クリニックニュース

2024.05.10更新

<歯の構造を見れば、自ずと食べるべきものが見えてくる>

歯の構造には3種類あります。

・臼歯………………………穀物や豆類の歯。「臼」のような形の歯は、植物や穀物・魚肉をすりつぶすのに適している。

・門歯(切り歯)………野菜用の歯。薄くて四角い歯は、植物や果実、海藻を噛み切るのに適している。

・犬歯………………………肉食用の歯。尖った三角の歯は、肉を噛みちぎるのに適している。

例えば草食動物の牛は全て臼歯なので穀物しか食べないのに対し、肉食動物のライオンは全て犬歯なので肉しか食しません。歯の構造は動物にとって、その歯に適したも
のを食べるように、元々備わっているのでしょう。
 さて、人間の歯の内訳は
    臼歯 → 20本 (⑤)
    門歯 → 28本 (②)
    犬歯 → 24本 (①)
であり、その対比は5:2:1となります。要は肉や魚を「1」食べるとしたら、その2倍の野菜と5倍の穀物を食すのが理想的な食事のあり方だということになります。
また、日本人は元々農耕民族ですので、欧米人の狩猟民族に比べると腸の長さが長いと言われています。日本人の身体は穀類の炭水化物を消化する機能に大変優れている反面、肉類や乳製品の消化には慣れていないため、取り過ぎると腸内環境が悪くなり、生活習慣病を発症する傾向が挙げられます。消化吸収の良い食材を中心に摂ることによって、大腸の負担も軽くなり、便秘知らずの腸となって、免疫力や基礎代謝力、体温が上がり、健康的な毎日を過ごせるようになります。
                
ナチュラルクリニック代々木では、栄養価の観点から主食は発芽玄米食を推奨しています。玄米を発芽させたものを用いますが、食べにくいようでしたら、白米と混ぜて炊くことをお勧めしています。

 

<理想の食卓は「一汁三菜」の和定食>

「一汁三菜」とは「ご飯」と「汁」と「香の物」に、いくつかの「菜」が添えられるという組み合わせです。米を炊いた「ご飯」。昆布や鰹節などでとっただしを、味噌や塩などで味付けした具入りの「汁」。塩漬けやぬか漬け、粕漬けなどの「香の物」。そして焼き物や煮物や和え物などの「菜」。その4つの要素で構成されます。
現代の和定食の中心である「一汁三菜」に対して、江戸時代は「二汁五菜」がよく登場しましたが、これが昔のおもてなし料理の基本です。
一汁三菜の献立の最大の特長は、汁も香の物も菜も全てご飯を食べるために存在するという点です。
ご飯を白米ではなく、玄米食(発芽玄米や白米と混ぜても良い)にすることで、米自体がもつ栄養価を丸ごと摂取できる利点があります。性別や年齢に応じて、ご飯の量でカロリーを調整するのが和食の基本的な食べ方となります。
数ある日本の調理法の中で、特長的なものとして「生もの」が挙げられます。材料を生のまま切り、皿に盛り付け、調味料と薬味を添えます。刺身といえば魚介類が用いられますが、調味料と薬味の組み合わせも、魚類との相性を考えて工夫されているのが和食です。わさび、しょうが、からしなどの薬味や「つま」「けん」と言われる大根の千切り、大葉、防風、芽蓼、花紫蘇など防菌効果のあるものを添えて、見た目も美しく組み合わせます。普段の食事は「一汁三菜」。これが食養生の基本です。

理想の食事

※ 上記の場合には、焼き魚(右奥)、煮物(左奥)、小松菜のお浸し(中央)の3つの菜で構成される。向かって手前左にご飯を、手前右には汁を、その間に香の物をそれぞれ置くという決まりがある。

ナチュラルクリニック代々木    ※クリニックニュースVol.5 掲載記事

 

2024.04.10更新

<日本人は乳糖分解酵素(ラクターゼ)が85%の人に不足している>

牛乳を飲むとお腹がゴロゴロするのは、牛乳に含有される糖分である「乳糖」を分解する「ラクターゼ」という酵素が不足しているためで、分解できずに下痢や消化不良などを起こしている状態です。これは、赤ちゃんの時は全員が持っていた乳糖分解酵素の活性が、大人になるにつれて減少するためです。
日本人は85%、黒人は70%、白人は15%の人に不足しており、これを「乳糖不耐」と言います。
また乳糖は、本来人間が持っている骨の中のカルシウムを奪ってしまう作用が挙げられます。添加物として加工食品や薬にも使われているので、乳糖不耐が疑われる場合には注意が必要です。

 

<ミルクパラドックスの害>

牛乳を飲むと、血中カルシウム濃度が一気に上昇します。一見カルシウムが増えたように感じますが実は違います。人間の持つ「ホメオスタシス」の原理より、血中のカルシウム濃度は一定(約1%)に保たれていて、上昇すれば余分なカルシウムは、尿から排出されてしまいます。牛乳を飲み、一気に血中カルシウム濃度が急上昇すれば、私たちの体は慌ててカルシウムを排出するように働きます。この時、余分なカルシウムと一緒に必要なカルシウムまで排出されてしまい、これを繰り返していくことで、カルシウムの貯蔵庫である骨がすかすかになってしまうのです。
カルシウムを補給する目的で牛乳を飲んでかえって骨が細くなってしまう現象…これがミルクパラドックスです。因みに世界で一番牛乳を多飲している国は白人社会でもあるノルウェーで、骨粗鬆症の発生率は日本の5倍です。カルシウムを摂るならば、牛乳(1倍に対して)よりも煮干し(14倍)、わかめ(8倍)、昆布(7倍)、小松菜(5倍)、かぶ(2倍)から摂るべきでしょう。吸収もゆっくりなので、血中カルシウム濃度を一気に上げる心配もありません。

