クリニックニュース

2020.10.13更新

今回のブログは臨床例(不安神経症)をご紹介します。

臨床例

男性・27歳(初診時)

<主訴>
常に不安感が強く、上司から業務内容において怒られると外へ逃げ出したくなるような感覚に襲われ、来院。
記憶力や意欲の減退を感じる他、倦怠感や疲労感が抜けず、肩こりや頭痛も強い。
会議時などにおいて、話の内容を忘れてしまったり、顧客との会話が頭に残らなくなる。
上司に指摘され、病院に行き、MRI検査などを行うが特に異常が無かった。

<内服>
無し

<治療方針>
leaf毛髪検査を行い、症状や栄養素の状態を把握する。
leaf毛髪検査結果に基づき、食事改善やサプリメント摂取を行う。
leaf仕事が多忙であり、自炊などが難しい為、食事改善においては出来る範囲で行う。
leaf身体の疲労度合いを自分で把握して、仕事と体調のコントロールを始める。

<食事内容>
初診時
朝:無し
昼:社食の唐揚げ定食・カレー・パスタなど
夜:帰宅途中でラーメン・鉄火丼・牛丼など
  疲れている場合は、デザートのみ
飲料:コーヒー(3杯以上)

 

dire初回の食事指導の内容
・なるべく和定食を選ぶ
・疲労が強い時や帰宅が遅い時は、消化のしやすい食材を選ぶ
・揚げ物や冷たい物は控える


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1カ月後
朝:時間がなく、朝ごはんはあまり食べない。
昼:社食の魚定食・そば・野菜多めのサラダ定食
夜:和定食(外食)、時間があるときは自宅で魚や肉を焼いた。
  仕事が遅くなり、帰宅が12時を過ぎてしまった場合などは、サラダやスープ類などの消化に負担が掛からない物にした。


<サプリメント処方>
・マルチビタミン
・オメガ3
・Kリゾレシチン
・ビタミンB群
・乳酸菌生産物質
(初回処方以外も含む)

<体調の変化>
glitter22カ月後
不安感も少し軽減するが、まだ上司に怒られると腹痛を生じる。
体の深い部分にあった、重さが少し軽くなった。初診時は、15分ほど経つとこちらの話が頭に入らないと言っていたが、集中力がついてきたとのこと。
以前より考えごとをする際、頭が動くようになり、パソコン作業もスムーズになった。
以前は帰宅後にすぐ寝てしまったが、週に何回か自炊をしたり、入浴が出来るようになってきた。

glitter26カ月後
顔色は明るくなり、来院時の不調も大きく軽減。
全般的には落ち着いているが、仕事が忙しくなり、残業やストレスが多いと疲労感が強くなり、睡眠時は夢を見る。
コーヒーは変わらず3杯以上飲んでいる。
「仕事の忙さや季節の変わり目で体調が悪くなりやすいが、どうすれば良いか分かる様になった」と、仰る。
時間がない時の食事の選び方を見直す。

glitter21年後
引っ越しをするなどの生活の変化もあったが、多忙な時期でも無事乗り切る。
初診時にあった不調はほぼ消え、全体的に調子は良好。仕事の状況によって、口内炎や倦怠感はでるが、睡眠時間を調整されたり、サプリメントを活用したりして工夫している。
自分の身体の特徴を捉え、「体調と生活をコントロールできるようになった」と仰る。



flower2担当カウンセラーの言葉
初めのうちは、自分の体調を把握するのが難しい様子でしたが、半年を過ぎた頃から
自分自身で体調を考えながら食材を選ぶことが出来るようになりました。

多忙時の睡眠状態や疲労のバロメータによって生活をコントロール出来るようになったことで、
さらに回復したと思います。


このように多忙な生活をされていた方でも、選択の一つ一つを変え、出来ることを続けられたことで、症状が改善していく方も多くいらっしゃいます。
その方に併せた食生活の指導を行っておりますので、ご相談ください。

ナチュラルクリニック代々木



2020.09.23更新

こんにちは。虫の声や、ひんやりした風が吹いたりと、秋の気配を
色濃く感じる様になりましたが、みなさん、体調はいかがでしょうか?

今年はコロナの自粛生活から始まり、長く不安定な梅雨を経て、一気に猛暑に
突入し、そして9月中旬から一気に涼しくなってきましたので、消化器症状や
不眠、頭痛などの不調を訴える患者さんが例年より多い様に感じます。
一般的に「夏バテ」と言われる症状も、真夏の気候や気温による自律神経の
乱れによるもので、自律神経が疲弊してコントロールが効かなくなってしまった
状態です。これは、外的要因や栄養面のバランスの乱れ等により起こりますが、
今年は特に天候や気温の変動が激しかったため、自律神経への負担に拍車が
かかってしまいました。

気温の変動や、冷暖房による屋内外の温度差で、体温調節がコントロール出来なく
なったり,食欲不振や胃もたれ、下痢、便秘などの胃腸の不調が続いたり、腹痛や
頭痛、めまい、寝つきの悪さ・・・と、身体的な症状に加え、体がだるくて意欲がわか
ない、仕事や勉強に集中できない、気持ちが内向きで憂うつになる・・・等、メンタル
面の不調に繋がったり人間関係に支障をきたしてしまう事も少なくありません。

こうした状態を放置したまま症状が進んでしまうと、慢性的な自律神経失調症へ
と進行してしまい、夏だけでなく、一年中不調に悩まされてしまう事になります。

へろへろ

自律神経とは

神経には、全身に指令を送る中枢神経(脳・脊髄)と、体の隅々まで
網の目のように張りめぐらされた細密なネットワーク機能の末梢神経があり、
自律神経は、末梢神経の一つです。

自律神経は、内臓の働きや呼吸、血液循環、消化、代謝や体温の調整など、多岐に関わって、
休むことなく24時間働き続けています。私たちの生命を維持していく上で欠かせない
神経で、活発に動いている時や、日中に優位になる「交感神経」と、リラックスして
いる時や、夕方から夜にかけて優位になる「副交感神経」に分かれています。
車で例えると、交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキの様な働きをしますが、自律
神経は自分の意思ではコントロールする事ができないため、制御できない自動運転の車
の様なものです。

日中は交感神経が優位になり、血圧や脈拍を上げ、筋肉を緊張させ、胃腸の動きを抑えて
体を活動状態にします。そして、日が暮れ、夜になると、副交感神経が優位になり、血圧や
脈拍を下げ、筋肉を緩め、体を休ませる代わりに胃腸の動きを高め、食物の消化を促し、
免疫力を高めます。

また自律神経は、気温の変化に順応して、血流や発汗を調節して体温を一定に保つ働きも
担っています。暑い時は、体の表面近くの血管を広げて血流を増やしたり発汗させて、
体内の熱を外へ放出し、体温が上がらない様にします。反対に寒い時は、血管を縮めて
血流を減らし、熱が外へ逃げない様にします。 
この様に、相反する双方向の神経のバランスによって、体や心の調子は変わるのです。

