ビタミンB群の一つであるパントテン酸(B5)を1933年に発見した生化学者である故ロジャー・ウイリアムス博士は、細胞に十分な栄養を与えることで、体のあらゆる不調や精神的な疾患を治すことができると証明しています。それは、たった一つの栄養素が欠乏するだけで、私たちの身体は何らかの異常を発するということを意味しています。ロジャー・ウィリアムス博士は、細胞を健全に代謝させるために必要な栄養チームを「生命の鎖」と表現し、その種類は46種類(20種類のビタミン、18種類のミネラル、8種類のアミノ酸)であると謳っています。
例えば、アミノ酸同士の相関関係だけでなく、その吸収や働きには、ビタミン類の助けが必要であり、またビタミンの吸収や働きには、ミネラル類が必要となる訳です。どれか一つ欠けても、鎖としての働きは失われ、細胞の病変に繋がります。

※アミノ酸、ビタミン、ミネラルは、全て互いに関連し合い、代謝活動を行う。
<必須栄養素と非必須栄養素>
体内で合成が出来ないため、摂取しなければいけない栄養素を必須栄養素、体内で他の栄養素を材料にして合成できる栄養素を非必須栄養素といいます。例えばアミノ酸ではトリプトファン、リジンなどは必須アミノ酸、セリンやチロシンは必須アミノ酸から合成できる非必須アミノ酸です。ビタミンとミネラルのほとんどは、必須栄養素です。必須栄養素が欠乏した時、その栄養素が受けもつ生理作用は機能しなくなり、何らかの欠乏症が起こります。ビタミンB1欠乏による脚気、ビタミンAでの夜盲症、ビタミンCでの壊血病、鉄欠乏性貧血などがよく知られていますが、実はビタミンやミネラルは、一つが多くの働きを兼ねているので、欠乏症は同時に様々な症状も引き起こします。例えばビタミンC欠乏では、歯茎の腫れや皮下出血などの壊血病の症状と同時に、貧血や腰痛、風邪をひきやすいといった症状が起こります。
必須栄養素の数は生命の鎖では46種類と考えられていますが、非必須栄養素の合成も、過剰なストレスや不規則な習慣、食品添加物や農薬などの影響により体のバランスが崩れることで、体内における合成スピードが遅れてしまうので、サプリメントで効率良く摂取する必要があります。
<チームで働く栄養素…リービッヒの桶理論>
ドイツの化学者リービッヒは、必要とされる栄養素のうち、与えられた量のもっとも少ないものにのみ影響されることを唱えました。

たった一つの栄養素が足りないだけで、全体の働きや能力が低下、要は壊れた桶のように足りないレベルに合わせて能力が低下することを意味します。 一つの栄養素をサプリメントで補完するのではなく(単体摂取)、まずは様々な栄養素を摂取できる「複合栄養素(マルチ型)」のサプリメントを補完し、中でも特に不足している栄養素を、追加摂取することが、私たちの細胞には必要であることが判ります。
さて、自分自身がどの栄養素が不足しているか、足りているのかを確認するためには、どうしたらいいのでしょうか。
それぞれの栄養素の特性を知り、自分の不定愁訴と比べて足りていない栄養素を見つけ出すことも大切ですが、当院で採用している毛髪分析では、自覚のない状態であっても、客観的にそれぞれの栄養素の過不足を数値でチェックすることが可能です。
人間ドックや健康診断では、自分の栄養素がどの位なのかを知ることは不可能です。健康であっても、定期的に毛髪検査で栄養チェックを行い、不足しがちな栄養素を見つけ、食事の改善やサプリメントを利用することは、病気を未然に防ぐ一番の近道だと当院では考えています。
ナチュラルクリニック代々木 ※クリニックニュース Vol.23 掲載記事