 

<カゼインが腸内でカゾモルフィンという麻薬様物質に変化>

牛乳のタンパク質の80%を占めるカゼインは、母乳のタンパク質であるアルブミンと違い、粗く粘り気があるため、腸から吸収されにくい性質を持っています。
そのため未消化のまま血中に入り、脳に到達して脳内の受容体であるレセプターと結合すると「カゾモルフィン」という麻薬様物質に変化します。
これが原因物質となり、うつ、適応障害、広汎性発達障害、自閉症、アスペルガ―症候群、ADHD、統合失調症などの精神疾患が引き起こされるケースが世界中で報告されています。
フロリダ大学、オスロー大学、サンダーランド大学では精神症状のある患者に「カゼイン・グルテン除去食」を用いた食事療法を行いました。
その結果は統合失調症、広汎性発達障害、自閉症、アスペルガ―症候群、ADHD、言語発達障害、学習能力障害の患者の40%~81%が、有意または完全に改善したという報告をしています。
またアメリカのクルック博士は治療の経験から、子供の説明のつかない疲労や、やる気のなさ、頭痛、腹痛などの全身症状、無関心などが牛乳をはじめとする食物アレルギーによるものだと考えています。アメリカの酪農組合でも6歳未満の子供に対して、牛乳の摂取は控えるように忠告を開始しました。

ミルク

ナチュラルクリニック代々木 ※クリニックニュースVol.4 掲載記事

2024.03.10更新

トリプトファン

3-3

精神安定に必要なセロトニンの前駆体である「トリプトファン」は、「かしこいな」に多く含まれています。かつお、しいたけ、こんぶ、いりこは、まさに日本の「お出汁」。出汁のきいた和食は、先祖代々日本人の精神状態を守ってきたのでしょう。またセロトニンはメラトニンの分泌を促し、体内時計を調整します。
「なんだかよく眠れない」「ぐっすり眠れない」そんな時は、安易に睡眠薬などに頼らずに、まずは食生活を見直してみましょう。

ナチュラルクリニック代々木 ※クリニックニュースVol.3 掲載記事

2024.02.10更新

まごわやさしい

「まごは(わ)やさしい」は日本伝統の「和食」のメリットを、栄養学的に凝縮した「健康食材の詰め合わせ」のようなもの。普段の食生活の基本とすることで、栄養のバランスが摂れ、生活習慣病の予防、老化防止、免疫力のアップ、骨を丈夫にする、体調を整えるなど、様々な効果が挙げられます。ナチュラルクリニック代々木では、「まごはやさしい」を食生活の基本とし、主食を白米やパン食から発芽玄米に替えることをお勧めしています。精神疾患で来院される患者さんの多くは、インスタント食品やコンビニ弁当、スナック菓子、菓子パンなどを常食としており、身体(細胞)の基礎作りに必要な栄養素が全く摂取されていない状態です。更に食品添加物や薬剤の服用により、精神的な症状のみでなく、身体の不調を訴えるケースも多く見受けられます。伝統的な日本の食生活を普段の献立に摂り入れることは、食養生の基本でもあり、体調を回復させるために、もっとも重要な療法であることを理解しておきたいものです。

ナチュラルクリニック代々木 ※クリニックニュースVol.3掲載記事

2024.01.10更新

 疲労を感じた時に、甘いお菓子を食べて、元気になった経験はありませんか? 
 なぜ甘いお菓子は、そんなに早く私たちの体を元気にしてくれるのでしょうか?
 それは「砂糖は、体内に吸収されるスピードが速い」からです。
 砂糖を使ったお菓子を食べると急激に血糖値が上がります。一時的に疲れが取れたように感じますが、体はそれに対処するために急いでインスリンを放出し、血糖値を下げようとします。インスリンを大量に分泌した結果、今度は逆に血糖値が下がりすぎてしまい低血糖となるのです。急に下がりすぎた血糖を正常値まで引き上げるために、アドレナリンというホルモンが分泌されます。アドレナリンは分解されるとアドレノクロムという覚醒剤に似た有害物質となり、これが頭痛を引き起したり、「キレやすい脳」にしてしまうのです。

砂糖の害

 また、砂糖は体液を酸性に傾けます。それを中和しようとして、体の中でカルシウムをはじめとするミネラルを奪います。しかし砂糖を日常的に摂っていると、体の組織や細胞に貯えられたカルシウムでは足りずに、骨や歯を溶かしてカルシウムを補い、体のバランスを保とうとします。その時、カルシウムの流出で結石ができやすくなる恐れもあります。こうして砂糖を体内から排出させようとして、私たちの体は様々な反応を起こし、負担がかかっていくのです。また、砂糖は消費する時にビタミンB群が必要となります。これが砂糖は別名「ビタミン泥棒」と言われている所以です。イライラやストレスなどで、もともと不足しているビタミンB群を更に消費してしまうのです。砂糖の過剰摂取は、私たちの体の大切な栄養素を消費してしまいます。また砂糖には「習慣性」と「増加欲求性」があります。「習慣性」というのは、砂糖を含んだ物を食べると、次から次へと甘い物が欲しくなることです。「増加欲求性」というのは、甘さに慣れてくると、更に甘みの強い物が欲しくなることです。