自律神経

現代社会は自律神経が乱れやすい

現在の日本は、地球温暖化の影響で、平均気温が年々上昇しています。1990年
代以降は、猛暑日がどんどん増え、夜になっても気温が下がらず、熱帯夜が続く日も増加
傾向にあります。ひと昔前に比べると、梅雨はより蒸し暑くなり、9月に入っても猛暑が
続くため、自律神経を乱すリスクがさらに高まっているのです。また、それに伴って、近
年はエアコンを稼働させる時間も長くなり、室温も低めに設定せざるを得なくなると、屋
内外で激しい気温差が発生します。1日の中で、何度もこの気温差に体内環境を適応させ
なければならず、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかなくなり、自律神経が
まさに夏バテを起こしてしまうのです。


現代社会では、普段から生活や仕事環境のデジタル化で自律神経のバランスを崩しやす
くなっています。インターネットや携帯、ゲームなど、電子機器を夜中まで使用したり、
ブルーライトや昼間の様に明るく照らすLED照明など、交感神経と副交感神経のONと
OFFの切り替えが非常に難しくなっています。そのため、夏の気象条件だけではなく、一年
を通して自律神経が慢性的に疲弊している方が多く、そこへ梅雨や酷暑でさらなるダメー
ジを受けてしまうのです。
特に今年は、春先からコロナの影響で在宅や外出を控えざるを得なくなり、運動不足や
生活のリズムが乱れやすくなりましたよね。在宅勤務やテレワークの浸透により、便利に
なった反面、デジタル機器を使用する時間も増え、体調を崩す要因は高まったともいえます。

自律神経系の不調が慢性化していくと、睡眠の質が低下し、寝不足が続いたり倦怠感や
集中力の低下にも繋がります。
また。自律神経は、腸の働きと連動しているため、胃腸の調子が乱れると、体がだるくなっ
たり、気力の低下や抑うつ症状といったメンタルの不調にも繋がってしまうことがあるのです。

夏バテ知らずで夏を乗り越えてきている方でも、自律神経は結構疲れている可能性はあり
ます。これから少しずつ涼しくなっていく季節の変わり目は、自律神経がまた乱れやすく
なります。本格的な秋を迎える今、自律神経系がこれ以上疲れない様にしっかりと体調を
整えていきましょう。

犬 夏バテ
  
自律神経を整えるには・・・

☆ 代謝を整える栄養素をしっかり摂る

真夏に夏バテが進行してしまうと、どうしてもさっぱりとした麺類や冷たいものを
とりがちになります。すっきりと喉ごしは良いのですが、体の中が冷えてしまい、血流が
悪くなったり下痢になったり・・・と、代謝の低下に直結してしまいます。
また、口当たりのよいものを優先して食べていると、結果的に炭水化物や甘いものなど、
糖質が過多になり、ホルモンバランスや自律神経はますます乱れてしまいます。

体力回復の基本は、まずは体の基礎となるたんぱく質をしっかり摂ることです。たんぱく
質には疲労を回復させてくれる栄養素が豊富に含まれていますので、大豆製品等の植物性
たんぱくと魚・赤身肉、卵等の動物性たんぱくをバランスよく摂りましょう。夏野菜や発汗
作用のあるスパイス、香辛料を使った料理や生姜、薬味など、体のむくみをとったり体を温
めたり、代謝を整えてくれるものを、体調にあわせて選びましょう。

また、たんぱく質の代謝をより高めるためには、ビタミンやミネラルなど、補酵素として
働くものや良質な脂質を一緒に摂ることが大切です。野菜や海藻などを、たんぱく質と抱き
合わせて、食べやすいメニューで工夫して食べるようにしてみて下さい。ただし、食欲が
ないのに、頑張ってたんぱく質を増やそうとしても、消化不良をおこしてしまいかえって
体調を崩してしまいます。一気に沢山摂るよりも、消化できる量をしっかりとよくかんで
食べる様にしましょう。

☆ 温度差に注意しながら体が冷えない様に気をつける

現代社会は、温暖化の影響で、屋内外で極端な気温差となってしまい、自律神経がコン
トロール不能な状態に陥りやすくなります。エアコンでの冷やし過ぎは、自律神経系
の乱れを助長してしまう大きな要因ですので、部屋全体が冷え過ぎないように注意し
ましょう。暑がりの方は、個人用に扇風機やサーキュレーターなどを利用するのも一案
です。エアコンの効いている室内は、上半身は暑くても下半身は冷えていることが多い
ので、夏でも湯船にお湯を張り、ぬるめの湯にゆっくり浸かるのも良いでしょう。
眠る時の温度調節も大切です。眠ると体温が下がって冷えやすくなるため、布団に
入って寝落ちするまでは涼しく、その後は高めの温度設定にしましょう。
食事でも冷たい物ばかり食べたり飲んだりせず、お味噌汁や温かい料理を積極的に
摂って体の中から温めることも大切です。

女の子

☆ 適度な運動や十分な睡眠を

夏の疲れを引きずっている時に、無理をして激しい運動をすると、活性酸素が体内で蓄積
しやすくなり、かえって体調を崩す誘因となってしまいます。涼しい時間帯のウォーキン
グやストレッチなどの有酸素運動で適度に体を動かしましょう。また、腹式の深呼吸で呼吸
を整えると、血液中に酸素をしっかり取り込めるため、自力でコントロールできない自律神
経に直接的に働きかけることができます。一日の中で時間を決めて数回、意識的に深呼吸さ
れると効果的でしょう。
また、睡眠をしっかりとることはとても大切です。自律神経は脳からの指令で働くため、
十分な睡眠をとらないと脳が疲れてしまい、、自律神経が乱れてしまいます。さらに、慢性
的な睡眠不足や夜更かしは、体が疲れやすくなり、慢性疲労を引き起こし、そのまま放置し
ていると、精神的な不調にも繋がってしまいます。
出来るだけ、睡眠時間は一定に保ち、十分な睡眠がとれない時は、30分以内の昼寝などで
カバーしましょう。沢山体を動かした日や仕事が忙しかった日は、リラックスタイムや
睡眠時間をより多めにとることも大切です。

寝る女の人

当クリニックでは、自律神経に乱れが出ていないか、また不調の原因や栄養の不足傾向
について毛髪の検査でチェックをすることができます。また、そのデータをもとに、食事
や栄養のバランスを見直し、腸内環境を整え、睡眠の質を上げ、自然な形で自律神経を整え
る治療を行っています。

食事や睡眠を整えても不調が続く方、上記の様な症状が慢性的に続く方、ぜひ一度、
お気軽にクリニックまでご相談下さい。

看護師: 上川合 史子

看護師

 

2020.08.29更新

自己肯定

  

 最近人づきあいが面倒くさい。朝起きると身体がだるくて、なかなか起き上がれない。病気ではないのに、何か変だなと感じることはありませんか? 自律神経の乱れや、ストレスにより同じような症状を感じることがありますが、それ以外にも「自己肯定感」が関与しているかもしれません。

