クリニックニュース

2020.05.22更新

 新型コロナウイルス感染予防対策の一環として、自宅や職場、外出先で検温をする機会が多くなりました。今までは風邪の時に測ることはありますが、女性の基礎体温測定や持病のある方を除くと、頻繁に体温を測ることはありませんでした。しかし体温は身体の健康バロメーターでもあります。自分の体温リズムを知ることは、自身の体調の把握に繋がります。今回は、この体温について考えてみましょう。

 


 

<部位による体温の違い>

 体内温度は、手足や皮膚に近いところは温度が低く、体内の中心部に行くほど、高くなります。手足や身体の末端、身体の表面温度は季節や環境温度の影響を受け易く、変動が大きくなります。一方中心部は、心臓や脳などの重要な臓器の働きを守るため、安定した高い温度に保たれています。この中心温を「中核温」と呼びます。体温を測るうえで、この中核温を測れるのが良いのですが、中核温の測定は難しいため、計測し易い、脇や口腔内、額などで測るのが一般的となっています。

 また測る部位や使用する体温計のタイプによって、測定時間や平熱は異なります。使用する体温計は同じものを使用し、各部位の平熱を知っておくか、常に同じ部位から測ることが大切です。発熱時などで医師に体温を知らせるときは、体温計のタイプ、検温部位を伝えることが大切です。

 身体の内部温度分布


 

<体温リズム>

 人の体温は病気の有無にかかわらず、外気温や食事、精神面、睡眠により変動します。これらには、自律神経やホルモン、筋肉運動や基礎代謝が関わり、体温調節を行っています。また1日(24h)ごとの体温リズムがあり、「概日リズム」と言います。通常、外気温の変化の影響もあり、早朝から朝方に掛けて最も低く、覚醒と共に体温は上昇し、食事や日中の活動状態によりピークを迎えます。1日の体温の差は、ほぼ1℃です。そのため平熱を知るうえで、同じ時間帯に同じ体温計で測ることが重要です。

体温リズム


 

<低体温と冷え症>

 低体温と冷え症は、同じ身体の冷えでも違います。

低体温
代謝により発生する熱(熱産生)と、体から逃げていく熱(熱放散)のバランスがとれず、体全体の温度が低くなることを指します。一般的には、低温期の平熱が35℃台であり、高温期に入っても平熱が36度前半の方は低体温といえます。健康的な方の平熱は(36.5~37.1度ほど)です。

冷え性
身体の末梢(手足)への血流が悪くなり、深部体温は下がっていなくても、手足や腰などの身体の一部分の温度が下がり冷えている状態を指します。平熱は低くなくても、手足の冷えが強くなってしまいます。しかし病態として統一的な定義は確立しておらず、西洋医学的には病気ではなく、身体的な症状や状態として認識されています。現代人の女性の約8割が「冷え症」というリサーチ結果があるほど、冷えを感じている方が増えています

 

冷え症


 

<身体の冷えって何?>

 低体温も冷え症も、身体の冷えにより起こります。それでは、身体の冷えとはなぜ起こるのでしょうか。

冷えの原因は大きく分けて3つあります。

1. 基礎代謝
 基礎代謝は1日のエネルギー消費の60~70%を占めています。その基礎代謝の4割近くは筋肉で消費されていますが、無理なダイエットや運動不足により筋肉量が減少すると、基礎代謝、熱産生が減少し、慢性的な冷えを招きます。男性より女性の冷えが多い理由の一つと言われています。逆に食べ過ぎも冷えの原因となります。過度の飲食は、消化のために血液が胃腸に集中し、熱産生量の多い筋肉や他の器官への血液供給を減少させます。そのため、代謝が低下し、冷えの原因となります。

2. 自律神経
 自律神経は血管の収縮や消化器官の働き、呼吸などの調整を担います。ストレスや不規則な生活習慣、加齢により自律神経が乱れると、血流や酸素供給の悪化により全身への循環が滞り、末端へ血液が行き届かず、冷えの原因となります。

3. 熱伝導
 汗をかかず水分が十分に排出されていない人は、身体に不要な水分がたまり、冷え易くなります。また、皮下脂肪の多い方も、脂肪には断熱効果があり、温まりにくくなります。しかも脂肪には血管が殆どないため、熱が加わっても全身へ伝わりにくくなります。


 冷えの慢性化は、疲労感、不眠、集中力の欠如、偏頭痛、肩こり、食欲不振、イライラなど様々な症状を招きます。更に、「冷えは万病の元」と昔から言われ、体温が1℃下がると免疫力は30%低下すると言われています。免疫力の低下は、癌や感染症、甲状腺障害やアレルギー症状など重篤な病気の要因となります。冷えを改善し、健康な心身を目指しましょう。


 

<身体を温める食材>

 中国の伝統的な医学(中医学)に「薬膳」というものがあります。すべての食べ物には薬効があり、食材の持つさまざまな性質や効能を活かして食事として取り入れることで、心身のバランスを保ち、病気を未然に防ぐというものです。この薬膳の考え方を理解し、日常の食生活を意識して改善することで、体調管理に役立てていきましょう。

薬膳には、温・熱・涼・寒があり、「温熱」は身体を温める食材、「寒涼」は身体を冷やす食材に分類されます。また、どちらにも当てはまらない「平性」があり、これら5つの分類を五性と呼びます。
「寒涼性」の食材は水分のある野菜や果物が多く、身体の余分な熱を出してくれます。「温熱性」の食材は生姜やネギ、ニンニクなどの香味野菜や、唐辛子などの辛味成分を含む食材が多く、血流を促し新陳代謝を高めます。また、どちらにも属さない「平性」は、米や麦、豆などの穀物類に多く、身体のエネルギー源となります。

 

五性

 

 しかし、発酵や乾燥、加熱によりその属性が変化することもあります。「平性」の豆ですが、発酵して納豆になると「温熱性」になり、豆腐に加工されると「寒涼性」に変わります。また、柿は「寒性」ですが、干し柿にすると「温性」に変わります。フルーツが好きだけど、身体の冷えが気になる方は、ドライフルーツにされると、安心ですね。

自身の体調に合わせて、食材や調理法を選んで摂取することが大切です。
冷えのある方は、朝に「寒涼性」の多い野菜や果物を多く含む、スムージーや野菜ジュースを摂ると冷えが強まります。しかし野菜スープやお味噌汁にして加熱すると「寒涼性」の属性が和らぎ、冷えを回避することが出来ます。更にスープに生姜やニンニク、ニラなどの「温熱性」のものをプラスするのも効果的です。
逆に、更年期のほてりがある方や、夏場の熱い日は身体に熱がこもり易くなります。そんな時は、「寒涼性」の果物やサラダ、スムージーなどで上手に熱を排出しましょう。

 

ナチュラルクリニック代々木:代替医療カウンセラー  ☆ 齋藤奈々 ☆

 

 

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