クリニックニュース

2017.08.29更新

 本格的な夏を迎え、暑さで寝つきが悪くなるばかりか、夜中に目を覚ましてしまう。熟睡出来ずに翌日は一日中だるくてスッキリしない。そんな経験をされた方も多いと思います。なぜ夏の夜は寝苦しくなるのでしょうか。

寝不足

 「ヒートアイランド現象により夜になっても気温が下がらず暑さから寝苦しくなる」というのは勿論ですが、実は温度よりも湿度が寝苦しさを増す原因となっています。夏は冬に比べもともと湿度が高いのですが、更に睡眠中の発汗により就寝床の湿度が上昇し、皮膚からの汗の蒸発が妨げられる為、身体の熱が放出されずに体温が上昇し眠りを妨げます。仮に入眠しても湿度が高い為、湿気や換気をしようと自然に寝返りが多くなり、睡眠を阻害します。また、眠れたとしても熟睡感が無く、翌朝スッキリしないなんて経験ありませんか。就寝時間の夜22時から翌朝3時までの5時間は「睡眠のゴールデンタイム」と呼ばれ成長ホルモンが最も分泌され細胞の修復が行われる時間帯です。この時間帯に最低でも3時間の睡眠を取っているかが睡眠の質に大きく影響します。睡眠は浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠が交互に訪れますが、特に深い眠りが訪れるのは最初の3時間です。この最初の3時間の睡眠が深ければ熟睡感を得る事が出来るのです。

熱帯夜

 では、どうすれば夏の暑い夜に快適な睡眠を取る事が出来るのでしょうか。

 まず湿度を下げましょう。日中の熱により寝室には熱がこもり湿気も帯びています。特に寝室にクローゼットや押入れがある場合、その中に熱気や湿度が溜まっています。就寝の30分前にはクローゼットや押入れの扉を開け、窓を開けて扇風機を回し換気をして部屋の温度と湿度を下げましょう。それでも暑い日は、その後に窓を閉めて冷房を付けましょう。設定温度は個人差がありますが、人か快適に眠る為には「室温26℃以下 湿度50~60%」と言われています。湿度が高いと体感では暑く感じ易い為、ドライ機能を使い湿度を下げて26℃~28℃の温度で調整しましょう。エアコンを使用の時は、最低でもタイマーを3時間セットし、1番質の良いノンレム睡眠の時間に熟睡出来る様にしましょう。

エアコン

 寝具や寝巻きの素材に注意しましょう。特に日本の高温多湿の夏にピッタリな素材は熱伝導率が良く通気性に優れ、吸水性と放湿性を兼ね備えた天然繊維「麻」です。寝汗も直ぐに吸収し空気中に放出してくれる為サラッとした肌触りで快適な寝心地を保ちます。また、部屋着のまま寝る方も多いと思いますが、寝巻きは寝返りの打ち易さ、吸湿性と吸汗性を考え作られている為、部屋着に比べ睡眠に適したものと言えます。シーツや寝巻きを麻素材の物に変えるだけでも、快適な睡眠が得られるかもしれません。更に寝具や寝巻きはこまめに洗濯し新しい物に変えましょう。人は1晩で大量の汗をかきます。寝具や寝巻きには気が付かなくても大量の汗が含まれ湿気を含み、吸汗性が不十分となります。更に掛け、敷布団も天日干しすると湿度が少なくなり、更に寝心地が良くなるでしょう。

 
就寝前の過ごし方も大切です。パソコンやスマートフォン等のブルーライトは交感神経を刺激し、副交感神経を弱め睡眠を阻害します。睡眠は副交感神経により脈拍が弱まり、体温が低下する事により身体を睡眠状態へ導きます。交感神経が刺激されてしまうと興奮状態が続き、寝つきが悪くなったり、睡眠途中で覚醒したりと睡眠障害を招きます。就寝前の使用は控えた方が良いでしょう。カフェイン等の刺激物も同様です。就寝の3時間前にはカフェインを含む飲料の摂取は控えましょう。また、寝つきが悪いといってアルコールの大量飲酒には注意しましょう。逆に眠りを浅くし短時間で覚醒させて睡眠の質を悪くします。

眠りスマホ

 睡眠には睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌が必要です。メラトニは、ケールやバナナ、クルミや大根やニンジンなどの根菜類に含まれています。しかし、食品に含まれるメラトニンの含有量は微量で、睡眠導入に必要な量を満たすには青汁の場合、約10杯以上摂取する必要があります。現実、毎日摂るのは難しい為、サプリメントを用いて補完するかメラトニンの素となるセロトニンの材料トリプトファンを多く含むバナナや豆、卵や豆乳を摂る事がお勧めです。しかし、消化吸収には時間が掛かりセロトニンやメラトニンへの合成は昼間行われるため朝食や昼食にとると良いでしょう。また炭水化物をとると分泌されるインスリンはトリプトファンからセロトニンへの合成を促進してくれるので主食のご飯もしっかり摂りましょう。

 最後に部屋のライトを就寝1時間前には蛍光灯から暖色照明に変えましょう。睡眠時間が近づくにつれて正目を落とすと自然に脳の興奮を鎮め睡眠へと導いてくれます。更にラベンダーなどリラックス効果のあるアロマを焚いたり、ヒーリング音楽を流したりと神経が落ち着く環境作りをしましょう。

アロマ

☆ 齋藤奈々 ☆

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