 

 2019年に内閣府が行った「子ども・若者白書」調査によると、諸先進国と比べ日本の子供は「自己肯定感」が低く、欧米など6か国との比較では、最も低い結果となりました。調査対象は2018年11~12月に満13~29歳までの男女に実施したものです。

 この結果によると、「自分自身に満足している」が45.1%、「自分には長所があると感じている」が62.3%と、同時に実施した韓国、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンの回答と比較すると、もっとも低い実態にあったほか、2013年度の調査よりもさらに低下しており、日本人の若者たちの「自己肯定感」の低下が進んでいます。

 私たちは1日に6万回の思考を行っていますが、そのうちの約80%、約4万5000回が、ネガティブな思考と言われています。ネガティブな考えを持つことが悪いことではありません。ネガティブな思考は失敗や危険から遠ざけ、助けてくれる大切な信号です。しかし問題は、その信号を受けたときに自己肯定感が低い場合です。新しいことにチャレンジしようと思っても、「どうせまた失敗する」とすぐ行動にブレーキをかけてしまい、後ろ向きの判断で、行動が消極的になってしまいます。また対人関係においても自分や周囲に対するネガティブな感情が高まり、「自動思考の罠」という負のループに陥ってしまい、コミュニケーションを上手にとることが出来なくなります。

 

 

 ― 「自己肯定感」とは? ―

 自己肯定感「セルフエスティーム(self-esteem)」は「自己肯定感、自尊心、自尊感情、自己評価、自己有用感、自己重要感」と日本語訳されます。文字とおり「自己」を肯定・認める感覚です。必要以上に過大評価することでも、自意識過剰となることでもありません。自身の良い部分や悪い部分すべてを受け入れられている状態です。日本では、慎ましさや謙虚さを美徳としていますが、それと「自己肯定の低さ」とは異なります。自己肯定は、幼少期の周りからの言動が影響していると言われています。小さいころから親に褒められたことが無い人は、「自分には愛される資格がない」や、「ダメな人間なんだ」という思いが根底に根付いてしまいます。また、両親の仕事や家事を手伝うことで愛される機会多かった人は、「役に立たない自分は愛されない」「わがままを言ってはいけない」「自分のことは自分でしなくてはいけない」と自己犠牲の上に自分の価値を見出してしまうのです。

 


 

― 「自己肯定感」の低い人4つのタイプ ―

 また、自己肯定感の低い人の行動には特徴があり、様々なタイプがあります。

自己肯定感

 

{逃避タイプ}内にこもる行動派


・努力しない、本気を出さない
・無関心を装う
・気軽に味わえる楽しさを追求する
・いわゆる良い人を演じる

 自分にとって都合の悪いことには、興味がない反応を示します。一見、楽しさを追求している、気楽で良い人と見えることもありますが、無意識に本気を出して挫折することを回避しようとする心の動きによるものです。本気を出して壁にぶつかり、挫折することを避けているのです。

 

 

{あきらめタイプ}内にこもる受身派


・どうせ無理が口癖
・どうせ「自分なんて」と思ってしまう
・褒められるのが苦手
・人と比べて落ち込む

 失敗を過度に恐れ、自分の殻に閉じこもってしまうタイプです。人生においても、行動を起こす前からすでに諦めており、言い訳が思考を占領し、悲劇のヒロインに浸ってしまいます。他人を羨み、どうして自分はそうではないのかと思い、落ち込んでしまうのも、このタイプの特徴です。

 

 

{比較優位タイプ}外に求める行動派

・自慢話ばかりする
・よく人を批判する
・人にアドバイスしたがる
・強い自己顕示欲

 自分には価値があると思う願望が強く、それを確認する為に人と比較し、批判することで自分が優れていると認識したいタイプです。俗にいう「マウンティング」の傾向が強い人といえます。攻撃的で、自信過剰にも見えますが、その裏には「自己肯定感」の低さが潜んでいます。

 

{くださいタイプ}外に求める受身派

・いつも何か心配している
・人からの反応を過度に敏感になる
・過度に気を使う
・自分より他人を優先して頑張りすぎてしまう
・他人の影響を受けやすく、依存してしまう

 一見、自己犠牲により他者へ気持ちが向いているようですが、実はこのタイプの人は、自分に関心が向けられています。他者の目に、自分がどう映っているのか。どう思われているのかを過度に気にしています。人からの称賛や愛情、関心を得ることで、自分を認識しているのです。

 


 

 

 これらの特徴は、必ずしも単独で表れるわけではなく、複合的に表れることもあります。例えば過去のトラウマや劣等感により、自分で自分のことを前向きに評価できないとき、人は周囲から認められたいという承認欲求が強くなります。承認欲求は誰もが持っている欲求ですが、自己肯定感が低いままでは、自分で自分を認められないから心が満たされず、欠乏感によって他者からの評価ばかりを求めてしまいます。認められたい欲求がより強くなり、行動が依存的になってしまいます。
 
 発達障害や鬱病などの精神疾患の治療において、治療がなかなか進まない、もしくは改善傾向にあっても途中で行き詰まってしまう方は、自己肯定の低さが根底に潜んでいる可能性があります。逆に、発達障害や精神疾患により対人関係が上手に出来ないことが原因で、自己肯定が低くなるケースもあります。自己肯定感とは、人間が社会生活を送るうえで精神面を左右する、重要な役割を担うのです。

 

 ― 「自己肯定感」を高める為には ―

 自己肯定感を高めるには、まずは自分自身を認識することが大切です。普段の自身の行動や思考を振り返り、その根底にある自己肯定の低さを自覚することから始めてみましょう。自己肯定の低さからくる言動や思考だとういことを認識することで、客観的に自分自身を見つめることが出来るようになります。

では、自己肯定はどうすれば高めることが出来るのでしょうか。

 

自分の長所・短所を書き出す

日記

 自分の長所や短所を思いつくだけノートに書いてみましょう。また短所には、改善するにはどうすれば良いかを考え、行動に移してみましょう。

 

 
親切になりましょう

席を譲る

 電車の中で、お年寄りや妊婦さんを見かけたら、進んで席を譲りましょう。親切にすることで、人は幸せホルモン「オキシトシン」が分泌され、幸福感を得ることが出来ます。幸せな気持ちになれるほか、自分自身のことも好きになれます。

 

 
成功体験を積む

 「自己効力感」「自己信頼感」を高めるには、成功体験の積み重ねが有効です。大きな成功体験が必要なのではなく、小さくても、出来るだけ多くの成功体験を積み重ねましょう。

日記の代わりに、一日の中で自分が出来たことを書き出してみましょう。「朝、時間通りに一人で起きた」「今日の服装が素敵だと褒められた」「仕事に役立つ本を一冊読んだ」など、何でも良いのです。

 
ポジティブな言葉を選ぶ

 人に褒められたとき、「私なんて」と否定的な言葉ではなく、「ありがとうございます」とポジティブな言葉を口にしましょう。また相手に感謝の言葉を述べる際は、「すみません」ではなく「ありがとうございます」と言いましょう。
 

