クリニックニュース

2025.12.10更新

 老化を促進する要因として「糖化」が注目されています。糖化とは、食事などによって摂り込まれた糖のうち、エネルギー源として代謝されなかった余分な糖質が、体内のたんぱく質と結びついて、細胞などを劣化させる現象を言います。特に急激に血糖値が上昇したり、血糖値の高い状態が続くと、糖化反応が現れます。更に糖化が進むと、老化促進物質である糖化最終生成物(Advance Glycation End Products : AGEs)が作られます。AGEsは分解されにくい性質を持っているため、体内に蓄積されると様々な疾病の原因となり、全身の老化を進めることが判っています。
 例えばホットケーキのように、たんぱく質を多く含む牛乳や卵に砂糖を混ぜて焼くと、こんがりきつね色になります。このようなたんぱく質と糖によって起こる変化が「糖化」です。同じことが人間の体内で起きると、様々な現象を引き起こします。糖化によって肌のハリを保つコラーゲン線維が破壊されると、肌は弾力を失い、また糖化によって生み出された老廃物が皮膚の細胞に沈着すると、シミやくすみの原因となり、老化が促進されます。同じことが血管や内臓に影響を与えると、血管壁に炎症が現れ、動脈硬化のリスクが高まります。その結果、心筋梗塞や脳梗塞などを招く結果となります。更には骨では骨粗鬆症、目ではドライアイや白内障、網膜症のリスクが高まり、またアルツハイマー病との関連も指摘されています。このように「糖化」は「病気」の大きな原因となっています。
 糖化したたんぱく質は、一度生成されると分解されず、増え続けるという恐ろしい性質を持っています。私たちの体は、食べ物の炭水化物を分解→糖にして、エネルギーとして生きているため、常に糖化しやすい状況にあるのです。

【体内の糖化を防ぐには】
①食べる順番を意識して、糖化と血糖値の上昇を防ぐ
  同じメニューでも食べる順番を変えるだけで、糖化を防ぐことができます。食事によって糖を過剰に摂取してしまうと、体内にあるたんぱく質が次々に結合(糖化現象)してしまい、この糖化したたんぱく質が体内に留まると、細胞が働かなくなり、老化促進に繋がります。また、食事で血糖値が上昇するのは、糖分を摂るからです。主食である炭水化物を先に摂ってしまえば、それに含まれているデンプン(糖質)により、血糖値が急激に上昇します。食べる順番を変えるだけで、血糖値の急激な上昇を防ぐばかりか、食べ過ぎ防止にも繋がります。
【食べる順番療法】
1.まずは野菜から…野菜(きのこ類、海藻類も含みます)のおかずを一番先に食べましょう。
2.次にたんぱく質…たんぱく質(肉、魚、大豆など)のおかずを食べましょう。
3.最後は炭水化物…ごはん(米、パン、麺類、芋類など)を食べましょう。
  ※米を発芽玄米にすると更に効果アップ。ゆっくり噛んで食べることも重要です。

 

②抗糖化栄養素を摂り入れる
1.糖の代謝を促進する栄養素…ビタミンB1、ビタミンB6、αリポ酸、CoQ10
2.AGEsを阻止する食べ物…生姜、シナモン、クミン、茶、黒胡椒、バジル、リンゴ、レモン、にんにく、オレンジ

 

③調理方法に気をつける
 たんぱく質と糖質を含む食材を加熱すると褐色になります。これが「メイラード反応」と呼ばれるもので焼き色の正体。この反応の過程で、体にとっての悪玉物質「AGEs」が大量に発生すると言われています。「焼く、炒める、揚げる」のではなく、「ゆでる、煮る、蒸す」調理法を選択することで、AGEsの発生を防ぎます。

 

④睡眠不足、過剰なアルコール摂取、運動不足は糖化を促進させる
 ビールや日本酒に含まれる糖質の含有量は相当の量があり、AGEsの増加にも繋がります。またアルコールを分解する際に ビタミンB1を大量に消費するので、慢性のビタミンB1不足に陥ります。また6時間以上の睡眠を摂る人とそれ以下の人を比べた場合、前者の方が皮膚に沈着するAGEs量が少なかったという研究報告があります。また適度な運動は、筋肉での糖の消費が高まるので、糖化反応を抑制することが可能です。

糖化ポスター

 

ナチュラルクリニック代々木   ※クリニックニュース Vol.26 掲載記事

 


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