 では、一日にどの位の摂取を目標にしたら良いでしょうか。
 ナチュラルクリニック代々木では、治療目的として、嗜好品の砂糖の摂取量は1日6グラムを基準としています。

砂糖の量

 例えば、おやつにチョコレートを1/2枚食べてしまったら、4日間(4日×6g=24g)は嗜好品の摂取を控えるように努めたり、ビタミンやミネラルの摂取をいつもより多く摂るように心掛けるなど、調整をする気持ちが大切です。また普段の料理でも白砂糖を控えて、メープルシロップやハチミツ、オリゴ糖、黒砂糖、てんさい糖など、自然に近い調味料を利用しましょう。「甘い物を食べたい」という気持ちと、私たちの身体の細胞が「食べたい物」とは違うということ…細胞が喜ぶ食生活を心掛けることが、健康を維持し病気を遠ざける秘訣となるでしょう。

ナチュラルクリニック代々木 ※クリニックニュースVol.2掲載記事 

 

2023.02.10更新

 私たちの体は何十兆個もの細胞でできていますが、全てに細胞膜が存在しています。細胞膜は細胞の内部環境を一定に保つために代謝機能を司る重要な役割を担っています。この細胞膜の構造は、脂質二重層という構造を作っています。細胞膜を構成するリン脂質分子(=レシチン)は頭部と尾部がありますが、頭部は水になじむ親水性、尾部は水をはじく疎水性の特長があり、細胞内外の均衡を保っています。

細胞膜

※細胞の内外は主に水で満たされているため、リン脂質分子は頭部を外側に、水に反発する尾部を内側に二重層を作って並ぶ。二重層の両外側は親水性なので、膜全体は細胞内外の環境になじみ、内側には疎水性の脂肪酸が充満しているので細胞の内外をしっかり遮断することができる。

 

 リン脂質分子には種類があり、細胞の外側の膜、内側の膜で構成される分子が違います。

ホスファチジルコリン(PC)…主に細胞の外側の膜を構成する。
ホスファチジルエタノールアミン(PE)…細胞の内側の膜を構成する。
ホスファチジルイノシトール(PI)…     〃
ホスファチジルセリン(PS)…        〃

 レシチン(=リン脂質)を細胞膜の構成栄養素として摂取するためには、PC、PE、PI、PSのバランスが重要です。レシチン=PCと言われているように、卵黄レシチンは極端にPCのみが多い栄養素です。大豆レシチンは比較的リン脂質のバランスが良いとされていますが、そのバランスも完璧ではなく、中でもホスファチジルセリン(PS)は含有率が少ないので、細胞膜強化栄養療法として確立させるためには、PSを大豆レシチンに添加することが、実はとても重要なのです。
 レシチンが不足して細胞膜の機能が衰えると、ウイルスや細菌から身を守る働きが衰え、外敵の攻撃を受けやすくなります。また酸素や栄養、老廃物などの細胞内外への受け渡しもスムーズに行われなくなり、細胞が衰え傷つき、様々な症状が発生します。バランスの良いレシチンの補完は、他の栄養素の吸収を助けるためにも、まず先に行う必要がある重要な栄養素です。

 ★ナチュラルクリニック代々木★

 

2021.06.27更新


 新型コロナウイルス対策の一環として、ステイホーム、リモートワークが推奨され、自宅で過ごす時間が多くなりました。
自宅での時間が多くなると、つい飲酒量が増えていませんか?今回はアルコールについて考えてみたいと思います。

 


~ アルコール代謝の仕組み ~

 口から入ったアルコール(エタノール)は胃から約20%、残りの大半を小腸から吸収し、約90%が肝臓で代謝されます。肝臓で、殆どのアルコールはアルコール脱水素酵素(ADH)によりアセトアルデヒドに分解されます。
アセドトアルデヒドとはお酒を飲んだ時に顔が赤くなったり、頭痛、吐き気の原因となる物質です。
また、一部は非アルコール脱水素酵素系であるミクロソーム-エタノール酸化系(MEOS)により代謝され、アルデヒドになります。
アセトアルデヒドはアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)により身体に無害な酢酸アセテートに分解され、その後、TCA回路を経て筋肉・脂肪組織などで水と二酸化炭素に分解され体外に排出されます。
MEOS系の代謝にはビタミンB1、アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)の代謝にはビタミンB3が関与します。
そのためアルコール代謝にはビタミンB1・B3が多く必要となります。
しかし、摂取されたアルコールの2-10%は、代謝されないまま血液中を循環し、肺から呼気、腎臓から尿、皮膚から汗として体外に排泄されます。
血液中のアルコールが脳に到達すると、神経細胞に働き「お酒に酔う」状態となります。

 

計算式

 

 酔いの状態はアルコール血中濃度によって6段階に分けられます。
楽しくお酒を飲めるのは「ほろ酔い期」のアルコール血中濃度が0.1%程度までです。
理性を司る大脳皮質の活動が低下し、抑えられていた本能や感情を司る大脳辺縁系が活発になり、開放感を感じたり陽気になるのです。
しかし、アルコールの量が増えるのにしたがって酔いが進み、脳の麻痺も進みます。
「酩酊(めいてい)初期」「酩酊期」になると知覚や運動能力が鈍り、繰り返し同じ話をしたり千鳥足になったりします。
さらに飲酒が進み、「昏睡期」になると、麻痺は脳全体に及び、呼吸困難に陥り、最悪の場合には死に至る危険性もあります。

酔っ払い

 

~ アルコール代謝 (酔いが覚める) ~

 摂取したアルコール・お酒が身体から抜けるには、どのくらいの時間が掛かるのでしょうか?