自己肯定の高い人と一緒にいる

 自分の周りに居る、自己肯定の高い人のそばに居ましょう。自己肯定の高い人と一緒に過ごすことで自然と言動や思考は似てきます。逆に、自己肯定の低い人と一緒に居ると、自分の考えや言動もネガティブになってしまいます。自分自身を変えるには、交友関係も見直すことも必要です。

成功

  
 自己肯定感は、小さい頃からの心の蓄積により構成されています。直ぐに考え方が変わるのは難しいですが、一つ一つの積み重ねが、必ず心の変化に繋がります。行動する前から諦めずに、自分を見つめなおし、実践してみましょう。

 


 

 

 

― 自己肯定感を支える「神経伝達物質」 ―

 

 自己肯定感のサポートに、心のコントロールが重要となります。私たちの感情は、「ノルアドレナリン」「ドーパミン」「セロトニン」の3つの神経伝達物質である(脳ホルモン)のバランスにより影響しています。脳内ホルモンの無数のやりとりの結果、人間の複雑な精神活動が可能となっています。これらの神経伝達物質を味方につけて、安定した精神状態を維持し、ましょう。

 

 

 

<ノルアドレナリン>

 

 神経を興奮させる神経伝達物質で、ストレスに対して怒りや不安などの感情に反応し「意欲、集中力、思考力」を高めます。しかし、不足すると「気力の低下、無関心」など抑うつ状態になりやすく、うつ病の原因にもなります。逆に過剰に分泌されると、イライラやキレやすくなるなど、躁状態を引き起こしやすくなります。

 

 

 

<ドーパミン>

 

 快感や喜びなどの感情に関係する神経伝達物質です。人の強い欲求には「快感を得たい欲求」がありますが、この「快感」を操っているのがドーパミンです。快楽・意欲・食欲・性欲・探求心・動機づけを司っており心地良さに加えて「意欲」も生み出します。過剰な分泌は幻覚・妄想を招くほか、満足感の喪失や、繰り返し過剰分泌されることでギャンブルやアルコール、薬物依存症を招きます。

 

 

 

<セロトニン>

 

 睡眠や体温調節、ホルモンの分泌を司る「セロトニン」ですが、精神の安定に大きく関与しています。セロトニンは、ノルアドレナリンやドーパミンの暴走を抑えコントロールすることで精神的な安定をもたらします。セロトニンは「幸せホルモン」と呼ばれ、セロトニンが正しく分泌されることで心が安定し、幸福感が生まれます。不足するとノルアドレナリンやドーパミンの抑制力が弱まり、パニックや集中力や思考力の低下など、うつ状態に陥りやすくなります。

 

 

 


― 「セロトニン」と「自己肯定」 ―

 

 適切な量のセロトニンが分泌されれば、脳も適切に機能するということになります。セロトニンは脳内で神経から神経への情報の伝達をしています。セロトニン受容体を持つ細胞が広い範囲で存在することから、セロトニンの値が身体的機能とともに、心理的機能をも左右すると考えられています。

 

セロトニンの分泌が不均衡になる要因として、以下の原因が考えられます。

 

・セロトニンが十分に分泌されていない
・セロトニン受容体がセロトニンを十分にキャッチできていない
・セロトニンが受容体まで届いていない
・セロトニンの合成材料となるトリプトファン・必須アミノ酸の摂取量が不足している
 

 

 セロトニンの不足の身体的症状として、便秘・消化障害・光や痛みに過敏になる・糖質(炭水化物)の異常摂取・不眠症・片頭痛などです。精神的症状では、気分の落ち込みなどの鬱症状・認知機能の低下・意欲の減退・自己肯定感の低下などがあげられます。これらの症状が現れたら、セロトニン不足の可能性が考えられます。

 

 

 

~ セロトニンの不足を解消するにはどうすれば良いのでしょうか? ~

 

 

 

(セロトニンの材料を摂ろう)

 セロトニンの材料となるトリプトファンを積極的に摂取しましょう。トリプトファンは体内で合成できない必須アミノ酸の一つで、食事やサプリメントを使って毎日摂取する必要があります。また、セロトニンの生成には、トリプトファンの他、ビタミンB6や炭水化物もバランスよく摂取する必要があります。 
 

(カフェインを控えましょう)
 
カフェインを毎日摂取すると、おおよそ25~30%セロトニン受容体を増加させると言われます。これはセロトニンの増加でなく、カフェインによってセロトニンそのものが減少するため、少ない量でも情報をキャッチできるよう、 受容体のみが増加しているのです。セロトニンの不足を感じた時は、カフェインレスの飲料、もしくは、どうしてもコーヒーなどが飲みたいときは、セロトニンの材料となるトリプトファンを含む豆乳入りの、ソイラテがお勧めです。

 

 
 (セロトニンの生成を促そう)
 リズム運動やガムを噛む、ウォーキングなどで太陽の光を浴びることでセロトニン神経の活性化に繋がります。日光浴は30分程度、ウォーキングやスクワットなどのリズム運動は5分~30分程度、無理の無い範囲で行いましょう。

 

 
(オキシトシンの分泌によりセロトニンを活性させよう) 
 二つ目の幸せホルモンに「オキシトシン」というホルモンがあります。オキシトシンはマッサージやペットとのスキンシップ、ハグなどの抱きしめることで分泌されます。オキシトシンは別名「愛情ホルモン」とも呼ばれ、人が感じる「愛情」に関わっています。オキシトシンの分泌が増えると、脳内のセロトニンも比例して増え、セロトニンの活性を誘発してくれます。
ペットやパートナーが居ない時は、自分でマッサージしたり、自分で自分を抱きしめる(セルフハグ)がお勧めです。セルフハグの時は、自分に励ましや優しい言葉を掛けてあげましょう。
 

 

 

そのほか、脳内の記憶の関連付けを行う神経伝達物質「アセチルコリン」の摂取により、セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンの分泌を調整し、脳内のホルモンバランスを整えてくれます。
 

☆ 代替医療カウンセラー 齋藤奈々 ☆

 

 


2020.07.27更新



当院は、消化器専門のクリニックではありませんが、患者さんのお悩みの症状を根本から整えていく上で、大切にしているのが「腸」です。多くの患者さんは腸内環境の改善が必要で、食事内容の見直しは必須となります。

一般的に、腸内環境を整える食事で知られていることは、乳酸菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維、発酵食品などを含む食材を摂り入れるというものです。しかし中にはこのような食事をしても、症状が改善しにくい方がいます。その症状は一人一人違いますが、消化器科には通院していない方でも、お腹の膨満感を感じ易かったり、ガスがよく出る、よく腹痛を生じる、便秘や下痢になりやすい…という症状を抱えている方がいます。また、既に、過敏性腸症候群やクローン病と診断されている方も見受けられます。

そんな中、オーストラリアのモナッシュ大学で、低FODMAP食が、過敏性腸症候群の症状の軽減に繋がるという論文が発表されました。
 

FODMAP食とは何か?

