クリニックニュース

2021.06.27更新


 新型コロナウイルス対策の一環として、ステイホーム、リモートワークが推奨され、自宅で過ごす時間が多くなりました。
自宅での時間が多くなると、つい飲酒量が増えていませんか?今回はアルコールについて考えてみたいと思います。

 


~ アルコール代謝の仕組み ~

 口から入ったアルコール(エタノール)は胃から約20%、残りの大半を小腸から吸収し、約90%が肝臓で代謝されます。肝臓で、殆どのアルコールはアルコール脱水素酵素(ADH)によりアセトアルデヒドに分解されます。
アセドトアルデヒドとはお酒を飲んだ時に顔が赤くなったり、頭痛、吐き気の原因となる物質です。
また、一部は非アルコール脱水素酵素系であるミクロソーム-エタノール酸化系(MEOS)により代謝され、アルデヒドになります。
アセトアルデヒドはアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)により身体に無害な酢酸アセテートに分解され、その後、TCA回路を経て筋肉・脂肪組織などで水と二酸化炭素に分解され体外に排出されます。
MEOS系の代謝にはビタミンB1、アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)の代謝にはビタミンB3が関与します。
そのためアルコール代謝にはビタミンB1・B3が多く必要となります。
しかし、摂取されたアルコールの2-10%は、代謝されないまま血液中を循環し、肺から呼気、腎臓から尿、皮膚から汗として体外に排泄されます。
血液中のアルコールが脳に到達すると、神経細胞に働き「お酒に酔う」状態となります。

 

計算式

 

 酔いの状態はアルコール血中濃度によって6段階に分けられます。
楽しくお酒を飲めるのは「ほろ酔い期」のアルコール血中濃度が0.1%程度までです。
理性を司る大脳皮質の活動が低下し、抑えられていた本能や感情を司る大脳辺縁系が活発になり、開放感を感じたり陽気になるのです。
しかし、アルコールの量が増えるのにしたがって酔いが進み、脳の麻痺も進みます。
「酩酊(めいてい)初期」「酩酊期」になると知覚や運動能力が鈍り、繰り返し同じ話をしたり千鳥足になったりします。
さらに飲酒が進み、「昏睡期」になると、麻痺は脳全体に及び、呼吸困難に陥り、最悪の場合には死に至る危険性もあります。

酔っ払い

 

~ アルコール代謝 (酔いが覚める) ~

 摂取したアルコール・お酒が身体から抜けるには、どのくらいの時間が掛かるのでしょうか?

 アルコールの分解には体質により異なりますが、一般的に体重1kgあたり、1時間で0.1gのアルコールを分解するとされています。
また、身体の大きい人は血液量が多く、肝臓自体も大きいため、小柄な人よりもアルコールの分解が速くなると言われています。
更に、筋肉量も代謝に関係しています。
肝臓にて酢酸に分解されたアルコールは、血液により筋肉に運ばれ、二酸化炭素と水に分解されます。つまり、筋肉量が多い人は酢酸の処理能力が高いことになり、アルコールの代謝能力も高くなります。
女性よりも男性の方が、一般的にお酒が強いのは、少なからずこれらが関係していると言えるでしょう。

アルコール

 アルコールの代謝は、純粋なアルコールの量により計算されます。
アルコール摂取量の基準とされるのは、お酒の単位です。
1単位とは、純アルコールに換算して20g。
この1単位を各種アルコール飲料に換算すると、ビール(アルコール5度)は中びん1本(500ml)、日本酒(アルコール15度)は1合(180ml)、ウイスキー(アルコール43度)ダブル1杯(60ml)、焼酎(アルコール25度)0.6合(110ml)が目安となります。

 

お酒の1単位(純アルコールにして 20g)

1単位

 

~ アルコール依存 ~

 自宅で気軽にアルコールを摂取するようになると、心配されるのが「アルコール依存」です。
最初はアルコールの摂取によりストレス発散や気分転換、気分の高揚感を楽しんでいても、摂取量や日数が徐々に増加し、アルコール依存症となる方が増えています。
「少しのアルコールは健康に良い!」とも言われていますが、例えばワインには抗酸化物質であるレスベラトロールが含まれていますし、ビールの苦み成分であるホップは昔から薬用ハーブとして知られており、リラックス効果や抗ストレス作用があるとされています。
しかしこれらは、アルコール単位1以下(ワイン‥180㎖  ビール‥500㎖ 以下)の摂取量に対して言われているものです。
飲む量や日数など、計画的に自制出来る範囲で楽しむことが大切です。