 アルコールの分解には体質により異なりますが、一般的に体重1kgあたり、1時間で0.1gのアルコールを分解するとされています。
また、身体の大きい人は血液量が多く、肝臓自体も大きいため、小柄な人よりもアルコールの分解が速くなると言われています。
更に、筋肉量も代謝に関係しています。
肝臓にて酢酸に分解されたアルコールは、血液により筋肉に運ばれ、二酸化炭素と水に分解されます。つまり、筋肉量が多い人は酢酸の処理能力が高いことになり、アルコールの代謝能力も高くなります。
女性よりも男性の方が、一般的にお酒が強いのは、少なからずこれらが関係していると言えるでしょう。

アルコール

 アルコールの代謝は、純粋なアルコールの量により計算されます。
アルコール摂取量の基準とされるのは、お酒の単位です。
1単位とは、純アルコールに換算して20g。
この1単位を各種アルコール飲料に換算すると、ビール(アルコール5度)は中びん1本(500ml)、日本酒(アルコール15度)は1合(180ml)、ウイスキー(アルコール43度)ダブル1杯(60ml)、焼酎(アルコール25度)0.6合(110ml)が目安となります。

 

お酒の1単位(純アルコールにして 20g)

1単位

 

~ アルコール依存 ~

 自宅で気軽にアルコールを摂取するようになると、心配されるのが「アルコール依存」です。
最初はアルコールの摂取によりストレス発散や気分転換、気分の高揚感を楽しんでいても、摂取量や日数が徐々に増加し、アルコール依存症となる方が増えています。
「少しのアルコールは健康に良い!」とも言われていますが、例えばワインには抗酸化物質であるレスベラトロールが含まれていますし、ビールの苦み成分であるホップは昔から薬用ハーブとして知られており、リラックス効果や抗ストレス作用があるとされています。
しかしこれらは、アルコール単位1以下(ワイン‥180㎖  ビール‥500㎖ 以下)の摂取量に対して言われているものです。
飲む量や日数など、計画的に自制出来る範囲で楽しむことが大切です。

 

チェック表

{出所}KAST(新久里浜式アルコール症スクリーニング検査)

【 男性 】

合計点数が4点以上‥アルコール依存症の疑い群 
合計点数が3~1点‥要注意群
合計点数0点‥正常群
※質問項目1番のみ「いいえ」の場合は正常群

 

【 女性 】

合計点数が3点以上‥アルコール依存症の疑い群 
合計点数が2~1点‥要注意群
合計点数0点‥正常群
※質問項目6番のみ「はい」の場合は正常群

 

 

~ アルコールとの上手な付き合い方~
  
 お酒は、ストレス発散、リラックス効果、コミュニケーションツールとして私たちの生活に大きく関わっています。
しかし扱い方を間違えると、アルコールは心身へ悪影響を及ぼすものとなってしまいます。

では、アルコールと上手に付き合うにはどうすれば良いのでしょうか?
 
 一番注意したいのは、やはり飲酒量ですが、その他にも重要となるのが、飲酒時の食事です。先に述べたように、アルコール代謝にはビタミンB群をはじめ、ビタミンⅭなど多くの栄養素が必要です。
また栄養素の不足は二日酔いの原因になるほか、代謝に関わる各臓器への負荷も大きくなります。
飲酒時の食事を少し注意することで、上手にアルコールと付き合うことができます。

 

 

~ 飲酒時におススメの栄養素~

① ビタミンB1
 通常、アルコールの分解には酵素「アルコール脱水素酵素」により行われますが、大量の飲酒により酵素だけでは処理しきれずに、ビタミンB1が使われます。
また、肝臓で分解されたアセトアルデヒドが酢酸から分解される際にもビタミンB1が使用されます。

ビタミンB1

 

② レシチン
 レシチンは細胞膜と共に肝臓の細胞活性化する働きがあり、肝機能を保護してくれます。
また、レシチンの構成成分であるコリンは、肝臓で行われる脂質代謝に関与し、脂肪代謝を向上させることで、アルコールの摂取などによる脂肪肝の予防に働きます。

卵

 

③タンパク質
 アルコール代謝酵素であるアルコール脱水素酵素などの酵素の活性を高め、肝細胞の再生を促進する栄養素です。
アミノ酸から生成されているタンパク質は、殆どが体内で生成できないため、食事から摂取する必要があります。

タンパク質

 

④ 有機酸・脂肪酸
 お酒を飲む前に、牛乳を飲むと、胃に膜が出来て酔いが軽減されるという話をよく耳にしますが、牛乳は胃酸により凝集され、膜の役割を果たさないことがわかっています。
アルコールの吸収を遅くするには、クエン酸や酢酸などの有機酸や、油脂類が効果的です。
2005年に発表された「The Japanese Society of Physical Fitness and Sport Medicine」では、アルコール吸収速度を遅くするために油脂類や有機酸が働くメカニズムが解説されています。

 酸

 

⑤オルニチン
 肝臓の働きを助けるアミノ酸です。
アミノ酸は500種類以上ありますが、オルニチンはタンパク質を構成せず、血液と共に体内をめぐる特別な「遊離アミノ酸」です。
オルニチンは、肝臓の「オルニチンサイクル」というアンモニアを代謝する経路で働き、身体に溜まると有害な物質であるアンモニアの代謝や、解毒を促進します。
オルニチンサイクルのはたらきを活発にすることで、肝臓全体の本来の機能が保たれると考えられます。
オルニチンは肝臓で有害な毒素を無害にする重要な役割を果たしているほか、二日酔い、疲労感の軽減にも効果が期待できます。