FODMAPとは、小腸では吸収されにくい発酵性糖質のことで、これらの頭文字を取ったものです。
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この中には、乳酸菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維が含まれています。乳酸菌が増える事で、短鎖脂肪酸(酢酸・プロピオン酸・乳酸)などの代謝物の産生を促す食材が多く存在します。「乳酸菌が増える事は良いこと」「腸内環境が良くなると思って、積極的に食べている」と言う方も多いと思います。一般的に、短鎖脂肪酸は、免疫細胞の活性化、血糖値の安定、肥満予防になる等、腸内環境には良い働きをする物です。
しかし、過敏性腸症候群の場合や小腸内で腸内細菌が増殖している時は、短鎖脂肪酸が増えすぎることで、腹痛や満腹感、下痢を招く恐れがあり、注意が必要です。そのため、これらを含む食材を摂る事で、より症状を助長する事があるのです。 


具体的にどのような食材に含まれるのか? 

1
【参考】 江田証著:腸のトリセツ 


 

有効と言われる低FODMAP食療法とは?

オーストラリアで発表されている低FODMAP食療法は、上記の高FODMAP食品を3週間程控え、その後、=オリゴ糖(フルクタン・ガラクトオリゴ糖)、=乳糖、=果糖、P=ポリオール(ソルビトール・マンニトール・ソルビトール)を含む食材を糖質ごとに一種類ずつ摂り、腸の状態を診ていきます。

 

当院での低FODMAP食を使った治療方法は?

当院は消化器科専門のクリニックではないため、CTやMRI、呼気検査は行わず、問診とPRA毛髪検査において、過敏性腸症候群の傾向性、腸内ガスや小腸内の細菌増殖などをチェックします。

これらの症状や傾向性が強い場合は、低FODMAP食を参考に、患者さんが日頃の食生活で多く食べる物を確認しながら、控えるべき食品を決めていきます。併せて、天然のハーブ(サプリメント)を活用し、腸の状態を確認していきます。

今まで厳格に低FODMAP食を試したという方でも、「続かずまた元に戻ってしまった」「外食時に何を食べて良いか分からない」という患者さんのお話しをよく伺います。少しずつ自分の身体に合う食事を見つけ、最終的にはその食生活を定着することが大切です。



最後に

今回お伝えした低FODMAP食は腸を改善するための一つの方法です。腸は栄養素の吸収や神経伝達物質の生成、自律神経に大きく影響する等、大切な役割を担っている器官です。身体の基本となる腸を改善し、身体をより元気にしていきましょう!

 

2020.06.20更新

こんにちは。今回のブログはお腹のお話です。
みなさん、お腹の調子はいかがでしょうか?
便秘や下痢、腹部膨満など、お腹のトラブルはいろいろありますが、
その中でも下痢はつらい症状ですよね。下痢が続くと栄養の吸収が
低下したり脱水になったりして体力を消耗してしまいます。また、
生活に支障が出たり、体力だけでなく、メンタルにまで負担がかかってしまうことも。

下痢が発症する原因に適した対処を行うことは、症状の悪化や
慢性化を防いでいく上でとても大切です。今回は、下痢がどうして起こるのか、
その原因についてまとめてみたいと思います。


消化管は、口から肛門までの、体の中で最も長い臓器です。体の外とも接していて、
侵入してくるウイルスや病原菌、化学物質などの異物から自分の身を守るため、
防御する働きや免疫力を備えています。

特に腸は、最大の免疫器官と言われ、体を守り異物と戦うリンパ球の多くが
集まっています。また、第二の脳とも言われ、独自の神経系によって各器官
と連携しながら、体をバランスよく維持するために必要な役割を果たしています。
ところが、その働きが低下したり、何かしらの原因によって腸内のバランスが崩れると
下痢を引き起こしてしまいます。
辛いちょう

下痢は、腸内の水分が過剰になり、便が液状またはそれに近い状態になることです。
通常の便の水分量は70%~80%ですが、80%~90%になると軟便、90%を超える
と水様便となり下痢になってしまいます。
下痢になると繰り返し起こる便意、腹部のけいれん、腸内ガスなどを伴うことが多く、
ウイルスや食中毒などによって引き起こされる下痢の場合は嘔吐や吐き気を伴います。

下痢の原因は・・・

下痢は大きく分けて急性と慢性に分かれます。

急性下痢(症状が1週間程度の一時的な下痢)
●ウイルス、細菌、寄生虫による感染
●食中毒、
●食べすぎや飲みすぎ、または普段食べない食材の摂取
●心身のストレス
●薬の副作用 など

慢性下痢(症状が1か月以上継続したり繰り返して起こる下痢)
●炎症性腸疾患(クローン病・SIBO等)
●過敏性腸症候群(IBS)
●消化管の機能低下による消化不良
●薬の副作用
●心身のストレス など

下痢を起こすメカニズム

下痢を引き起こす原因を、そのメカニズムによって分類すると
①腸運動性下痢 ②滲出性下痢 ③分泌性下痢 ④浸透圧性下痢 に分類できます。

大腸由来の下痢は滲出性、小腸由来の下痢は分泌性と浸透圧性です。

①腸運動性下痢

一般的によく起こる下痢のタイプです。腸の筋肉は、伸縮し、水分を吸収しながら、
ゆっくりと肛門まで便を送る「蠕動運動」を行っています。便は、ある程度の時間、大腸に
とどまることで固まりますが、蠕動運動の機能が低下し、大腸を速く通過してしまうと
固まらず、水様便になってしまいます。また、逆に蠕動運動が妨げられ、便が滞った
場合でも、増殖した腸内細菌が刺激して下痢を起こすことがあります。

暴飲暴食、糖質の多い食品や酸性の食品の摂りすぎ、カフェイン、冷え、ストレスなどに
よる自律神経との連動によるものが一般的な原因です。また、緩下剤やマグネシウムを
含む制酸薬やサプリメントの使用に起因することもあります。

病的要因としては、プロスタグランディンや甲状腺機能亢進症、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸
炎、過敏性腸症候群(IBS)など)、消化器の術後などが考えられます。
IBSは、20~30代と若年層に多く、男女比では女性の方が1.5倍程多いといわれていま
す。下痢と便秘両方の症状が診られますが、下痢症状は男性に多い様です。

うんどうせい げり

 


②滲出性下痢

腸管の粘膜に炎症や潰瘍が起こり、傷がつくと水分の吸収能力が低下し、炎症が
起こります。そして、腸管内へ粘液や体液などが分泌され、便の量と水分が増加して
下痢を起こします。
このタイプの病的要因としては、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患、腸結核、
虚血性腸炎、細菌性腸炎(サルモネラ・ブドウ球菌など)、ウィルス性腸炎、リンパ腫や
がん、また、その治療などによる放射線性腸炎などが挙げられます。直腸の粘膜に炎症が
おこると、便の刺激で、より過敏になるため、排便の頻度が高くなり苦痛が増長されて
しまいます。

