クリニックニュース

2026.10.10更新

「歯の役割は、食べ物を噛むだけのもの」と捉えがちですが、実は私たちの体全体に大きな影響力を持ち、健康維持のための重要な役割を担っています。歯に不調が起こると、身体の様々な臓器や器官に影響を及ぼします。また、歯周病は今や「国民病」と呼ばれ、35歳以上で80%、小学生でも40%が罹患しています。歯周病は、口腔内の細菌感染によって発症しますが、歯と歯肉の境目の清掃が行き届かないまま放置していると、歯垢が蓄積して細菌が増殖し、炎症を起こして赤くなったり腫れたり、出血などが起こります。進行することで歯肉の境目が深くなり、最後は歯が抜けてしまう、とても怖い病気です。歯だけではなく歯周病は、様々な内臓系の疾患にも影響を及ぼします。

歯の健康

 歯周病の程度は、下記の図のように0~4段階に分けられます。鏡を見ながら時々チェックしましょう。

歯の健康2

8020運動~80歳で20本の歯を残そう~
「8020運動」とは、80歳になっても20本以上の歯を残そうとする運動です。歯が20本以上あれば何でも美味しく食べられます。  また、歯が20本以上残っている高齢者は、行動範囲が広く、全身の健康状態が良好な人が多く見られます。

 また噛むことによって、脳の老化や認知機能の低下を防ぐことが判明しています。例えば、東北大学の研究によると、歯の残存数が少ない人ほど、脳の容積が小さくなるということが判っています。また、認知症の患者さんの残存本数は平均9.5本に対し、認知症でない人の残存数は15本でした。このことから、歯を失うと認知症のリスクが高まると言えます。

美味しく噛めるために必要な歯の本数

歯の本数

「歯の本数」と、食べられる食材には大きな関連があります。歯が抜けてなくなってしまうと、しっかりものが噛めなくなり、食べられる物の種類が減っていきます。18本以上の歯があれば、フランスパンやたくあんなどの硬い食べ物でも食べられますが、5本以下だとバナナやうどんなど、軟らかい物しか食べられなくなってしまいます。
 55~75歳を対象にした調査では、「食事がとてもおいしい」と感じている人は、平均20本の歯が残っていたのに対し、「食事がおいしくない」と感じている人は、平均11本しか歯が残っていませんでした。歯が抜けると食べられる物が限られてしまうだけでなく、食事かおいしくなくなるという調査結果が出ています。

 歯を無くさないために…歯周病を予防しよう

  歯周病を引き起こす細菌は、歯と歯茎の間の境目から入ってくるので、その部分を丹念に磨く必要があります。歯と歯茎の間に、一度ポケット(空間)ができてしまうと、いくら丁寧に磨いても歯石まで取り除くことはできず、歯周病を進行させる細菌の除去が困難になります。歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使って歯と歯の間の歯垢を除去しましょう。間食後などには、こまめにうがいを行うことも日課にすると効果的です。また半年に一度は歯科医で歯石を取ってもらうことも大切です。

歯周病予防に役立つ栄養素
【ビタミンC】抗酸化物質であるビタミンCは、免疫力を向上させ、歯周病予防に役立つだけでなく、コラーゲンの生成のために必須の栄養素です。傷の治りを早くするので、抜歯やインプラント挿入後のケアにも必要です。
【ビタミンB群(B6、B12、葉酸)】 血中ホモシステイン値を低下させ良質なコラーゲンを保ち、歯や歯茎の健康を維持します。
【カルシウム、マグネシウム、ビタミンD、ビタミンK】 カルシウム、マグネシウムは、歯や骨の主要な構成要素で、ビタミンD、Kも骨密度、骨の生成に不可欠な成分です。またカルシウム、マグネシウムには唾液の緩衝能(唾液のpH値を一定に保つ)、再石灰化促進作用もあり、虫歯予防にも役立ちます。
【アミノ酸】  プロリン、リジン、グリシンは、コラーゲンの構成原料として重要です。
【αリポ酸、MSM、メチオニン、システィン】  水銀などの有害重金属の排泄促進には、これらの硫黄化合物が役立ちます。
【乳酸菌生産物質】口の中には400種類以上もの口腔内常在菌が棲んでいます。歯周病は悪玉菌の繁殖によって発生します。乳酸菌生産物質は常在菌のバランスを整えるために有効です。
【クマザサエキス】クマザサエキスには有機酸やポリフェノールが沢山含まれ、様々な種類の細菌(バクテリア)に対して、その増殖を抑える力(抗菌力)があります。歯周病の原因の一つといわれている嫌気性細菌にも抗菌力を発揮することが大学の研究機関で証明されています。
【糖鎖栄養素】  糖鎖栄養素の補完は、口腔、歯の疾患(歯周病、歯肉炎、口辺ヘルペス、敗血性咽頭炎、口内びらん、舌炎、口内炎など)に有効であることが、アメリカの医学分野で臨床発表されています。
【オメガ3脂肪酸(DHA/EPA)】オメガ3には抗炎症作用があり、歯茎などの炎症を抑える効果があります。またオメガ3の摂取量が少ない人は、歯周病の発生リスクが約1.5倍に増加することが研究発表されています。

 

ナチュラルクリニック代々木   ※クリニックニュース Vol.45 掲載記事

 

 

 

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