 オルニチン

 

⑥ タウリン
 タウリンは、生体内で遊離した状態で存在する含硫アミノ酸様化合物の一つで、イカやタコ、貝類、甲殻類及び魚類(心臓・脾臓・血合肉)に多く含まれています。
タウリンはアルコール分解に必要な酵素の働きを助け、分解スピードを上げて肝臓の負担を軽減します。

 タウリン

 

 

 食事は、胃の中の食べ物が粘膜の上に層を作り、消化器官への負担を和らげます。
さらにアルコールの吸収を遅らせてくれるほか、お酒のペースを抑えることもでき、飲み過ぎを抑えてくれます。
胃腸や肝臓への負担をやわらげるためにも、食べ物と一緒にお酒を楽しみましょう。
また食事と共にサプリメント(健康補助食品)を活用して、不足しやすい栄養素の補完や、肝機能のサポートを行い身体への負担を軽減させましょう。

 

★ナチュラルクリニック代々木★

 

2021.03.13更新

 現代人が抱えるストレスは様々です。勉強や仕事、育児や介護、煩雑な家事、

ぎくしゃくした人間関係・・・さらには通信環境の劇的な変化で,毎日受け取る情報量も
膨大になっています。現代人の一日の情報量は、江戸時代の人の一生分になるという
データもあるそうで、古代から人間の身体は変化していないにもかかわらず、
私たちは日常の中で多くのストレスにさらされています。
不安神経症やうつ病などのメンタルな疾患も増え続けており,自分は大丈夫,と
思っていた人が、気づかないうちに深刻な症状を抱えてしまうことも多くなっています。
こうしたストレスケアとして、ここ数年、GABAが注目されるようになり、GABAが含まれ
た特定保健用食品やサプリメントが増えてきましたが,GABAを摂るとどのような効果
があるのでしょうか。

◆そもそもGABAってどんな栄養素なの?

GABAとは、γ-アミノ酪酸(Gamma Amino Butyric Acid)の略語です。
私たちの体内に普段から存在しているアミノ酸のひとつで、様々な動物や植物
にも含まれています。
GABAは、特に脳や脊髄で精神を安定させる抑制性の神経伝達物質で、交感神経の働きを
抑制して、興奮した神経を落ち着かせたり、ストレスを緩和したり、睡眠の質を整えたり
する効果があり、いわば車のブレーキの様な働きを担っています。抑制性の神経伝達物質
は、脳の神経細胞の約30%を占めており、脳内の血流を活発にし、酸素供給量を増やした
り、脳細胞の代謝機能を高めてくれます。

抑制性に対して、アクセルの働きをするのが興奮性の神経伝達物質です。主として
ドーパミンやアドレナリン、グルタミン酸などですが、実は、GABAは、脳内で興奮性
のグルタミン酸から作られています。
抑制性の伝達物質が興奮系伝達物質から作られることで、神経伝達は両方のバラ
ンスをうまく保つように機能しているのです。

GABAはもともと体内で十分な量が作られているのですが、疲労や強いストレス
にさらされると、それを緩和するために大量に消耗してしまうため、不足傾向に
陥ります。GABAが不足すると興奮性の神経伝達物質が過剰に分泌されること
になり、リラックスできなくなって緊張状態が続いてしまうのです。
ブーブー

GABAってどんな効果があるの

ストレスを軽減する
GABAを摂ると、副交感神経の働きが活発になり、α波が増加して精神的な緊張を
和らげる働きがあります。また、脳への酸素供給量を増やして、ストレスに
よる脳細胞のダメージも抑えてくれます。
また、人は強いストレスを受けると免疫力が低下しますが、GABAを摂ると、スト
レス下での免疫力の低下を抑えることがわかってきています。
さらに、学習や作業の効率を高めることも確認されています。

血圧の上昇を抑える
GABAの血圧抑制効果については、多数の研究で公示されています。GABAは、
脳内に直接入ることができませんが、血管を通じて末梢臓器の神経伝達を抑制
して、血管収縮を緩めると考えられています。
また、GABAは、腎臓の働きを活発にして、血液中の塩分をろ過し,利尿作用を
促して血圧を下げる効果もあります。
GABAはトクホ(特定保健用食品)にも使われていますが、今の段階では、血圧が
高めの人への効果、として扱われています。
医薬品にもGABAを含むものがありますが、頭部外傷の後遺症での処方となっています。

睡眠の質を整える
GABAを夜間帯に摂ると、自然に入眠出来たり、入眠までの時間が短くなったり
する
効果があるといわれています。不安やストレスなどが多く、交感神経が優位に
なって、
グルタミン酸が大量に分泌されるようになると、脳の興奮状態が持続して
眠れなくなってしまいます。GABAはこうした脳の興奮を抑えて、気持ち

を落ち着け、リラックスを促してくれるのです。また、血液中の成長ホル
モン濃度が上がり、睡眠の質自体も
整いやすくなるという研究報告もあります。

中性脂肪を低らす
GABAは、エネルギーの消費を高め、内臓の代謝を上げる働きがあります。
また、血液中の中性脂肪やコレステロールに働きかけ、脂質代謝を促すことが
分かってきました。GABA により、肝臓のたん白合成が促進され、エネルギー源
として体内の脂質が消耗されるのではないかと考えられています。また、GABA
とたん白質 を一緒に摂ると、代謝がさらに高まるとも言われています。

◆GABAを摂っても効果がないという意見も...