 

チェック表

{出所}KAST(新久里浜式アルコール症スクリーニング検査)

【 男性 】

合計点数が4点以上‥アルコール依存症の疑い群 
合計点数が3~1点‥要注意群
合計点数0点‥正常群
※質問項目1番のみ「いいえ」の場合は正常群

 

【 女性 】

合計点数が3点以上‥アルコール依存症の疑い群 
合計点数が2~1点‥要注意群
合計点数0点‥正常群
※質問項目6番のみ「はい」の場合は正常群

 

 

~ アルコールとの上手な付き合い方~
  
 お酒は、ストレス発散、リラックス効果、コミュニケーションツールとして私たちの生活に大きく関わっています。
しかし扱い方を間違えると、アルコールは心身へ悪影響を及ぼすものとなってしまいます。

では、アルコールと上手に付き合うにはどうすれば良いのでしょうか?
 
 一番注意したいのは、やはり飲酒量ですが、その他にも重要となるのが、飲酒時の食事です。先に述べたように、アルコール代謝にはビタミンB群をはじめ、ビタミンⅭなど多くの栄養素が必要です。
また栄養素の不足は二日酔いの原因になるほか、代謝に関わる各臓器への負荷も大きくなります。
飲酒時の食事を少し注意することで、上手にアルコールと付き合うことができます。

 

 

~ 飲酒時におススメの栄養素~

① ビタミンB1
 通常、アルコールの分解には酵素「アルコール脱水素酵素」により行われますが、大量の飲酒により酵素だけでは処理しきれずに、ビタミンB1が使われます。
また、肝臓で分解されたアセトアルデヒドが酢酸から分解される際にもビタミンB1が使用されます。

ビタミンB1

 

② レシチン
 レシチンは細胞膜と共に肝臓の細胞活性化する働きがあり、肝機能を保護してくれます。
また、レシチンの構成成分であるコリンは、肝臓で行われる脂質代謝に関与し、脂肪代謝を向上させることで、アルコールの摂取などによる脂肪肝の予防に働きます。

卵

 

③タンパク質
 アルコール代謝酵素であるアルコール脱水素酵素などの酵素の活性を高め、肝細胞の再生を促進する栄養素です。
アミノ酸から生成されているタンパク質は、殆どが体内で生成できないため、食事から摂取する必要があります。

タンパク質

 

④ 有機酸・脂肪酸
 お酒を飲む前に、牛乳を飲むと、胃に膜が出来て酔いが軽減されるという話をよく耳にしますが、牛乳は胃酸により凝集され、膜の役割を果たさないことがわかっています。
アルコールの吸収を遅くするには、クエン酸や酢酸などの有機酸や、油脂類が効果的です。
2005年に発表された「The Japanese Society of Physical Fitness and Sport Medicine」では、アルコール吸収速度を遅くするために油脂類や有機酸が働くメカニズムが解説されています。

 酸

 

⑤オルニチン
 肝臓の働きを助けるアミノ酸です。
アミノ酸は500種類以上ありますが、オルニチンはタンパク質を構成せず、血液と共に体内をめぐる特別な「遊離アミノ酸」です。
オルニチンは、肝臓の「オルニチンサイクル」というアンモニアを代謝する経路で働き、身体に溜まると有害な物質であるアンモニアの代謝や、解毒を促進します。
オルニチンサイクルのはたらきを活発にすることで、肝臓全体の本来の機能が保たれると考えられます。
オルニチンは肝臓で有害な毒素を無害にする重要な役割を果たしているほか、二日酔い、疲労感の軽減にも効果が期待できます。

 オルニチン

 

⑥ タウリン
 タウリンは、生体内で遊離した状態で存在する含硫アミノ酸様化合物の一つで、イカやタコ、貝類、甲殻類及び魚類(心臓・脾臓・血合肉)に多く含まれています。
タウリンはアルコール分解に必要な酵素の働きを助け、分解スピードを上げて肝臓の負担を軽減します。

 タウリン

 

 

 食事は、胃の中の食べ物が粘膜の上に層を作り、消化器官への負担を和らげます。
さらにアルコールの吸収を遅らせてくれるほか、お酒のペースを抑えることもでき、飲み過ぎを抑えてくれます。
胃腸や肝臓への負担をやわらげるためにも、食べ物と一緒にお酒を楽しみましょう。
また食事と共にサプリメント(健康補助食品)を活用して、不足しやすい栄養素の補完や、肝機能のサポートを行い身体への負担を軽減させましょう。

 

代替医療カウンセラー ★齋藤★

 

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