていられない。すぐ車道に飛び出し
たり高い所に登ったりするため、親は目が離せない。

<内服>
なし。初診1ケ月前よりサプリメントを摂り始めている。

<治療方針>
leaf 毛髪検査を行い、症状や過不足の栄養素等の傾向性を確認する。
leaf 食事の内容を見直し、不足している栄養素に関しては、経過観察を行いながら
  サプリメントでの補完を行う。
leaf 食事内容と併せて腸内環境を早期に整えていく。

<症状改善へのポイント>
● 毛髪検査の結果から機能性低血糖症が診られたため、食事の中の糖質
  や間食のお菓子に注意する。
● 乳酸菌の不足や腸内環境の乱れが診られたため、原因となる食材をできる
  だけ避け、乳酸菌などのサプリメントを補完する。
● 自閉症傾向や脳ストレスのマイナス傾向が診られるため、神経組織の立て直し
  や細胞膜のはたらきを整える。


<食事内容>


<来院時>
朝:パンが多い。 シリアル、卵、フルーツなど
昼:麺類など
夜:玄米を取り入れ始めている。味噌汁、野菜、肉。
     魚はほとんど食べていない。
間食:おせんべい、クッキーなど 
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<食事指導後> 
● パンや麺類などの小麦製品、乳製品は出来るだけ控える。
● 間食は糖質の多いものは減らし、たんぱく質のものを摂り入れる。
● 魚を食べる回数を増やす。
● 血糖値の急上昇を防ぐため、食べる順番に注意する。

<サプリメント>
flagKリゾレシチン
flag糖鎖栄養素
flagDHA/EPA
flagGABA
flagビタミンB群


<治療の経過>
   down arrow  
1か月後  便秘が改善され、ほぼ毎日便が出ている。
     便の臭いも臭くなくなって色もよくなった。
     鼻水は止まっている。
     外出先で以前はすぐに走り回っていたが、椅子に
     座って待つことが出来る様になった。
     発語はまだ見られないが、音としては認識している。
     表情は穏やかで不安そうな様子はなし。
     医師との手遊びもしっかりと集中して行っている。
     こだわりが強く出る様になった。
   down arrow 

2か月後 便通は安定している。集中力はある。
     成長に伴ったこだわりがでていると療育センターの先生に言われた。
     歌にあわせて手遊びなどはよくやっている。
     発語が少しずつ増えている。「やだ」などと意思表示をする
     場面が増えた。家では、今まで通り危ないこともするが、療育センター
     では先生のいう事を理解し、危ないことはやらない。
     魚を最低でも一日おきに食べる様になった。
       down arrow

4か月後 多動の症状は母からみると変化は感じないが、久しぶりに親戚が集まった際に
     「随分落ち着いた」と指摘された。電車に乗っている時は、混雑していても
     じっと立っていられる様になり、椅子に座っていても動き回ったりぐずったり
     しなくなった。大勢の前で何かをする様なことは苦手だったが、療育
     センターのお遊戯会では皆の前で手遊びなどを上手に行う
     ことが出来た。家の中と外の態度を使い分けられている。
     発語がだいぶ出る様になった。言葉として出てこないが、こちらの
     質問の内容は十分理解している。糖質の摂取量はまだ多い様子。


来院から1年半ほど経過していますが、発語も順調に増えており、少しずつ周囲を
見ながら自分の行動を判断できる様になっています。また、他の子とのコミュニ
ケーションも上手にとれる様になってきたそうです。初診で来院された頃は、お母様も
疲れ切っている様子でしたが、その後、来院される度にお母様の表情が明るくなり、身体
的にも楽になっていると仰っていました。
今後も成長の過程と合わせて食事や栄養のバランスがとれる様、診察を通してサポート
させて頂きたいと考えています。

 

看護師 上川合史子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2020.03.16更新

 現在、日本をはじめ世界中で関心の集まる「新型コロナウィルス」ですが、除菌アルコールやマスクが不足しており、感染予防への不安や混乱が続いています。しかも、流行は長期化する可能性も出てきており、暫くは「新型コロナウィルス」と向き合っていかなくてはいけません。
 マスク着用は、感染予防効果より感染者の飛沫感染予防としての効果が大きく、感染予防には手やドアノブ、室内や携帯電話などのこまめな除菌が必要となります。消毒用アルコールが不足している中、ナチュラルクリニック代々木の院内においても使用している「次亜塩素酸水」をご紹介します。