しんしゅつ げり2


③分泌性下痢

小腸と大腸から便の中に水分と塩分(塩化ナトリウムなど)が分泌されて起こります。
コレラやO157などの細菌がもつ毒素を腸内で検知すると、「セロトニン」というホル
モンが放出され、周りの細胞から大量の水分が出て下痢が起こります。

ウイルスや細菌の毒素、寄生虫などの他、下剤(ヒマシ油)や胆汁酸(小腸の部分切除術
の後など)、ポリープなどにより起こります。また、ゾリンジャー・エリソン症候群や
WDHA症候群、カルチノイド、ガストリノーマなどの腫瘍などでもホルモンの影響で
引き起こされることがあります。分泌性下痢では、大量の便が排泄されることが多く
みられます.
ぶんぴつ5


④浸透圧性下痢

腸から吸収されない浸透圧の高い食物や薬剤が原因で浸透圧が上昇し、水分と電解質
のバランスが崩れ、引き起こされる下痢です。
一部の豆類・果物や濃いジュース、ガム、お菓子、ダイエット食品などに含まれる砂糖の
代替品(マンニトール、ソルビトール、ヘキシトールなど)が主な原因です。
また、乳糖の分解酵素・ラクターゼの欠乏症の人が乳製品を摂ると乳糖が消化されず、
下痢が起こる乳糖不耐症もよく診られます。
また、中鎖脂肪酸(MCT)は、サラダ油や動物性油脂等の長鎖脂肪酸と比べて消化吸収が
非常に早く、小腸内の浸透圧が高まります。そのため、多量に摂ると、体内の水分が
腸粘膜から腸管の中にとりこまれ、腸内の水分量が多くなるため、下痢を引き起こ
すこともあります。

その他、抗生物質や貧血治療の鉄剤などの服薬でも腸内の正常な細菌叢が乱れ、下痢
となることもあります。誘引物質となる食物や薬剤を抜くと症状は改善していきます。

しんとうあつ げり

その他下痢をおこしやすい疾患

蛋白漏出性胃腸症
血液中に存在するタンパク質が消化管の方へ失われてしまい、低タンパク血症に
関わるさまざまな症状を起こす症候群です。

吸収不良症候群
小腸の粘膜に問題があり、栄養素の吸収が障害される症候群です。
グルテン腸症、乳糖不耐症、胆汁酸塩など。

など。


下痢という症状は同じでも、引き起こす原因は様々あるという事がわかります。
一過性のものか、繰り返されるものか、また、その人各々の体質や食習慣などでも
異なります。
ナチュラルクリニック代々木では、問診と毛髪検査により、下痢の原因を根本的に
探っていく治療を行っています。
お腹の調子がなかなか整わない方、ぜひご相談ください。

看護師:上川合 史子


 

 

2020.05.22更新

 新型コロナウイルス感染予防対策の一環として、自宅や職場、外出先で検温をする機会が多くなりました。今までは風邪の時に測ることはありますが、女性の基礎体温測定や持病のある方を除くと、頻繁に体温を測ることはありませんでした。しかし体温は身体の健康バロメーターでもあります。自分の体温リズムを知ることは、自身の体調の把握に繋がります。今回は、この体温について考えてみましょう。

 


 

<部位による体温の違い>

 体内温度は、手足や皮膚に近いところは温度が低く、体内の中心部に行くほど、高くなります。手足や身体の末端、身体の表面温度は季節や環境温度の影響を受け易く、変動が大きくなります。一方中心部は、心臓や脳などの重要な臓器の働きを守るため、安定した高い温度に保たれています。この中心温を「中核温」と呼びます。体温を測るうえで、この中核温を測れるのが良いのですが、中核温の測定は難しいため、計測し易い、脇や口腔内、額などで測るのが一般的となっています。

 また測る部位や使用する体温計のタイプによって、測定時間や平熱は異なります。使用する体温計は同じものを使用し、各部位の平熱を知っておくか、常に同じ部位から測ることが大切です。発熱時などで医師に体温を知らせるときは、体温計のタイプ、検温部位を伝えることが大切です。

 身体の内部温度分布


 

<体温リズム>

 人の体温は病気の有無にかかわらず、外気温や食事、精神面、睡眠により変動します。これらには、自律神経やホルモン、筋肉運動や基礎代謝が関わり、体温調節を行っています。また1日(24h)ごとの体温リズムがあり、「概日リズム」と言います。通常、外気温の変化の影響もあり、早朝から朝方に掛けて最も低く、覚醒と共に体温は上昇し、食事や日中の活動状態によりピークを迎えます。1日の体温の差は、ほぼ1℃です。そのため平熱を知るうえで、同じ時間帯に同じ体温計で測ることが重要です。

体温リズム


 

<低体温と冷え症>

 低体温と冷え症は、同じ身体の冷えでも違います。

低体温
代謝により発生する熱(熱産生)と、体から逃げていく熱(熱放散)のバランスがとれず、体全体の温度が低くなることを指します。一般的には、低温期の平熱が35℃台であり、高温期に入っても平熱が36度前半の方は低体温といえます。健康的な方の平熱は(36.5~37.1度ほど)です。

冷え性
身体の末梢(手足)への血流が悪くなり、深部体温は下がっていなくても、手足や腰などの身体の一部分の温度が下がり冷えている状態を指します。平熱は低くなくても、手足の冷えが強くなってしまいます。しかし病態として統一的な定義は確立しておらず、西洋医学的には病気ではなく、身体的な症状や状態として認識されています。現代人の女性の約8割が「冷え症」というリサーチ結果があるほど、冷えを感じている方が増えています

 

冷え症


 

<身体の冷えって何?>

 低体温も冷え症も、身体の冷えにより起こります。それでは、身体の冷えとはなぜ起こるのでしょうか。

冷えの原因は大きく分けて3つあります。

1. 基礎代謝
 基礎代謝は1日のエネルギー消費の60~70%を占めています。その基礎代謝の4割近くは筋肉で消費されていますが、無理なダイエットや運動不足により筋肉量が減少すると、基礎代謝、熱産生が減少し、慢性的な冷えを招きます。男性より女性の冷えが多い理由の一つと言われています。逆に食べ過ぎも冷えの原因となります。過度の飲食は、消化のために血液が胃腸に集中し、熱産生量の多い筋肉や他の器官への血液供給を減少させます。そのため、代謝が低下し、冷えの原因となります。

2. 自律神経
 自律神経は血管の収縮や消化器官の働き、呼吸などの調整を担います。ストレスや不規則な生活習慣、加齢により自律神経が乱れると、血流や酸素供給の悪化により全身への循環が滞り、末端へ血液が行き届かず、冷えの原因となります。

3. 熱伝導
 汗をかかず水分が十分に排出されていない人は、身体に不要な水分がたまり、冷え易くなります。また、皮下脂肪の多い方も、脂肪には断熱効果があり、温まりにくくなります。しかも脂肪には血管が殆どないため、熱が加わっても全身へ伝わりにくくなります。


