クリニックニュース

2026.06.20更新

 体内で起こる生体反応は、全て「酵素」によって担われています。酵素とは体内のあらゆる化学反応に対して触媒として機能するたんぱく質のことです。酵素の役割を判り易く解説するために、私たちの体を「工場」に例えてみましょう。酵素は毎日休むことなく働いてくれる「従業員」。私たちが口にする食べ物は、工場に届く「資材」とします。資材が届いた時に、それを荷解きする従業員A、その資材を使って新しい物を生み出したり、工場内を補修する従業員Bが存在し、私たちの体は成り立っているのです。体内酵素は、その仕事によって「消化酵素(従業員A)」と「代謝酵素(従業員B)」の2つに分類されます。工場に届く荷物(食べ物)を荷解き(分解)する役割である「消化酵素」と、体内にある資材(栄養素)を使って、作業(修復・再生などの体作り)をする役割が「代謝酵素」です。どちらも生命の維持活動にはなくてはならない存在で、そのバランスが大切となります。
 私たちの体の中で作られる「代謝酵素」と「消化酵素」。その他にも「食物酵素」があり、消化酵素や代謝酵素が不足した場合には、食物酵素から補う必要があります。食べ物が消化され、体内に吸収されるまでの一連の消化プロセスには、多くの「消化酵素」が必要です。食べ物に含まれる栄養素には、体内に吸収しづらい形のものもありますが、消化酵素は栄養素を分解し、体内に吸収しやすい形に変えます。消化吸収により栄養素を確保しないと生命は維持できないので、身体は代謝酵素よりも消化酵素を作ることを優先します。本来酵素は、消化だけではなく、代謝により多く使われるべきですが、現代人の食生活は食品による「食物酵素」の含まれていない加熱した食べ物が多く、その大切な酵素が、消化にばかり使われてしまう傾向にあります。それに加え、加齢やストレスにより体内の酵素分泌は減少しています。

【消化酵素の仕組み】
私たち人間は、身体の働きを維持するために、毎日食べ物を摂取しています。しかし口に入れた食べ物は、そのままでは分子が大きすぎて、身体の中に摂り込むことができません。食べ物が栄養として身体の各組織に運ばれるためには、胃や腸などの消化器官によって分解し、返還される→「消化」消化されたものが血液やリンパ液中に摂り込まれる→「吸収」という過程を辿ります。口から入るものは口~食道~胃~小腸~大腸などで摂り入れられ、老廃物は尿や便となり体外に排出されます。

【口=咀嚼】口から摂り入れられた食べ物は、歯によって噛み砕かれ、唾液に含まれる「アミラーゼ」という酵素がデンプン(糖質)を麦芽糖に分解します。食べ物を良く噛んで食べることで、唾液の分泌を促すことが可能となります。

【胃=消化】食道を通り、胃に食べ物が入ると胃壁から胃液が分泌されます。胃液には「ペプシン」というたんぱく質分解酵素が含まれ、たんぱく質をペプチドに変換させます。また「胃酸」はカルシウムを水溶液にして小腸での吸収を助ける働きをします。

【膵臓=消化酵素作り】膵臓では膵液(消化酵素)が作られます。膵液には5種類の酵素が含まれ、デンプンやたんぱく質、脂質を分解して消化します。

【小腸=消化・吸収】3種類の酵素を含む腸液が分泌され、最終の消化活動を担います。
 デンプン→ブドウ糖 たんぱく質→アミノ酸 脂質→脂肪酸、グリセリン

 吸収された栄養分は、腸の毛細血管やリンパ管の経路を通り全身に送られます。

【大腸=便を作る】主に水分を吸収し便を作ります。現代人の食生活では、食物酵素が少ないため、体内にある消化酵素がフル稼働している状態にあります。酵素を多く含む食品としては、生野菜や果物、発酵食品が挙げられますが、酵素は熱に弱く、加熱すると酵素の量が減ってしまいます。酵素系のサプリメントなどを補助として使って、体内酵素を代謝酵素に回せるようにすることが、とても大切です。

消化酵素

 ナチュラルクリニック代々木   ※クリニックニュース Vol.39 掲載記事

 

                 

2026.06.10更新

 健康な生活を送るためには、私たちの体の機能や精神状態を制御している「脳」の部分が重要となります。病気の原因として9割近くが、何らかのストレスによるものだという発表もありますが、ストレスがかかると、脳内ではそれに対抗しようとして、様々な指令を行い続けます。人間の体には、環境が変化しても脈拍や血圧、体温などを一定に保つ働きが備わっています。生命を維持するための機能調整を行う「自律神経」、ホルモンの分泌を司る「内分泌系」、外部からの異物から体を守る「免疫系」の3つがバランスの良い状態(ホメオスタシス)を保っている必要があり、その指令も「脳」と「腸」がコントロールしています。しかしストレスが加わることで、脳で行う情報処理が忙しくなってしまい、この3つの指令に滞りが生じ、バランスが崩れ、病気を引き起こす要因が生まれてしまうのです。

ホメオスタシス

【神経細胞に着目!】
 ストレスがかかっても、脳の情報伝達がスムーズに行われていれば、ホメオスタシスのバランスは崩れにくいと言えるでしょう。要は脳の情報伝達を行う「神経細胞」の状態が、ストレス耐性と密接に繋がっています。神経細胞は脳全体で千数百億個存在していますが、電気信号を発して情報のやりとりを行っています。一つの神経細胞からは長い「軸索(神経線維)」と木の枝のように分岐した短い「樹状突起(シナプス)」が伸びており、別の神経細胞と繋がり合い、複雑な神経回路を形成しています。このシナプスでは電気信号を一時的に「神経伝達物質」を介し受け渡しされます。一般的に「頭がいい」「頭の回転が速い」「記憶力がいい」というのは、脳内の情報処理能力に比例します。情報能力は情報伝達量でもあり、神経細胞が健康でなければ、多くの情報を処理することはできません。ストレスによって、情報処理が膨大になり、神経細胞にダメージが起きると、傷ついた神経細胞は痩せ細り、多くの情報を流せなくなり、スムーズに指令を出せない状態に陥ります。「神経が細いね」という言葉はまさにこのことであり、物事に対して過敏に反応する状態となり、イライラしたりキレてしまったりといった精神状態が現れます。中でも特に注意が必要なのは化学的ストレッサーです。これは栄養の過不足、酸素の欠乏、薬物、農薬、食品添加物による影響ですが、知らず知らずのうちに神経細胞が弱っていく原因となります。
 では健康な神経細胞を保つにはどうしたらいいのでしょうか。その鍵がK・リゾレシチンとなります。低分子かつ脂溶性であるK・リゾレシチンは、血液脳関門を通過し、神経細胞の膜組織(リン脂質)に働きかけ、神経線維を太くしたり、シナプスを増やして神経細胞そのものを元気にします。更に神経伝達物質アセチルコリンになり、様々な情報を伝える手助けを行います。また、細胞膜の強化を図ることによって、必要な栄養素の吸収を助け、不要な老廃物を排出するといった細胞の活動を活発にします。体に存在する60兆個の細胞に必要な基礎物質でもあるのです。1972年アメリカの健康情報誌「Prevention」に掲載された「レシチンは生か死か 二者択一を決定づけるもの」と明言した医師Bluno Mrcoの言葉は、生命体におけるレシチンの重要性を物語っています。

シナプス

 ナチュラルクリニック代々木   ※クリニックニュース Vol.38 掲載記事

 

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