 

~次亜塩素酸水とは?~

殺菌料の一種であり、塩酸又は食塩水を電解することにより得られる次亜塩素酸を主成分とする水溶液。わが国では平成14年6月に食品添加物として指定されており、 使用基準及び成分規格が定められている。今回、製造技術の進歩等を踏まえ、成分規格の一部を改正( 微酸性次亜塩素酸水・弱酸性次亜塩素酸水の2種の成分規格改正)しようとするものである。
(厚生労働省のHPより)

厚労省の認可も受けており、医療分野では医療機器や院内の消毒、食品分野では食品添加物の「殺菌料」として使われています。

 先日、仙台市青葉区にある松澤蒲鉾店において、工場で生成し、魚介類や製造器具の除菌に使用している「次亜塩素酸水」の無償配布を始めたことが話題になりました。「次亜塩素酸水」は、「新型コロナウイルス」に対する有効性は確認されていませんが、大腸菌やインフルエンザウイルスなどに除菌効果が認められています。コロナウイルスとインフルエンザウイルスは粒子構造が非常に似ていることから、「新型コロナウィルス」に対する有効性が期待されています。

 また人体や環境への影響も少なく、ペットや乳幼児のいるご家庭でも安心して使用できます。アルコール除菌に比べて弱酸性の「次亜塩素酸水」は手荒れの心配も少なく、頻繁に手の消毒として使用することが出来ます。

その他、ダニや花粉に含まれるアレルギー症状を引き起こす「アレル物質」の除去や、靴下のにおい、加齢臭、肉や魚の腐敗臭、生ゴミのにおい、おむつやペットのにおいの消臭にも使用されています。

 

~使い方~

 次亜塩素酸水は、生成機により作るタイプやそのまま使用する液体タイプ、希釈して使用するタイプなど色々なものがあり、濃度により使用目的や用途を使い分けます。

 

次亜塩素酸水濃度

 

 

2020.02.19更新


男性 63歳 (初診時60歳)

主訴

うつ病
併せて、冷え性・心配・不安感・疲労感・耳鳴り・不眠・意欲/記憶力の減退・肩こりなどの症状も診られた。
やりたいことがあってもすぐ疲れてしまうため、イライラしてしまう。

既往歴

半年前にうつ病を発症し、3カ月程入院。退院後はデイナイトケアに通い、外来に通院していた。
当院を受診した時は、外来に通院し始めたばかりの時であった。

内服薬

レクサプロ/ジプレキサ
→当院受診前に自己判断で断薬をし、不安感や不眠などの離脱症状が強く出ていた。

治療方針

血液/毛髪検査の結果を基に、食事指導を行い、不足している栄養素を補完するために、サプリメントを処方。
診察は1回/月の頻度で行い、適宜治療方針を検討する。


改善ポイント

①腸内環境の改善
②低血糖症の改善
③自律神経の安定
④血液循環の改善

来院時の食事内容

朝)手作りの人参リンゴジュース/食パン/バナナ
昼)うどんやそば、ひやむぎのいずれか
夜)玄米/味噌汁/ヒレカツやコロッケ、メンチカツなどのおかず
間食・・・15時)ケーキや菓子パン
  ・・・  夜)アイスクリーム

食事指導後の食事内容


朝)上記のジュース+豆乳・ほうれん草
昼)上記+納豆や卵
夜)発芽玄米+味噌汁+焼き魚+おからなど
間食)来院時数カ月はクッキーなどを食べていたが、現在はナッツやノンカフェインコーヒーなど。


初診時に処方したサプリメント

Kリゾレシチン/ビタミンB群/ナイアシンアミド/DHA・EPA/乳酸菌

症状の変化

1カ月後・・・全体的に少し改善。耳鳴りは静かな時には聞こえるが、熱中しているときは聞こえなくなった。
     体力がつき、やりたいことが少し出来るようになった。
     昼間も少し寝るが、夜の睡眠時間は6時間をキープできるようになった。
3カ月後・・・全体的な体調が改善。心配や落ち込みも減り、本人曰く「うつは改善した」と話す。
     また、以前よりも疲労感が軽減。プライベートでは海外旅行にも行き、楽しくしている。
     一方、まだ間食ではアイスクリームを食べたくなる。
6カ月目・・・調子は大きく改善。車の運転も疲れずに、出来るようになった。
     体調も良好で、日中も様々な活動をされ忙しいが、集中力が保てるようになったと喜ぶ。
       ご家族と頻繁に国内旅行に行くようになった。甘い物は通常は欲さなくなり、友人とお茶をするときに楽しむ程度となった。