 冷えの慢性化は、疲労感、不眠、集中力の欠如、偏頭痛、肩こり、食欲不振、イライラなど様々な症状を招きます。更に、「冷えは万病の元」と昔から言われ、体温が1℃下がると免疫力は30%低下すると言われています。免疫力の低下は、癌や感染症、甲状腺障害やアレルギー症状など重篤な病気の要因となります。冷えを改善し、健康な心身を目指しましょう。


 

<身体を温める食材>

 中国の伝統的な医学(中医学)に「薬膳」というものがあります。すべての食べ物には薬効があり、食材の持つさまざまな性質や効能を活かして食事として取り入れることで、心身のバランスを保ち、病気を未然に防ぐというものです。この薬膳の考え方を理解し、日常の食生活を意識して改善することで、体調管理に役立てていきましょう。

薬膳には、温・熱・涼・寒があり、「温熱」は身体を温める食材、「寒涼」は身体を冷やす食材に分類されます。また、どちらにも当てはまらない「平性」があり、これら5つの分類を五性と呼びます。
「寒涼性」の食材は水分のある野菜や果物が多く、身体の余分な熱を出してくれます。「温熱性」の食材は生姜やネギ、ニンニクなどの香味野菜や、唐辛子などの辛味成分を含む食材が多く、血流を促し新陳代謝を高めます。また、どちらにも属さない「平性」は、米や麦、豆などの穀物類に多く、身体のエネルギー源となります。

 

五性

 

 しかし、発酵や乾燥、加熱によりその属性が変化することもあります。「平性」の豆ですが、発酵して納豆になると「温熱性」になり、豆腐に加工されると「寒涼性」に変わります。また、柿は「寒性」ですが、干し柿にすると「温性」に変わります。フルーツが好きだけど、身体の冷えが気になる方は、ドライフルーツにされると、安心ですね。

自身の体調に合わせて、食材や調理法を選んで摂取することが大切です。
冷えのある方は、朝に「寒涼性」の多い野菜や果物を多く含む、スムージーや野菜ジュースを摂ると冷えが強まります。しかし野菜スープやお味噌汁にして加熱すると「寒涼性」の属性が和らぎ、冷えを回避することが出来ます。更にスープに生姜やニンニク、ニラなどの「温熱性」のものをプラスするのも効果的です。
逆に、更年期のほてりがある方や、夏場の熱い日は身体に熱がこもり易くなります。そんな時は、「寒涼性」の果物やサラダ、スムージーなどで上手に熱を排出しましょう。

 

ナチュラルクリニック代々木:代替医療カウンセラー  ☆ 齋藤奈々 ☆

 

 

2020.04.25更新

 

今もなお、感染の拡がりを続ける新型コロナウイルスですが、治療薬がない現状では、自分の免疫力を高め、コロナウイルスに負けない身体づくりをすることが大切です。では、私たちの体はどのようにして免疫システムが働いているのでしょうか。

まず免疫は、「粘膜免疫」「全身免疫」に分かれます。

「粘膜免疫」は、主に鼻や口、腸管などの粘膜に存在しているもので、ウイルスや細菌の侵入を防いでいます。

空気中に漂うウイルスが喉や鼻の粘膜に付着した場合は、粘膜に存在しているIgA抗体という免疫物質が病原体とくっついて、病原体を無力化してくれます。そのため、
粘膜を丈夫にしておき、バリア機能を高め、IgA抗体が十分に働ける状態にしておくことが大切です。
粘膜を構成する材料が不足すると、粘膜が乾燥して傷つき、ウイルスや細菌が体内に侵入しやすくなります。そのため粘膜の働きを保持するビタミンA(緑黄色野菜)や免疫細胞(IgA抗体など)の材料となるたんぱく質(魚や肉、卵、大豆など)を充分に補完することが大切です。

そして、粘膜免疫の中で最大の免疫組織が、小腸の腸管です。
身体の約7割の免疫細胞が存在しています。
この腸管は腸管上皮細胞の表面に存在していますが、上皮細胞が壁のように隙間なく並んでおり、異物が体内に入るのを防いでいます。この上皮細胞からは、「抗菌ペプチド」であるディフェンシンやカテリシジンを分泌し、ウイルスや細菌をやっつけますが、この抗菌ペプチドの産生にはビタミンD(きくらげ・干しシイタケ)の量に依存すると言われています。

それでも病原菌が突破して、体内に入った場合は、腸管上皮細胞が免疫担当の細胞へ伝達をします。(=全身免疫)
すると、白血球の「好中球」や「マクロファージ」が病原菌を食べてくれたり、NK細胞が攻撃をしてくれます。また、インターフェロンがマクロファージなどの働きを刺激しますが、このインターフェロン量はビタミンC量にも依存するため、ビタミンC(キャベツ・レモンなど)を摂取することが大切です。

 

ここに書いたのは身体の一部の働きですが、このように、私たちの体はウイルスや細菌と戦えるようにいつでも待機しています。しかし、病原菌と戦う免疫細胞の材料が不足していたり、体内で戦闘モードになるためのスイッチが働かないことには病原菌に負けてしまいます。

「〇〇を食べていればOK!」というものはありませんが、しっかりと食べ物や生活を整えることで体は変わります。
今この機会に、自分の身体がどのような状態なのかを知り、未病の段階で身体を整えていくことが、将来の健康にも繋がります。

 

当院で実施している 毛髪検査 は、一人一人の状態に併せて行い、潜在的な体の不調も数値化して表すことが出来る検査です。また栄養の過不足やストレスの度合い、免疫力などをチェックする事が可能です。
郵送でも検査を受けることが出来るため、気軽に出来る健康チェックにもおすすめです。
自宅にいる時間が長い今、ご自身の身体を一度見直し、少しでも健康な体を作っていきましょう。

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ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。

参考文献
http://www.vic-japan.gr.jp/info_for_prof/vit.d/vitamin-influenza200910.pdf
https://www.otsuka.co.jp/b240/

ナチュラルクリニック代々木

 

 

2020.04.17更新

【患者様へお願い ※当院は完全予約制です】
新型コロナウイルス(COVIT-19)感染拡大防止対策として、来院された患者様に以下の事項をお願いしております。
1. マスクの着用
2. 消毒用アルコールによる手指の消毒
3. 検温  ※37.5℃以上の場合には、念のため受診をお断りしております。また咳や風邪の症状がある方もお断りする場合があります。

また、来院された患者様に安心して診察を受けて頂けるよう、院内の受付及びカウンセリングルーム内に次亜塩素酸水による空気の除菌を行っております。また頻繁に院内の換気を行っております。
医師、スタッフは「マスクの着用、検温(午前と午後)、手指の消毒」を徹底しております。また消毒薬を用いた清掃を心掛けております。


【新型コロナウイルスについて】
当院では新型コロナウイルス(COVIT-19)の検査、診療は対応できません。
感染の疑いがある方や不安な方は、まずはお住まいの都道府県が公開している帰国者・接触者相談センターに連絡しましょう。