ストレスや血圧、不眠などの対策として研究されているGABAですが、食品やサプリ
メントで摂っても効果はないのでは?という意見もあります。
GABAを摂ると、まず最初に腸から吸収され、血中に取り込まれます。
しかし、血中に取り込まれても、血液と脳の間で関所の様な働きをしている血液脳関門を
通過出来ず、脳に取り込むことが出来ません。そのため、GABAを摂っても、神経伝達
物質として脳で使われないので意味がない、という考えです。

これについては、実は、腸には脳と同様にGABAの受容体がある、という説があります。
脳腸相関の働きで脳と腸をつなげる迷走神経を経由し刺激が腸から脳に伝わり、GABA
の産生能力が高まる可能性があるそうです。
マウスの実験では、腸と脳を繋ぐ神経を切断すると、脳内のGABA受容体の活性化が見ら
れなかった、という報告もあるそうなので、腸から脳への伝達が切れると、脳内のGABA
の産生能力は上がらないのかもしれません。

腸内環境については、うつ病など、メンタルとの関連も指摘されており、まだまだ
研究途上の段階ですが、外から摂り入れたGABAが腸を介して体内で効果的に働く
可能性は十分にありそうです。実際に治療としてGABAをサプリメントで患者さんに
摂取して頂くと、睡眠の質がよくなったり、ソワソワ感が落ち着いたり…と、改善効果を
体感する方が多くいらっしゃいます。


◆体内のGABAを増やすには?

GABAの多い食品を摂る
まずは食事の中からGABAをしっかり摂ることが大切です。GABAを多く含む食品は、
野菜(トマト、なす、ケール、かぼちゃ、パプリカ等)、果物(メロン、バナナ等)、発酵食品
(納豆、漬物)、発芽玄米、茶葉などがあります。

たん白質やビタミンB6を含む食品を摂る
ビタミンB6の多い食品を摂ると、体内でのGABAの合成を促してくれます。
ビタミンB6は、にんにく、魚(鮭、あじ、さんま・かつお等)、ひれ肉、ササミ等に多く
含まれています。また、たん白質をしっかり摂ることで、ビタミンB6の必要量も
増加し、代謝がさらに高まります。

睡眠をしっかりとる
GABAは、睡眠中に体内で合成されます。睡眠時間が短かったり乱れていたり、睡眠の
質が下がっていると、体内で合成されるGABAが少なくなり、さらに不眠を助長して
しまいます。
GABAは、興奮性ホルモンの放出を抑制し,副交感神経の働きを活発にするので、神経が
興奮して寝つけない場合は、その興奮をしずめて入眠が促されます。また、入眠後も
スムーズにノンレム睡眠へと促してくれるといわれています。
おやすみ
腸内環境を整える
先述の通り、腸内のGABA受容体をきちんと働かせることは、体内でGABAをしっかり
と活用していく上でとても大切です。そのためには、安定した消化力と腸内
の菌叢群がバランスよく働ける腸内環境を日頃から作っておくことが重要です。
消化力が弱かったり、腸に炎症がある方は、まず腸内環境を整えることが最優先課題と
いえそうです。腸が元気な方は、日頃から発酵食品や食物繊維の多い食品、自分に合った
乳酸菌や乳酸菌生産物質を摂る様に心がけましょう。 

◆GABAをどのくらい摂ればいいの?

人は、普段から体内でGABAを作っていますが、疲労や不眠、ストレスや年齢等の要因で
蓄えているGABAの量が消耗し、減ってしまいます。
また、もともとの体質や気質によっても大きく左右されます。
一般的には1日50〜100㎎程度が目安量と言われていますが、実際の治療の現場では、
不足の状況にはかなり個人差があり、食事内容や生活環境、ストレスの
かかり具合によってGABAの必要量にも違いがあると感じています。それに合わせて
GABAを食事やサプリメントで補完する量も人それぞれかなり異なります。

ナチュラルクリニック代々木では、受診された患者さんには体調全般の確認を行う
中でGABAが不足していないかも診ていきます。問診を行い、生活環境や食事の内容
を具体的に伺います。
また、PRA毛髪検査を行い、GABAを含めた栄養素全般を調べます。
GABAの働きに関連する腸内環境や自律神経の乱れ具合、不眠傾向やストレスの傾向
性等も併せて検査しますので、GABAの不足がどうして起こっているのか探りながら、
根本的な体質改善の治療を行っていきます。また、特に体調面に問題があるわけでは
ないけれど、私はGABAが足りているのかな…と気になっていらっしゃる方でも、健診
目的でPRA毛髪検査のみを受けることができます。郵送でのお申し込みも可能ですの
で、お気軽にクリニックまでお問合せ下さい。

最近ではGABAが配合されたチョコレートやお菓子、コーヒー等も増えており、以前より
もGABAを手軽に摂ることが出来る様になってきました。ただし、GABAが絶対的に不足
している方には、このような食品だけでは十分に補いきれないことが多く、また、体調不良
など、心身のバランスが崩れている場合は、GABAだけでなく、他の栄養素も不足している
ことが多いので、身体の根本的な見直しが必要になります。

なにかとストレスが多い毎日ですが、GABAを意識して摂ってみましょう。
たとえば、食事の主食を白米から発芽玄米におきかえるだけでもGABA の摂取量はぐんと
増えます。また、疲れがたまっている時などは、睡眠時間をしっかりとる様に心がけま
しょう。少し意識を変えるだけでも、GABAの消耗を減らし、ストレスや疲労を緩和する
ことが出来ると思います。

 外人和食

★ナチュラルクリニック代々木★

 

 

 

 

 

2021.01.25更新

5人に1人が認知症になる?