 

 
現在もこの患者様は元気に生活をされています。
「これからも健康で元気に生活をしたい」という気持ちから、
当院には1回/数カ月の頻度で食事の相談などに来院されます。
今では、入院していたとは全く想像できないほど、元気になられました。

当院では、サプリメントの摂取と併せて、その方の生活に併せた食事内容を一緒に考えていきながら、食事内容の改善を行っていきます。

 

2020.01.20更新

 腸内環境を乱す要因として、グルテン、カゼインについて説明させて
頂きました。今回は腸内常在菌のイースト菌の一種、「カンジタ菌」についてお話しさせ
て頂きます。

イースト菌とは、カビやキノコと同じ真菌の仲間で「酵母」とも呼ばれます。発酵能力に
優れていますので、パンを膨らませたりお酒のアルコールを生成したり、また味噌や
しょうゆの香りや旨味をひきだしてくれるものとして、昔から人の暮らしの中で親し
まれてきました。

いーすと2

このイースト菌の一種にカンジダ菌というものがあります。正式には「カンジダ・
アルピカンス」という腸内常在菌で、分娩時や授乳時に赤ちゃんの体内に入り込み、その
後も常在菌として腸内に生き続けます。

通常、カンジダ菌は【酵母型】として体内に存在します。人の免疫細胞を刺激して細胞
性免疫を強める働きをしたり、善玉菌のビフィズス菌やアシドフィルス菌等の栄養源
にもなります。ところが、加齢や生活習慣などにより免疫が弱まると、カンジダ菌が
大量に繁殖し病原性を示す様になります。そうなると【菌糸型】に形態を変えて
異常繁殖を始め、粘膜の正常細胞を貫通し、糸状に延び組織の奥まで侵入します。
この侵入に私たちの身体が反応し、白血球を集めて何とか阻止しようと戦います。
この戦いが免疫反応を引き起こし、炎症を起こしたりアレルギーなどの不調を引き起
こしてしまうのです。

みどり 酵母

菌糸型となったカンジダ菌は、消化管全体に広がり、腸粘膜を貫き、腸に根をはって
しまいます。腸管粘膜が荒れてしまい、そこからアレルゲンとなる大きな分子のままの
たんぱく質が吸収されるため、食物アレルギーが起こりやすくなります。また、消化
関連の病状(リーキーガット症候群、過敏性腸症候群 便秘、下痢、腹部膨満、ガス等)
の原因にもなる事がわかっています。

不調な腸

イースト(カンジタ)菌が増殖する原因

① アルカリ性   腸内が弱酸性に保たれていると、カンジタ菌は酵母型と
して増殖しにくい状態で存在しますが、腸内がアルカリ性に傾いてしまうと
カンジタ菌は菌糸型に変性し、菌糸が
腸粘膜を貫いて炎症をもたらしてしまいます。

② ストレス   過剰なストレス下では、交感神経が緊張状態になります。
すると、副腎からコルチゾールというホルモンが分泌され、血糖値が上昇し、その結果、
カンジタ菌が増殖しやすい環境を作ってしまいます。

③ 自律神経   自律神経は腸と連動しているため、自律神経の過緊張が続く
と免疫力が低下し、カンジタ菌の増殖を促してしまい、さらに腸内環境の悪化を招いて
しまいます。

④ 薬剤の使用  抗生物質は様々な菌に対して効力を発揮するため、腸内の
善玉細菌にも作用してしまいます。そのため、カンジタ菌が短期間に一気に増殖し、腸管
組織を占領してしまいます。
また、ピルの中に含まれる女性ホルモンのエストロゲンは、膣内のグリコーゲン産生を
促し、カンジタ菌の餌となるグルコースへと変化してしまいます。