新型コロナウイルスに関する帰国者・接触者相談センター一覧(厚生労働省HPより)

2020.03.25更新

こんにちは。今回のブログは臨床例をご紹介したいと思います。
今回は発達障害の傾向性のある男児の症例です。


臨床例

T・K君 3歳(初診時)

<主訴>
親戚に当院を紹介され,両親と一緒に受診。1歳までは寝ている時間が多く
おとなしかった。1歳半健診で、おもちゃに興味を示さず遊ばないことを指摘
される。その後、療育センターに相談し、親子教室へ通ったが変化が見られ
なかった。2歳半から週3日で支援所に通園している。
便秘傾向で鼻水がいつも出ている。
親の注意を聞くことが出来ず、じっとしていられない。すぐ車道に飛び出し
たり高い所に登ったりするため、親は目が離せない。

<内服>
なし。初診1ケ月前よりサプリメントを摂り始めている。

<治療方針>
leaf 毛髪検査を行い、症状や過不足の栄養素等の傾向性を確認する。
leaf 食事の内容を見直し、不足している栄養素に関しては、経過観察を行いながら
  サプリメントでの補完を行う。
leaf 食事内容と併せて腸内環境を早期に整えていく。

<症状改善へのポイント>
● 毛髪検査の結果から機能性低血糖症が診られたため、食事の中の糖質
  や間食のお菓子に注意する。
● 乳酸菌の不足や腸内環境の乱れが診られたため、原因となる食材をできる
  だけ避け、乳酸菌などのサプリメントを補完する。
● 自閉症傾向や脳ストレスのマイナス傾向が診られるため、神経組織の立て直し
  や細胞膜のはたらきを整える。


<食事内容>


<来院時>
朝:パンが多い。 シリアル、卵、フルーツなど
昼:麺類など
夜:玄米を取り入れ始めている。味噌汁、野菜、肉。
     魚はほとんど食べていない。
間食:おせんべい、クッキーなど 
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<食事指導後> 
● パンや麺類などの小麦製品、乳製品は出来るだけ控える。
● 間食は糖質の多いものは減らし、たんぱく質のものを摂り入れる。
● 魚を食べる回数を増やす。
● 血糖値の急上昇を防ぐため、食べる順番に注意する。

<サプリメント>
flagKリゾレシチン
flag糖鎖栄養素
flagDHA/EPA
flagGABA
flagビタミンB群


<治療の経過>
   down arrow  
1か月後  便秘が改善され、ほぼ毎日便が出ている。
     便の臭いも臭くなくなって色もよくなった。
     鼻水は止まっている。
     外出先で以前はすぐに走り回っていたが、椅子に
     座って待つことが出来る様になった。
     発語はまだ見られないが、音としては認識している。
     表情は穏やかで不安そうな様子はなし。
     医師との手遊びもしっかりと集中して行っている。
     こだわりが強く出る様になった。
   down arrow 

2か月後 便通は安定している。集中力はある。
     成長に伴ったこだわりがでていると療育センターの先生に言われた。
     歌にあわせて手遊びなどはよくやっている。
     発語が少しずつ増えている。「やだ」などと意思表示をする
     場面が増えた。家では、今まで通り危ないこともするが、療育センター
     では先生のいう事を理解し、危ないことはやらない。
     魚を最低でも一日おきに食べる様になった。
       down arrow

4か月後 多動の症状は母からみると変化は感じないが、久しぶりに親戚が集まった際に
     「随分落ち着いた」と指摘された。電車に乗っている時は、混雑していても
     じっと立っていられる様になり、椅子に座っていても動き回ったりぐずったり
     しなくなった。大勢の前で何かをする様なことは苦手だったが、療育
     センターのお遊戯会では皆の前で手遊びなどを上手に行う
     ことが出来た。家の中と外の態度を使い分けられている。
     発語がだいぶ出る様になった。言葉として出てこないが、こちらの
     質問の内容は十分理解している。糖質の摂取量はまだ多い様子。


来院から1年半ほど経過していますが、発語も順調に増えており、少しずつ周囲を
見ながら自分の行動を判断できる様になっています。また、他の子とのコミュニ
ケーションも上手にとれる様になってきたそうです。初診で来院された頃は、お母様も
疲れ切っている様子でしたが、その後、来院される度にお母様の表情が明るくなり、身体
的にも楽になっていると仰っていました。
今後も成長の過程と合わせて食事や栄養のバランスがとれる様、診察を通してサポート
させて頂きたいと考えています。

 

看護師 上川合史子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2020.03.16更新

 現在、日本をはじめ世界中で関心の集まる「新型コロナウィルス」ですが、除菌アルコールやマスクが不足しており、感染予防への不安や混乱が続いています。しかも、流行は長期化する可能性も出てきており、暫くは「新型コロナウィルス」と向き合っていかなくてはいけません。
 マスク着用は、感染予防効果より感染者の飛沫感染予防としての効果が大きく、感染予防には手やドアノブ、室内や携帯電話などのこまめな除菌が必要となります。消毒用アルコールが不足している中、ナチュラルクリニック代々木の院内においても使用している「次亜塩素酸水」をご紹介します。

 

~次亜塩素酸水とは?~

殺菌料の一種であり、塩酸又は食塩水を電解することにより得られる次亜塩素酸を主成分とする水溶液。わが国では平成14年6月に食品添加物として指定されており、 使用基準及び成分規格が定められている。今回、製造技術の進歩等を踏まえ、成分規格の一部を改正( 微酸性次亜塩素酸水・弱酸性次亜塩素酸水の2種の成分規格改正)しようとするものである。
(厚生労働省のHPより)

厚労省の認可も受けており、医療分野では医療機器や院内の消毒、食品分野では食品添加物の「殺菌料」として使われています。

 先日、仙台市青葉区にある松澤蒲鉾店において、工場で生成し、魚介類や製造器具の除菌に使用している「次亜塩素酸水」の無償配布を始めたことが話題になりました。「次亜塩素酸水」は、「新型コロナウイルス」に対する有効性は確認されていませんが、大腸菌やインフルエンザウイルスなどに除菌効果が認められています。コロナウイルスとインフルエンザウイルスは粒子構造が非常に似ていることから、「新型コロナウィルス」に対する有効性が期待されています。

 また人体や環境への影響も少なく、ペットや乳幼児のいるご家庭でも安心して使用できます。アルコール除菌に比べて弱酸性の「次亜塩素酸水」は手荒れの心配も少なく、頻繁に手の消毒として使用することが出来ます。

その他、ダニや花粉に含まれるアレルギー症状を引き起こす「アレル物質」の除去や、靴下のにおい、加齢臭、肉や魚の腐敗臭、生ゴミのにおい、おむつやペットのにおいの消臭にも使用されています。

 

~使い方~

 次亜塩素酸水は、生成機により作るタイプやそのまま使用する液体タイプ、希釈して使用するタイプなど色々なものがあり、濃度により使用目的や用途を使い分けます。

 

次亜塩素酸水濃度

 

 

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