 2025年、65歳以上の高齢者のうち認知症の人は約700万人(5人に1人)に増加すると予測されています。

さらに、認知症予備軍といわれる、軽度認知障害(MCI)の人は、認知症の人と同数程度いるとも言われており、認知症対策は社会的に緊急の課題と言えます。

(厚生労働省:認知症対策推進総合戦略(新オレンジプラン)より)

認知症予備軍

 現在、認知症は症状の進行を一定期間防ぐ薬ぱあるものの、根本的な治療薬は未だ開発中です。

大切なのは、発症後の治療ではなく、発症前の予防です。

認知症は、なる前に予防しましょう。

MCI(軽度認知障害)とは?

 軽度認知障害(MCI)とは、健常者と認知症の中間の段階、認知症の前段階です。日常生活には支障はありませんが、適切な予防を行わずに過ごすと、約5年で半数以上の方が認知症に進行する言われています。
最近の研究では、MCIの段階で適切な予防や治療を行えば、認知症の発症を防ぐことや遅らせることができると分かっています。
認知症は生活習慣病の一つで、記憶障害など様々な機能の低下が症状として現れます。認知症の中でも最も多いアルツハイマー型認知症は、発症する約20年前から主な原因物質とされているアミロイドベータペプチドが脳内に蓄積し、神経細胞を破壊することで認知機能が少しずつ低下し、発症します。

 現在、認知症は症状の進行を一定期間防ぐ治療が進んでいますが、根本的な治療薬や治療法は未だ確立されていません。大切なのは、発症後の治療よりも、発症前の予防です。

 

経緯

 

MCIを早期発見する検査って?

 アルツハイマー病は、アミロイドベータペプチドという老廃物が脳内に蓄積し、神経細胞を破壊することで発症します。「MCIスクリーニング検査」は、アルツハイマー病の前段階であるMCIのリスクをはかる血液検査です。
この検査では、アミロイドベータペプチドを排出する機能を持つ血液中の3つのタンパク質を調べることで、MCIのリスクを判定します。

 

アミロイド

 

MCIスクリーニング検査の流れ

 

STEP1  ~ 検査は採血のみ ~

 最初に担当医よりMCIスクリーニング検査についての説明を行い、その後、採血を行います。
検査は少量の採血のみで行います。

MCIスクリーニング検査代  19,800円(税込)

 

STEP2  ~ 検査結果のお渡し(約3週間後) ~

  判定結果はリスクに応じて、A ~Dの4段階にて判定されます。

 A:1~2年に1回は検査を受けましょう。

 B:1年毎に検査を受けましょう。

 C:6カ月~1年毎に検査を受けましょう。

 D:2次検査をおすすめします。

 

検査結果は次回の受診時、もしくは郵送にてお渡し致します。

受診‥担当医より結果について、説明を行います。また必要に応じて、栄養カウンセラ ーより食生活についての相談やMCI予防に適した栄養素の提案を行います。(別途:初診料もしくは再診料、カウンセリング料が必要です)

郵送‥自宅へ郵便にてご送付致します。結果について詳しいご説明が必要な際は、受診してください。(別途:郵送手数料として 1100円(税込)が必要です)

 

STEP3  ~ 生活習慣の見直し ~

 認知症は生活習慣の一つです。
”自分はまだ大丈夫” ”私は認知症にはならない” と思っている方は要注意です。認知症の発症には糖尿病や高血圧症などの生活習慣病が危険因子として挙げられます。予防には、これらを含めた生活習慣病の予防が重要となります。元気な時にこを、病気にならない身体づくりをしましょう。

生活習慣病

 

STEP4  ~ 定期的な検査 ~

 ガン検診や健康診断と同じように、定期的に検査を受けることで、ご自身の変化に早い段階で気づくことができます。健康な方でも、高齢になるにつれて、認知症やMCIの発症リスクは自然と高まります。早い対処は重症化の軽減や発症スピードを遅らせることが可能となります。

 


  

 大切なのは、早期の発見!早期の対策です。ご自身やご家族の為にも、MCIスクリーニング検査を行い、ご自身の健康状態を把握しましょう。

 

 

★ナチュラルクリニック代々木★

 

2020.12.16更新

生理前になると、どうしてもイライラしてしまったり、甘いものが無性に食べたく
なったり、乳房がはって苦しかったり……いろいろな不調がでてきますよね。
こうした不快な症状が3ヵ月以上繰り返しみられ、日常生活にさしつかえる程、症状が
重い場合はPMS(Premenstrual Syndrome  月経前症候群)と診断されます。
これは、1930年代から欧米諸国で注目される様になった病態で、日本では、月経のある
女性の約70~80%にPMSの何らかの症状があり、その内、約5%が生活に支障を来た
すレベルといわれています。
PMSは、生理の3〜10日位前からあらわれる心身の不調で、生理が来ると症状が弱ま
り、やがて消えていきます。

