クリニックニュース

2018.04.16更新

寒い冬も終わり、4月になり一気に春めいてきましたね。

 温かく過ごし易くなる時期ですが、季節の変わり目の中でも特に春は、卒業や進学、はたまた社会人になり新生活を開始するなど、環境の変化に伴って精神的に不安定になる時期でもあります。新しい環境は誰しも緊張したり不安になったり、ストレスが溜まりますよね。実は、そのストレスが「自律神経」を乱し、さまざまな不調の一因に繋がる場合があるのです!

◆そもそも自律神経とは?

 自律神経は、生命の維持に関わるあらゆる器官の働きをコントロールする神経で、自分の意思とは関係なく無意識のうちに働いている神経です。私たちが眠っている時や何かに集中している時も、滞りなく体の機関が動いているのはこの自律神経のおかげなのです。

 自律神経は循環器・消化器・呼吸器などの活動を調整するために24時間働き続けており、人間が生きていく上で大切な神経です。この自律神経は2種類あり、主に日中活動する時に働く「交感神経」と安静時や夜間に活発になる「副交感神経」があります。この2つがバランスを取っていることで健康状態が保たれますが、これが崩れると「自律神経の乱れ」に繋がります。

 自律神経のバランス

★交感神経が優位時‥‥緊張・動悸・頭痛・発汗・不眠・肩こり・手足の冷えなど

・無理をしたり、悩んだり、怒ったり、悲しい事があったり、イライラしたり‥‥こういう状況の場合には交感神経が緊張し、優位になります。

・身体へのストレスや心へのストレスによる刺激に対し、自律神経が防御反応として過剰に働き、一方へ傾きます。

・心拍は早くなり、動悸・血圧上昇・食欲低下などを引き起こし、この状態が続くと粘膜や組織に障害が起こり、体調が崩れます。

・血流が悪化し筋肉が硬くなり、コリや痛みなどを起こし易く、免疫力が低下し様々な疾患を招き易くなります。 

★副交感神経が優位時‥‥だるさ・関節痛・腫れ・発熱・下痢・アレルギーなど

・身体はバランスを取ろうとして副交感神経を優位にしようと動きますが、行き過ぎると副交感神経の過剰反応として神経が過敏になり過ぎ、だるさや痛み、腫れや発熱、下痢、せき、アレルギーなどが起こります。

 

◆自律神経を整える方法

 現代人の不調は、自律神経が関与している場合がほとんどです。副交感神経が十分に働かない事が原因となり、交感神経が常に優位な状態になったり、逆に副交感神経が過剰反応し過ぎて、様々な不定愁訴を招くこともあります。そこで毎日の生活の中で自律神経を整える方法を紹介します。

★食べ物で自律神経を整えよう

1、食物繊維が多い食べ物‥‥玄米・きのこ類・海藻・ごぼう・そば・かぼちゃなど。食物繊維の多い食品は腸の中をゆっくり進みます。腸の中の食べ物が進むときには副交感神経が優位になります。

2、酸っぱい物や辛い食べ物‥‥酢・レモン・唐辛子・わさび・しそ・梅干しなどの酸っぱい食べ物は副交感神経を優位にします。しかし食べ過ぎは逆効果になる為、程々に。

3、発酵食品‥‥味噌・納豆・漬物・ぬか漬け・ヨーグルト。発酵食品には自律神経を整える働きがあり、また腸内環境も整えてくれるので免疫力UPに繋がります。

4、水分を摂る‥‥水分を摂ることは消化器官系を刺激するので自律神経を整えるために効果的な方法です。ただし、身体を温めるものが良いので、しょうが湯・黒豆茶・そば茶・ほうじ茶・ハーブティーがお勧めです。 syokumotu

★お風呂の入り方で自律神経を整えよう

 38~40℃くらいのややぬるまめ温度に、2~3回に分けて入ると効果的(長風呂と熱い風呂は禁物)です。また食後1時間以上たった時で就寝時間の1時間前位が理想的です。

お風呂2

★運動&睡眠で自律神経を整えるよう

 自律神経を整えるお勧めの運動はウォーキング・軽いジョギング・サイクリング・水泳などです。勝ち負けを争う運動は、ストレスを生む原因となるのでお勧めできません。また日中に体を動かすことは、適度な身体の疲労感があり安眠に導きます。運動と早寝早起きを心掛け、規則正しい生活を目指すと自律神経が整います。歩く

 

いかがでしたか?