⑤ 砂糖  カンジタ菌の細胞活動には糖代謝が不可欠で、特に砂糖の様な単純糖質を
好んで増殖します。砂糖をあまりとらなくてもカンジタ症の症状がみられる人は、加工肉や
ファストフード、出来合いの総菜等の中の糖質の影響を受けていることも考えられます。

⑥ 食品   コーヒー等に含まれるカフェインは血糖値を上昇させ、小麦の蛋白の
グルテンや乳蛋白のカゼインは多量に摂取すると腸粘膜を荒らしてしまいます。
またアルコールの多量摂取も要注意です。

⑦ 歯科用金属   以前、歯科治療で詰め物としてよく使われていたアマル
ガムは、水銀を50%含んでおり、ちょっとした刺激で簡単に水銀が体内に入り込むといわ
れています。体内に無機水銀となって取り込まれ、腸内細菌によってメチル化され、有機
水銀となります。カンジタ菌は,この水銀のメチル基を使って増殖しながら無機水銀に
戻し、そのサイクルを繰り返してしまいます。また、銀やパラジウム等の金属アレルギー
は、イオンよりサイズの大きいナノ粒子が引き起こすという研究報告もあり、ナノ化する
際に口腔内の悪玉菌と結びつき、カンジタ菌の増殖を助長すると考えられています。
銀歯つめもの
カンジタ菌が増殖しない様にするためには、まずはパンなど、イースト菌が含まれる食品
を出来るだけ控えることが賢明です。また、イースト菌の栄養源となるイーストフードや
臭素酸カリウムなどの食品添加物にも注意が必要です。

ナチュラルクリニック代々木では、身体がイースト菌にどれ位影響を受けているかを毛髪
検査によって確認しています。腸内環境が乱れる要因は複合的に起こっていることがほと
んどですので、イースト菌のみでなく、それに関連した項目をチェックすることで、原因を
出来る限り明確にすることが根本的な改善への足がかりに繋がります。
本格的に腸活を目指す方は、ぜひ一度、毛髪検査をお受けいただくことをお勧めします。

  話し合い

 看護師:上川合 史子

 

 

 

 

2019.12.17更新

カルシウムや栄養補完の定番として日本の学校給食でも採用されている牛乳ですが、近年、牛乳に対する見識が変わりつつあります。
その大きな要因として、「乳糖不耐」「カゼイン不耐」「ミルクパラドックス」が挙げられます。

~乳糖不耐~
 牛乳や乳製品に含まれる糖は「乳糖(ラクトース)」と呼ばれ、小腸より産生される「ラクターゼ」という酵素により分解されます。このラクターゼという酵素が不足することを「乳糖不耐」といいますが、消化不良により下痢、腹痛、膨満感などの症状を招きます。牛乳を飲むと下痢をする人は、この乳糖不耐の症状が強く反応しているからです。

腹痛

 赤ちゃんの時は皆、ラクターゼを産生していますが、乳児期を過ぎるとラクターゼの産生は減少し、失われて行きます。特に、黒人・スパニッシュ系で70%、アジア人では85%以上とも言われています。私たち日本人は、乳児期を過ぎるとラクトースを消化出来ず、消化不良を起こし易いということになります。一方で約85%の白人は、一生ラクターゼを産生し消化することが出来るので、北西欧系で牛乳や牛乳を用いた食品が多いのはこれらが影響しているのかもしれませんね。

ラクターゼ

ヨーグルトなどの発酵食品は、乳糖の一部が分解されると共に、乳酸菌により乳糖の分解を助けることから、未発酵の乳製品よりも若干症状は抑えられます。

 

~カゼイン不耐~
 牛乳に含まれるタンパク質の約80%を占めるカゼインですが、その種類は大きく分けて3種類のタンパク質に分類されます。

・α-casein(アルファカゼイン‥αs1、αs2 )
牛乳カゼインの約55%を占めています。人乳とヤギ乳には殆ど含まれていません。

・β- casein(ベータカゼイン)
牛乳カゼインの約15%を占めており、人乳に多く含まれています。

・κ- casein(カッパ―カゼイン)
牛乳カゼインの約30%を占めており、水溶性が高く、安定剤などの加工として使用されます。
この3種類のカゼインの中で人が消化できるカゼインは、主にβ-カゼインです。α-カゼインを多く含む牛乳は、私たち人間には消化できません。