2いらいら


原因は・・・

はっきりとした原因はわかっていませんが、女性ホルモンとの関連性が有力視され
ています。排卵後に女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン
(黄体ホルモン)が多く分泌されますが、妊娠しなかった場合は、生理前に急速に減少
するため、そのバランスの大きな変動が関係しているのでは、と考えられています。
また、その症状を悪化させる原因として、食事の中の栄養バランスの乱れ、善玉脂質や
ビタミンB6の不足、脳内ホルモンや神経伝達物質の疲弊、ストレス、生活習慣などが
関係しているとも言われています。

症状は・・・

PMSの症状は多岐にわたり、その程度や期間なども個人差が大きいのが特徴です。
生理が始まると、ほとんどの症状は軽くなり、消失していきます。
しかし、イライラなどの精神的な症状が強く出る人は、職場の人間関係でトラブルに
なったり、家庭内のけんかに繋がってしまうことも珍しくありません。また、憂うつに
なったり、不眠になったり、情緒が不安定になったり…と気分が落ち込んだり、痛みや
むくみなどの身体の不調に悩まされる人もいます。
症状が辛くても周りの人にはわかってもらえない…という点もPMSの大きな問題です。
また、精神的症状が強く、生活に支障を来たす様な場合は、PMDD(月経前不快気分障害)
という病状を指摘される可能性もあります。

症状

検査・診断は・・・

まずは生理周期と症状の関連性をチェックしていきます。基礎体温の計測と症状を記録
することで経過をみます。3か月以上にわたり、上記の様な症状が続き、その症状の程度が
重い場合はPMSと診断されます。
月経周期との関連性がない場合は、甲状腺疾患、貧血、糖尿病、肝機能障害、うつ病など、
他の疾患の既往の確認や検査を行う場合もあります。
また、問診や症状などから、PMDD(月経前不快気分障害)かどうかを見極めていきます。
PMDDは、PMSと同じように月経に関連して症状が現れますが、情緒不安定や不安症状、
抑うつ、怒りなど、精神的な不調が非常に強いのが特徴で、アメリカではうつ病性障害の
一つとみなされています。その他、パニック障害、気分変調性障害、人格障害のような精神
障害が月経前に増悪し,月経後も完全には症状が消失しない病態は、PME(premensー
trual exacerbation:基礎疾患の月経前増悪)と言われ、別に分類されます。
 
治療は・・・

PMSは、その病因がはっきりわかっていないため、確立した標準治療がないのが現状
です。その中で、薬や漢方薬を用いる治療法や薬以外の治療法など、様々なものが提唱
されています。日本で最も一般的な西洋医学の治療としては、低用量ピル(経口避妊薬)
やLEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬)が処方されます。これは、PMSが女
性ホルモンとの関連性が大きいと考えられていることから、排卵を止めて女性ホルモ
ンの変動を抑える目的で処方されます。これは、排卵を止めるため、治療を受ける時点
で妊娠を望んでいない女性が対象です。

また、腹痛・頭痛には鎮痛剤、むくみには利尿剤、精神症状には抗うつ剤や精神安定薬
など、一時的に症状を緩和するための対症治療として処方されることもあります。
ピルの副作用で嘔気が強い場合には、吐き気を抑える薬を併用することもあります。
PMDDの治療には、抗うつ薬・SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が用いら
れることが多く、排卵から月経までの黄体期に服用します。

東洋医学では、症状や体質に合わせた漢方薬が処方されます。漢方薬は複数の症状を
同時に改善させ、体全体のバランスを整えるのが目的です。
そのほか、体操やヨガ、整体や鍼灸、認知行動療法など、代謝を上げていく方法や体の
外側から整える方法など、様々な治療法が提案されています。

ナチュラルクリニック代々木では、副作用の恐れがある薬を使わず、栄養面から
アプローチし、ホルモンバランスや自律神経を整えていく治療を行っています。
食事や栄養素を見直すことで、細胞レベルでの代謝を促し、血流や栄養の吸収を
改善させ、体質を根本から整えていきます。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                   よかれと思って食べているものが、かえって体に負担をかけていたり、細胞の栄養
不足を招いていたり、問題視していなかった所が意外な落とし穴だったり…という
事も少なくありません。
症状や体調については、PRA毛髪検査を用いて、ホルモンバランスや血液循環、スト
レスや栄養素の過不足状態等、その傾向性を具体的に調べていき、その結果に基づい
て治療方針を決めていきます。

予防は・・・

生理はホルモン周期で起こるものですから、ご自身で気になる症状やその程度など、
体調の傾向をよく把握しておくことが大切です。調子が悪くなりやすい期間は、予定
を詰めすぎたり無理をしない様に気をつけ、気分転換やリラックスする時間を作りま
しょう。症状が辛い時は、勉強のボリュームや家事の負担を減らしたり、積極的に
体を休めることも大切です。また、日頃から体を冷やさない様に心がけ、カフェインや
糖質、アルコールなどの取り過ぎに注意しましょう。ストレッチやウォーキング等の
有酸素運動を行って血流を促すこともとても効果的です。

ナチュラルクリニックでは、血液検査やPRA毛髪検査、問診による診断から、PMSの根本
的な原因を探り出し、治療を行っています。食事や栄養素を見直すことで、血流や代謝を
上げていきますが、ピルの様に直接的にホルモンに関わるものではありませんので、薬の
服用による副作用等の心配はありません。
自然に体を整えていく治療ですので、ホルモンバランスや自律神経、メンタル面など、
心身全体が改善していきます。PMSの症状に長年悩んでいる方、ぜひクリニックへ
ご相談くださいね。

ナース
★ナチュラルクリニック代々木★

 

 

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