日頃の生活を少し気を付けると、自律神経が整えられ、心身共に健やかに過ごすことが出来ます。

ストレスが多い現代社会ですが、まずは出来ることから採り入れてみてください♪

ナチュラルクリニック代々木

2018.04.02更新

 「台風が来ると頭痛がする。」「梅雨時は古傷が痛む。」「雨の日は鬱っぽくなる。」など、天気や気候の変化による症状を感じる方も多いのではないでしょうか。

これらの体調不良は「思い込み」や「気のせい」ではなく、昔から医療現場では「気象病」として認知されていました。現在、これらの症状を専門に扱う外来を開設した大学病院も存在しています。

 

気象病の主な症状

・頭痛(偏頭痛)
・首や肩のこり・痛み
・めまい
・耳鳴り
・喘息
・高血圧(低血圧)
・不整脈
・神経痛
・古傷の痛み
・精神不安(うつ症状)
・倦怠感
・眠気

 
など多岐に渡ります。気象病を抱える人は、日本で約1000万人とも言われています。

頭痛 

「気象病」は何故起こるのでしょうか。

 気象病を誘発するものは、気温、気圧、湿度が主な要因とされますが、特に影響の大きいものが気圧です。

一日の間に気温が10℃以上、気圧が前日に比べ10hPa以上変化すると、症状が出る確率が上がるという論文もあります。

季節が大きく変わり、低気圧が定期的に通過する春や秋、低気圧が停滞する梅雨時、低気圧の塊りである台風シーズンの夏から秋、上空の寒気により発達した低気圧が発生する冬など、日本の四季全てにおいて症状を誘発する要素を含んでいます。四季を有する日本は「気象病大国」とも言えるのではないでしょうか。

特に台風や爆弾低気圧は、低気圧の発達により気圧の変化が急激なうえ、移動スピードが速い為、痛みが強く出る要因になります。

台風

また、梅雨時は期間が長い為、体調不良が長期に渡ります。

高層ビルのエレベータに乗り、上層階へ一気に登った時や、飛行機に乗ると耳鳴りがした。という経験をされた方も多いはず。これは気圧の急激な変化による体調の変化を体感出来る一例と言えます。

 

では、どのような方が気象病を発症し易いのでしょうか。

気象病の要因は様々言われていますが、「自律神経」と「内耳」による要因が挙げられます。

自律神経とは、交感神経と副交感神経の二つから成り立ち、それぞれの切り替えにより呼吸や血液循環、消化器官など体の機能維持や調整を担っています。

 

大きな気圧の変化が起こると、身体の外から加わる圧力の変化により交感神経が興奮し、収縮した血管が反動で拡張することにより、神経が刺激され、頭痛や眩暈を招きます。湿度や気温の変化による頭痛も同じです。

 

 一方内耳が要因の場合、耳が敏感な方が発症し易いと言えます。内耳とは、鼓膜の奥にあるカタツムリの様な形をした聴覚を司る蝸牛、平衡感覚を司る三半規管と耳石器を合わせて前庭、3次元空間における方向や速さを認識する三半規管とで成り立っています。これらの機能が敏感な方は、気圧の変化に対応できず、頭痛や眩暈などの気象病の症状を発症します。自律神経のバランスが乱れ易い方は、内耳からの情報を脳が適切に処置できずに混乱してしまう為に、症状を発症すると考えられています。

 

笑顔 

気象病の予防、改善には、自律神経を整える事が重要です。

・十分な睡眠をとる
・規則正しい生活を心掛ける
・1日3食栄養バランスの整った食事
・ストレスの軽減(入浴や音楽鑑賞)
・タバコや飲酒は控える
 

最後に、内耳が敏感な方の頭痛には、頭痛薬より「乗り物酔いの薬」が効果的です。

しかし本来、薬を使わずに症状の緩和・改善が望まれます。自律神経を整え、ストレスを軽減する事が「気象病」対策のみならず、心身の健康には必要と言えるでしょう。

ナチュラルクリニック代々木

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