 また、カゼインを頻繁に摂取すると腸内に未消化物が多くなり、腸の炎症を招きます。すると、下痢、便秘などの腸の症状を起こします。小腸の粘膜細胞は、有機物や未消化の栄養素を取り込まないように密着していますが、カゼインにより損傷、または緩んでしまうと腸に穴が開き、本来体内に入るべきでない物質が血液中に入り込んでしまいます。これを「リーキーガット症候群」と呼びます。更にα-カゼインは消化できないために、アレルゲンとなり、遅延型アレルギーの原因にもなります。

リーキーガット

 

 また、消化できなかったカゼインは、消化器系の酵素によりペプチドに分解されますが、その過程で未消化のタンパク質、カゾモルフィンが生成されます。このカゾモルフィンは、腸の炎症により出来た細胞の隙間から血液に流出し、血液脳関門を通過します。その後、脳神経細胞(シナプス)にあるオピオイド受容体に結合し、モルヒネなどの麻薬物質と似た作用をもたらします。カゾモルフィンは、聴覚や言語を司る側頭葉のオピオイド受容体と結合することにより、精神症状や神経障害を誘発すると言われています。

カゾモルフィン

 

~ミルクパラドックス~
 カルシウムは、体内で吸収されるようになるために、胃でイオン化されたあと、腸で吸収され栄養素として使われます。しかし、牛乳中のカルシウムの多くがα-カゼインと結合しているためイオン化せず、吸収されません。また、加熱殺菌することによりカルシウムは、リン酸カルシウム塩という物質に変化してしまい、吸収できなくなります。消化されないカゼインにより腸の中にタンパク質の構成成分である窒素の残留物が増加します。この窒素残留物が血液を酸性に傾けるため、それをホメオスタシスの原理によりアルカリ性に戻そうと働きます。アルカリ性に戻すため、骨からカルシウムを溶かし出し、血液中のカルシウムを増やそうとします。結果、牛乳を摂ることで、骨がもろくなっていく現象が生まれます。この作用を「ミルクパラドックス」と呼びます。

 

ホメオスタシス

 

 

その他にも、牛乳の危険性は指摘されています。

● 残留農薬
乳牛のエサ、特に輸入飼料などに含まれる残留農薬が牛の身体に蓄積され、殺虫剤や消毒剤が牛乳に含まれている可能性があります。

● 成長促進剤
乳牛の成長を早めるために、ホルモン剤を使うことがあります。牛乳を摂ることでそのホルモン剤を体内に取り込むことになり、私たちの体へ影響します。

● 抗生物質
劣悪な環境下で飼育されている牛は病気が発生し易いため、病気の予防に抗生物質が多く使用されています。

● 発がん性物質
乳牛には女性ホルモン(エストロゲン)が多く含まれ、乳癌・前立腺がんとの因果関係も指摘されています。また、高温殺菌により発癌物質の過酸化水素が発生します。

● 鉄不足
α-カゼインは、胃液と反応して凝固し、粘着力の強いタンパク質(乳餠)になります。これにより栄養素、特に鉄の吸収が阻害され鉄欠乏性貧血の一因となります。

● 不完全栄養食品
加熱殺菌することにより、酵素や善玉菌は死滅し、タンパク質の変性、ビタミン・ミネラルも壊れてしまっています。

● ホモジナイズ
脂肪の分離をふせぐため、高速撹拌や脂肪球を細かく均質化しますが、酸化し易くなるほか、トランス脂肪酸を生成し、動脈硬化や腎障害など血管の障害リスクを高めます。


 近年、自閉症や統合失調症の治療において、カゼインの除去により症状の改善が多く報告されています。また、不定愁訴とされる頭痛、腹痛、子宮トラブル、生殖器疾患、リウマチ、アレルギー性鼻炎など、様々な症状にもカゼインが大きく関与しています。学校給食の定番となって私たち日本人にはとても馴染みの深い牛乳ですが、知らずに「牛乳は健康に良い」という誤った思い込みが浸透しています。それは、多くの学校給食で提供され、身体によい、栄養豊富な飲み物だと子供の頃から指導されるからです。
偏った情報や思い込みではなく、様々な情報や見識を取り入れ、自分にとって必要か否か見直してみましょう。

 

☆代替医療カウンセラー 齋藤奈々☆

 

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